▼あらすじ
弱みを握られ、脅され、ふたりがかりで辱められ――
支配するものがその立場を奪われ、悦楽に跪くとき…。
『10×3』をはじめ、書き下ろし含む全6編、密室、玩具、極道など、榎田尤利がこだわりぬいた極上のエロティック短編集。
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どれも良かったのですが何と言っても最後の「書生の戀」とい
...続きを読むうお話が別格です。
手紙のやり取りをそのまま小説にした感じなのですが、本当に全てを持って行かれた感じ。
このお話だけ、他のお話と空気も時代背景も違います。
私は小説でも何でも感動はしても泣くまで至る事が無に等しいので今回もそのパターンかと思いきや、読み進めるうちに身体がカーッと熱くなって、それを理解するのと同時に震えが来るほど衝撃を受けて、最後は涙腺が壊れたようにボロボロ泣いていました。
小説で、しかもBLというジャンルでここまで泣けたのは初めてです。
切なくて、苦しくて、悲しくて…まさかこんなに胸が引き絞られるなんて思ってなかった。
ただただ、遣る瀬ない思いでいっぱいというか…。
私がここでどんなに熱く語っても言葉が安っぽくなってしまうのが悲しい。
切ない話が苦手な方も「書生の戀」だけは読んで欲しいなと思ってしまいます。