大塚英志のレビュー一覧
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奇作
紙媒体で持っているが、だいぶ経年劣化してしまったので電子書籍版も購入するかどうか検討中。
内容ははっきり言って滅茶苦茶で行き当たりばったりの展開なのだが、読んでいるとなぜか不思議とこうものなんだと納得してしまう。
ちなみに、Sound Horizonという音楽グループが本漫画のストーリーを楽曲にしたイメージアルバムを作っており、とてもいい曲なので、そっちもおすすめ。 -
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現在日本のアニメや音楽が世界から注目を集めているが、国はクールジャパンの名目でこの流れに乗っかり日本をアピールしようとしている。これには戦時下の文化工作と酷似する点が多くあり、文化工作の様相を詳しく見て行きながら警鐘を鳴らす趣旨の本。
漫画、映画、アニメ、音楽、文学が今でいうメディアミックスの形式で、プロパガンダに利用される様を具体例を見ながら学べる。
音楽業界の端で働く私としては、四章に音楽の話が多くて興味深かった!「椰子の実」は最近だと朝ドラのあんぱんで流れていたが、劇中では出征する寂しさを歌っているように思われた。しかし、本書によると椰子の実は南方政策の正当性を説くために利用されてい -
Posted by ブクログ
ふと手に取ってふと読んでみたら、とっても興味をそそられた学術的漫画。
稲生物怪録は、1749年に現在の広島県三次市(みよし)に実在した稲生平太郎が16歳の7月から1ヶ月に渡って体験した怪異物語。
今で言う、ほんとにあったコワイ話である。
それが当時から江戸時代から現代に至るまで、冊子体や絵巻物、2次創作などあらゆる形で流布していくのがこの作品の人気を表すところ。
水木しげるや京極夏彦、わたしの大大大好きなぬ〜べ〜でも取り上げられていたなんて。知らなかった。
本作はその中でも、稲生家妖怪傳巻物という絵巻(文字が一切載っていない)の原本を、まさかのそのまま使用してコマ割りして漫画風にアレンジし -
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Posted by ブクログ
すごくおもしろい!!!!!
絵巻物を漫画の手法で再解釈し、現代人にも読みやすく「まんが訳」したもの。
美術館などで展示されている絵巻物を見たことはあるものの、詞書は崩し字で読みづらく現代語訳が併記されたものも少ない。絵も登場人物の誰が誰やらさっぱりで、なかなか絵巻物を「読む」ことは現代人には敷居が高いが、「まんが訳」されていることでさらっとストーリーが頭に入ってくる。解説にも記載がある通り、まんが訳するには、詞書の情報量に対して圧倒的に絵の量が足りないため、同じ絵を使いまわしているのだが、トリミング位置や大きさを変えてメリハリをつけており、実際の絵巻物を見る際にも、絵のどこに着目すれば良いか -
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
想像していた内容と全く違った。
手塚治虫以降現代までの漫画の歴史をダイジェスト的に漫画でやわらかく説明するものを想像していたが、手塚以前を中心にした漫画の歴史を学ぶための「学習漫画」だった。
小学校の頃、よく学習漫画を読んで、漫画と違ってつまんないなと思っていたが、この学習漫画は面白かった。
この学習漫画が取り扱うのは戦時中の話が大部分。
戦時の影響を漫画はどのように受けて、最終的に手塚治虫を代表するストーリーマンが生まれたか、が非常にロジカルに書かれている。
まず、あまり知らなかった戦争中の漫画の時代背景を理解できることに興奮した。
ディズニーの影響、戦時中の日本の思想取締の影響、大