えすとえむのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
やっぱり、えすとえむ先生が丹念に描く、この漫画はイイ味がする
顔に顰めが出てしまうほど青々しすぎず、かと言って、熟れすぎて舌が痺れるほどでもない
程好い旨みが凝縮されていて、歯応えに気持ちのいい弾力があった。いくら噛んでも、味がボヤけないから、読む度に新しい感銘を受けられた
一流と賞するよりは、本格、と言った方がしっくり来る。独特だが嘘くささは皆無で、不安定ではない雰囲気が内側の中心から更なる深みを引き出しながら滲み出てきている作品だ、そう読み進めるごとに思い知らされる
あくまで、私だけかも知れないが、えすとえむ先生は画を描く才、ストーリーを練る才能、これらも凄いが、それを支えている一番の才能は「美しい線を引ける才」だ、と思う。えすとえむ先生の画はどこかフェチが強く、下品なエロでなく鑑賞に値する色艶が滲み出ているのだが、それを全て真剣、心を絞るようにして引かれた、画を作る単なる線が力強く支えている
力強い、儚げ、優しい、鮮明、線を使いこなしつつある青年漫画家、私はえすとえむ先生をそう思っている
人間が現代社会で、絶対でないにしろ、無くなってしまえば途端に不安に駆られ、裸足で歩く怯えを払拭してくれるアイテム、『靴』って言う難しいテーマに挑んでいるだけあって、線からして妥協が無い
TV Bros.コミックアワード2013“はたらく人部門”で大賞を取ったのも手離しに喜べ、同意に頷ける
妥協できない本物の靴を作る歩の元には、好い本物を理屈抜きで求められる客が訪れる。どちらも紛れも無い本物であり、この一作品を読む我々にも、善し悪しを見抜ける感性を求められているような気がしてならない
仕事を真剣にやる事の意義、甲斐、気持ち良さを言葉でなく雰囲気で教えてくれる一冊でもある
今の仕事に悩んでいる20代の読み手にお勧めしたい青年漫画 -
Posted by ブクログ
▼あらすじ
弱みを握られ、脅され、ふたりがかりで辱められ――
支配するものがその立場を奪われ、悦楽に跪くとき…。
『10×3』をはじめ、書き下ろし含む全6編、密室、玩具、極道など、榎田尤利がこだわりぬいた極上のエロティック短編集。
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どれも良かったのですが何と言っても最後の「書生の戀」というお話が別格です。
手紙のやり取りをそのまま小説にした感じなのですが、本当に全てを持って行かれた感じ。
このお話だけ、他のお話と空気も時代背景も違います。
私は小説でも何でも感動はしても泣くまで至る事が無に等しいので今回もそのパターンかと思いきや、読み進めるうちに身体がカーッと熱くなって、それを理解するのと同時に震えが来るほど衝撃を受けて、最後は涙腺が壊れたようにボロボロ泣いていました。
小説で、しかもBLというジャンルでここまで泣けたのは初めてです。
切なくて、苦しくて、悲しくて…まさかこんなに胸が引き絞られるなんて思ってなかった。
ただただ、遣る瀬ない思いでいっぱいというか…。
私がここでどんなに熱く語っても言葉が安っぽくなってしまうのが悲しい。
切ない話が苦手な方も「書生の戀」だけは読んで欲しいなと思ってしまいます。 -
Posted by ブクログ
ますます、エロくなっていた
誤解しないで欲しいが、エロいってのは性的な描写があるって訳でなく、主人公・チカが一皮向けて、闘牛士として、また、人間としてステップアップした事により、醸す雰囲気が変質して、そこが画にハッキリと現れだしたって意味で、私はエロいと使わせてもらっている
他に、こういう意味の「エロい」を使いたくなる、女性が主人公の漫画は、何と言っても、曽田正人先生の『昴』
この『Golondrina』はそれに匹敵するエロさを持っていて、読み手にゾクゾクと背筋が震えるほどの感動を与えられる漫画に成長しつつある
また、男性も女性も、えすとえむ先生は体付きをよくよく研究していて、この角度ならこうやって陰を入れれば映えるとか、この心理状態ならこう動く、って事を練習量で掴んでいるように思える
内容が内容なので、えすとえむ先生もチカのように本能や直観に生きている感じで、一発描きで決めちゃう漫画家と思っていたが、1巻から読み返してみて、もしかすると、数え切れないくらいの下書きや描き直しで自分を支えている、練習を怠らない、漫画家は努力を続けなきゃやっていけない、そう信じているのかも知れない、と思い直した
そう、一人の読み手に感じさせるのは、やはり、漫画にエロさがあるからか? -
Posted by ブクログ
▼あらすじ
あふれんばかりのチョコレート。氾濫するロマンティック。――チョコレート好き紳士をめぐる、ある愛の物語。
パリに暮らすやり手の弁護士、ジャン=ルイ。彼が世界で一番愛するは――チョコレート。彼の向かうところ、いつも悩める人々が待ち受ける。果たしてジャン=ルイは、チョコレートで人々を救うことができるのか?そして、彼の秘められた過去とは……?
えすとえむが描く、スウィート&ビターな大人の寓話。
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ぽこぽこでWeb連載してた時から追っかけてました。
やっぱりこうして本になると嬉しいです。
チョコレートを包むシートのような手触りの表紙に金の帯、本を開ければチョコレート色のインクで様々なお話が描かれています。
ここまで装丁に拘っている漫画も珍しい。
是非お手に取ってその美しさをご自分の目で確かめていただきたいです。
内容はショコラを愛する紳士、ジャン=ルイとそれを取り巻く人達のスイート&ビターなお話です。
一つ一つのお話自体は短めですがオチはきちんと纏まっています。
現実と妄想が入り乱れているので読んでいて楽しい(笑)
とりあえず、ジャン=ルイがショコラを食べるシーンがとってもセクシーなので必見です。 -
Posted by ブクログ
▼あらすじ
ケンタウロスーーギリシア神話に登場する、上半身が人間で下半身が馬の種族。
「お前ってほんとは歳いくつ?」
「…50くらい?」
一緒にレポートを書いていた大学の友人のケンタウロス。
思ったよりも年上だったみたいだ…!
同じ時間を生きてない彼らと、〝俺〟がキャンプ先の星空で語る気持ちとはーーー。
ケンタウロス2人に挟まれる男の性愛や、平安末期の武士とケンタウロスが結ぶ主従関係、羊飼いの少年と戦場へおもむくケンタウロスの絆、美しい奴隷のケンタウロスと若主人の歪んだ愛……など、さまざまな時代、さまざまな国を生きるケンタウロスたちの、切なく心惑わす異種恋愛譚。
実力派・えすとえむ先生が端麗な筆致で鮮やかに描く、異色のラブストーリー集。
商業誌未発表の今シリーズに加筆修正の上、「Bay Silver3」を描き下ろし。
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これでもかという程ドツボに嵌った作品の一つです。
えすとえむ先生の作品の中でどれが好きかと問われたら真っ先にこの作品を挙げます。それぐらい好きです。
金の箔押がされた表紙は見る者を圧倒する美しさ。
何か神聖な書物を感じさせるような作りはまさに贅沢としかいいようがありません。
白と黒のバランスも良く心底惚れ惚れします。
中身はケンタウロス同士のお話やケンタウロスと人間のお話など様々なお話が収録されているのですが、とにかくケンタウロスの描写に力が入っていて馬特有の筋肉から
胴体のしなやかなフォルムまでうっとりするぐらい美しく描かれています。
力強くて滑らかで、蠱惑的。本当にたまりません。
普通のBLではありませんが私の場合、普通のBLより何倍も萌える事が出来たので、人間同士の恋愛以外でも萌える事が出来る人に是非お勧めしたいです。多分ドツボに嵌るかと…! -
Posted by ブクログ
タイトルと表紙通り、全編ケンタウロスが主役の漫画ですw
「人間とケンタウロスが共存している」という設定の架空世界を舞台に、サラリーマンや蕎麦屋のバイト、靴屋にモデル……といった様々なケンタウロス男性(というかオスというか)が登場し、普通にアパートや家で生活して普通に電車に乗って普通に働く日常とドラマが描かれます。数人の主人公が登場するオムニバス形式で、読後感はどれも爽やかです。
掲載誌はBL漫画誌ですが、キスシーンどころか明確に恋愛が描かれたシーンもほぼないので、男性でも抵抗なく読めると思います。
どのエピソードも味わい深いのですが、特にファッションモデルの話が好きです。(巻末のおまけ漫画も含めて)
某氏の「うどんの女」のレビューを読んで気にかかっていた作家で、ふと本屋で表紙を見て、気になって衝動買いしたのですが、実にアタリでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「痛い靴」
痛い。自分も慣れないヒールでよく靴擦れつくるから読んでいてすごく痛い。でも痛みが甘く疼いてそれを快感に錯覚するような、大人のエロス。
「ストロベリー」
正直、オチは見えてたわけだけど、一途で切迫した想いに泣きそうになった。そしてまさかのリバがいい。完全に攻受固定なキャラのリバが萌える。
「10×3」
3Pキマシタワ!BLのヤクザモノってどうしてこんなにおいしいんだろう。女とは相当遊んでる百戦錬磨のヤクザさんがかわいいなんて反則。わんこ舎弟の菊池くんかわいい。
「カルメン」
扉絵のガチムチのお兄さんの女装を見た時は一瞬引きかけたけど、最後まで読んでみると逆に目覚めてしまう勢いで良かった。ノンケに恋するゲイはいい。
「クリスタル」
失禁プレイ。堅物の秘書のあられもない姿には萌えざるをえない。
「書生の戀」
戦中、小説家と青年の文通を通したお話。青年が送る「先生」と「書生」の恋物語が、現実の小説家を慕う青年に重なる。時代物の味が出ているもどかしいような切ないような悲しいような雰囲気が絶妙。
どれもマニアックながらもおいしい。一気に読んでしまった。評判に違わぬ満足!