えすとえむのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どの作品も映画を観た後のような余韻が心地よく心にぐっと来るものばかり。BL漫画というより同性の道ならない恋を描いた文学的香り漂うショートムービーといった感じでしょうか。
でも萌えもきちんとあって特に学生と男娼や幼馴染み同士の淡い恋とか切なくてよかったなぁ。えすとえむさんってスペインぽいイメージがあったけど、トルコも凄く似合う。ストーリーを楽しむというより、異国情緒溢れる絵柄や多くを語らず表情や行間で魅せる作家さんなので、BL的萌えを求めていると物足りなさも感じるかもしれませんが、こうゆうサラッとした余白の部分を楽しめる作品は凄く好きです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新書購入
現代。スペイン。闘牛にまつわる物語。
絵がそんなに好みではなく、BLの人というイメージもあったので手を出していなかったのだが。
これ、好きだなー。
ちゃんと闘牛士もの、です。
孤独な感じのあるチカ。
彼女はたぶん、受動的な感じがあるので、同性愛者ではない気がする。
マリアという恋人に裏切られて、彼女は死のうとするが、助けられる。
何かの素質を見た、助けた男は彼女を闘牛士に育てようとする。
裏切られて、傷ついたが。
気になるのはマリアだ。
恋人のチカを裏切って妊娠したのだが、困り果ててチカに相談し、チカは傷つき、もうメールにも出ていない。
・・・身持 -
Posted by ブクログ
やはり、私はこの先生の生み出す漫画が好きだ
このIPPOに限らず、描くテーマがいい。他の漫画家の先生が挑戦しない、もしくは、できない難しい題材に、真っ向から挑んだ上で、レベルが異様に高い作品に仕上げている
少なくとも、私は『靴』に重きを置いている漫画を知らない(大川原遁先生の『王様の仕立て屋 サルト・フィニート』では靴がメインの回はあるが、私はこの作品はあくまで服飾漫画、と思っている)
とことん、無駄を省いて、必要なものだけを十二分に一コマ一コマに詰め込んでいる感じ
背景がゴチャゴチャしていないので、キャラの肉体的な動きと心理の移りようが活き活きと感じるし、台詞も染み込んできやすい
また、店を -
Posted by ブクログ
パワーがある漫画
作者そのものに現在、勢いがあるって意味でもあるが、絵と内容、また、キャラにもそれが言える
何と言っていいのか、この先生が描くキャラには生命力がある
他の漫画を酷く言うつもりは微塵もないが、薄っぺらい感じがまるでない
曽田正人先生が造る漫画のキャラと同じく、自分の命を燃やすようにして日々を生きている、そう思わせるのだ。ただ、曽田先生のキャラから発散されているそれは激しく赤い感じがするが、えすとえむ先生のそれは静かだが重みのある淡い青、そんな感じがした
読み手の心に、それこそ牛のように真正面からぶつかってくる所もあるので、ある意味、好き嫌いが分かれるかも・・・ -
Posted by ブクログ
エロスと官能の珠玉の短編集。
短編集というと普通は物足りない感の詰合せになるのだが、どれも内容が濃くて一つの物語として完結している様は流石。マニアックなエロがてんこ盛りなのだが、美しく流れるような文章で不思議と下世話な印象はなく上質なエロティシズムが感じられるのは榎田さんの小説という先入観があるからなのか(^^;;
そして最後の「書生の戀」のような作品こそ榎田さんの真骨頂ではないだろうか。一度も交わるどころか逢瀬すらしていない、ただ書簡のやり取りを通して紡がれる恋物語。書生が創り出した絵空事だったはずの物語がどんどん真実味を帯びてきて、いつのまにか二人の恋が事実として存在していたかのように感情 -