【感想・ネタバレ】勝つための経営 グローバル時代の日本企業生き残り戦略のレビュー

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Posted by ブクログ 2012年06月03日

日本のものづくりを「もの」=思い、考え方、アイデア。「つくり」=プロセス。とわけて考えた時、日本の製造業の多くは「つくり」によって市場を席巻した。しかしデジタルに移行したことで、製造方法の大展開がおき、熟練した技術が不要になったことが、現在日本の製造業が弱くなった原因と指摘している。
「経営者は孤独...続きを読む」、「他社がやるから」という横並び思想、設備の減価償却の税制がライフサイクルの現在にあっていない事、「考えたくないことは考えない」と言う雰囲気。を批判している。
TTP,FTAは今後の標準を決める役割を担っている。知らない所でルールが決まることは、現在のグローバル社会では大きなハンデだと言う話は、輸出入しやすくなるという表面的な事よりも重要であり、日本も早期に参加するべきだと感じた。
また日本は基本技術や生産技術はまだ底力があるので、組織全体が、ひとつの戦略のもとで動いたり、情報を一元管理できるようハブ化するなどの改革を進め、組織の動きを統一しムダを省くことで経営効率化、組織力向上が測れるという話は、まだまだ悲観するのは早い。と思う反面、残された選択肢は少なく、時間は短いということを感じた。

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Posted by ブクログ 2018年10月28日

"物づくり、製造業がグローバル競争でいかに生き残るかを、サムソン電子の常務を経験した著者が喝破する。円高、社会インフラコストのせいだと言い訳を言っている場合ではないと。

日本の技術流種が大規模に行われている現状に、驚く。

とはいえ、まだまだ日本が世界に秀でる技術もある。各企業が世界中で...続きを読む社会貢献ができるはず。政治や経済動向に左右されずに。"

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Posted by ブクログ 2017年05月07日

畑村さんは「失敗学」の権威、吉川さんは元サムスン電子常務という経歴の方。

凋落している国内のデジタル家電業界と、躍進しているサムスンなど韓国メーカを比較しながら、今後の国内メーカの方向性が示されています。
やはりというか最後は、必ず"戦略" "人・組織" と...続きを読むいうキーワードが出てきます!
自分の会社もそうですが、"変革、変革"といいながら、なかなか行動に結びつかず…というのが、日本人というか人間の本質的な性。
ただ、"勝つ"という意味を自分なりに再構成しておきたいと感じました。

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Posted by ブクログ 2015年05月06日

し失敗学でお馴染みの畑村先生とサムソン成長の功労者でもある吉村先生の共同著書。
技術的に優れたよい物をつくれば売れる時代は、終わった。基礎技術を組み合わせ、顧客のニーズにあったものをつくることが大事と本著は、語っている。
Appleやサムソンのように既存の基礎技術の組み合わせで画期的な商品が作られる...続きを読む
今の日本企業にそうしたものを生み出す土壌はあるが、問題がある。
日本企業は、組織の問題(意思決定に時間がかかる、決断しない経営者)、制度の問題(税制)、考え方の問題(技術のおごり)がある。
いかにこの問題をクリアして、顧客のニーズに迅速に答える商品、サービスを提供できるかが今後の日本企業の鍵。

今の私は一企業のマーケティング担当であるが、だからころできる変えていけることがあることを認識することができた一冊でした。

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Posted by ブクログ 2014年01月12日

日本復活のためには、「負けていることを一度きちんと認めること」
ものづくりニッポンの厳しい現況がわかった。
「つくり」より、「もの」
外の世界としっかり繋がって、自分自身で状況を把握できる人材を育て、組織化しなければならない。
現在負けてはいるが、日本の優位性はまだまだある。

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Posted by ブクログ 2012年10月28日

技術偏重経営への継承。 デジタルモノづくりの時代の到来。“つくり”よりも“もの”へ集中し、“つくり“の優位性を生かせ。

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Posted by ブクログ 2012年09月04日

畑村先生シリーズ。工学的見地から今後の国内企業の進路への提言。内需拡大は見込めない等、国内ベースでは未来はないと断言。世界とはどこか?を考える。個人レベルで継続して提案を続けるしか、企業全体での価値観転換はない?トップダウンがありそうでないのが今の日本中、大企業かもしれないと再認識。

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Posted by ブクログ 2012年08月15日

昨今の韓国とは打って変わって、もう一息の日本製造業。
いつの間にか、韓国の皆さんの地道さと熱意に追い抜かれていたのね。
個々の企業が持つ(あるいは潜在的に持っている)秘伝のタレをどうやって使い、これから伸びていくのかを考えされられた。

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Posted by ブクログ 2012年06月27日

これも平積みされていたので、思わず題名にひかれて買ってしまった。技術者として考えさせられる内容。提供できる機能ばかりを気にして使う側から見た提供出来る価値にあまり気にしていなかったつけか?本書でいう"つくり"にこだわり、どの様な"もの"であるべきかを考えていな...続きを読むかったのが日本企業の敗因と分析している。
気になったところを揚げてみた。
1.ものつくり
・「もの」:思い、考え、アイディア
「つくり」:具体的な形にすること
(生産活動)
・デジタルものづり
誰でも、どこでも、簡単に
・サムソンはものに重きを置く
・ものづくりでの勝ち方
 1)先行開発の力でまったく新しい革新
的な製品
2)市場のニーズを的確にとらえて、
顧客が欲しがる製品を生み出す
・技術流出
 価値ある技術は人を介して。
技術者の使い捨ては問題。
・生産性を上げるための情報の共有(ハブ化)とプロセスの短縮(オーバーラップ)

2.日本企業の三つの枷
1)企業組織
・経営者が思い切った判断できない。・企業組織上(官僚主義)の問題
形式主義(社内だけの書・体裁)、数量主義、管理主義(マニュアルへの過度の依存)で硬直化
2)社会制度上の問題
・2重課税(海外での売り上げ金を国内に持ち込むとき) 2009年法律改正
・独占禁止法(海外に出ていくときには、企業同士合併しないと、戦えない)
・設備の減価償却(韓国のシリコンサイクルに合わせた期間3,4年に対して日本は8-10年)。台湾はすべて経費扱い
3)人々の考え方
・見たくない・聞きたくない・考えたくない ことはしたくない
・過剰なコンプライアンス遵守 

3.これからの世界
1)新興国の市場
・世帯年間可処分所得5000ドル 年間1億人づつ増加
・15000~35000ドル(上位中間層) 2.5億人(2010)->7.7億人(2020)
2)世界の動き;日本企業はずし(不安による)
・情報発信に対する不安
・サプライチェーンにおける日本企業への頼りすぎ

4.ではどうするのか
・2つに一つ
①レーンを変更して後発組との競争を回避
②レーンを変更せず、従来とやり方を変えて、後発組に勝つ
・つくりである生産技術はいまでも世界の先頭
・新興国の市場をきちんと押さえる。製品がどのように消費されているか実際に見てくる。
・マザー工場は日本に(R&Dから試作まで)
・開発+基礎技術という会社間の組み合わせ(ex ユニクロ+東レによるヒートテック)
・秘伝のたれ(レシピに書いていない技術)を生かす。
・中小企業の道
 ①秘伝のたれを使って売る
 ②大企業の海外進出についていき、
部品を売る
 ③自ら海外に出ていき、海外メーカ
ーに部品を売る
・情報をマネージメント
ex) GPS付きシャベルカーの盗難防止サービス
・インフラ輸出
 鉄道・道路・水道
・独立した個の必要性
「与えられた役割の中で思考を巡らせながらマニュアルを自分自身で作ることができる人」
自分で行動基準を決めて、最適解を導き、迅速に行動できる
・「つくり」はうまい日本
 どうような「もの」を作るかがカギ

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Posted by ブクログ 2012年06月11日

「ものつくり」は「もの」と「つくり」に分かれると。日本企業がこれから生き残るための戦略の肝がそのにあると説く。成功したサムスンにいた著者が間近でみた、彼らのやり方は、日本企業にもできるし、その原点は日本企業にあると。

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Posted by ブクログ 2018年12月30日

1.この本をひと言でまとめると
 日本の製造業企業再生の道

2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
・人を通じた情報流出は、日本の企業が長年にわたって行ってきた「技術者の使い捨て」のツケという側面もあります。「義理堅く誠実」という日本人のメンタリティを考えると、企業が大切な技術情...続きを読む報を扱ってきた人たちをそれなりに優遇するとか、定年後も彼らの力をどこかで生かすような扱いをしていたら、おそらくこのようなことは起こらなかったでしょう。(p73)
→会社の姿勢そのものが原因。ここまでの視点を持ち合わせた経営者がいなかったのが残念。

・デジタルものづくりの本質とは、組織の在り方、動き方の変革を伴うもの(p95)
→うちの会社はまだアナログものづくり。危機感をもちました。

・自由で柔軟な発想の芽を摘む話(p136あたり)
→地元の公園でも遊具の撤去がありました。。。マニュアル通りで責任を取らない人を増やさない教育を考えないといけない。

・サムスン電子が大飛躍を遂げた秘密は、松下幸之助の理念を愚直に実行してきたことにあった(p214)
→これを聞くとなんだかうれしい。日本もまだ可能性があるような気持ちになれる。

・いまの日本がまずやるべきことは、『負けている』ことを一度きちんと認めることだ(p215)
→変なプライドはいい加減捨てたほうがいい。現状を受け入れ、再出発して成功すればいいのだから。

3.突っ込みどころ
・日本の法人税の高さは、海外で活動している競争力のある他国の企業の日本進出を阻む防波堤(p46)
 →TPPに賛成するなど、グローバル化の立場からはこの考え方はおかしいのでは?製造業を政策で保護しているだけのように思える。
・元サムスン電子常務の吉川氏がほとんど書いたのでは?サムソン電子の事例が多すぎる。

4.自分語り
・この本の内容は大部分が以前から指摘されていた内容だと思うが、それでも日本の大手企業(パナソニックやシャープ等)がなぜ赤字なのか、なぜ変れないのか本当のところを知りたい。

5.類書
・空洞化のウソ――日本企業の「現地化」戦略 (講談社現代新書)  松島 大輔 (著)

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Posted by ブクログ 2021年08月08日

失敗学の畑村洋太郎氏と「サムスンの決定はなぜ世界一速いのか」の吉川良三氏の共著。
ものづくりを「もの」「つくり」と捉え、日本が「つくり」にこだわっていて伸び悩んでいるのに対し、アップルやサムスンのように「もの」に重きを置くことも必要だとする。無駄に高機能なものをつくっても仕方がないというのは、ブルー...続きを読むオーシャン戦略を思い出した。
ただ、書いてあることは「サムスンの決定はなぜ世界一速いのか」とそう変わりがないように感じた。

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Posted by ブクログ 2015年03月08日

日本企業、特に製造業は世界を席巻した。
しかし、それも今は昔。
どうして電機業界のように、衰退の一途をたどっているのか?
それは過去の成功体験が邪魔をし、韓国企業など新興国の企業を甘く見くびっていたからではないだろうか。
素早い決断が求められるが、大企業病といわれる責任の所在があやふやで決断が下せな...続きを読むい。
マイナス採点主義の日本企業はこの先大丈夫なのだろうか?

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Posted by ブクログ 2014年01月03日

勝つためには?

→情報不足は意思決定の遅さにつながるため、経営者が外の世界とつながりをもち、外部から組織を見ている人の意見を聞ける状態をつくる
消費者が望んでいる機能を持つ製品を望んでいる価格で提供することが大事
自分たちも気づいていないかもしれない競争力の源泉となり得るタネ、秘伝のタレを生かす
...続きを読む核となる一群をつくってそこに啓蒙することで一気に組織を変えていくのが、戦略的に進める組織改革の方法
と同時に外部と接触する機会を増やす

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Posted by ブクログ 2013年02月14日

ものにこだわって商品開発をしないといけない。トップが危機感を持って、それが全体や伝わり、具体的なアクションになると理想的。

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Posted by ブクログ 2012年09月22日

「ものつくり敗戦―「匠の呪縛」が日本を衰退させる」、「千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン」参照

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Posted by ブクログ 2012年07月04日

■経営

1.日本企業が持つ「高い技術力」が武器にはならない。それは、近年、性能ではなく、製品コンセプトやデザインが製品の価値を決めるようになってきているからである

2.韓国の減価償却期間は日本より短い。

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Posted by ブクログ 2012年05月24日

以前にこの著者の本を読んだことがあるので非常に取っ掛かりやすく読みやすかった。内容も『サムスンの~』に既出しているものが多かった。強いて言えば、こちらの著書は著者と数人の有識者が意見を交わしていることから、『サムスンの~』よりもより高度な議論になっている気がした。

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