大塚英志のレビュー一覧
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その名も…黒鷺死体宅配便。死体を…運ぶ?
ある共通点を持った者達が大学で出会う。そして、黒鷺死体宅配便を立ち上げる。
バラエティーに富んだ能力を持った主人公達が死。に関わっていく物語。
死体を操ったり、死体を見つけたり、死体を綺麗にしたり。果ては宇宙と交信する能力を持っていたりとその特異な能力を活かし時に事件を解決したり時に悪を懲らしめたりする。
話はミステリー調で展開されていく印象。都市伝説や、今起こっている問題を様々な切り口から取り上げており、実に興味深い。
主人公達の過去が段々と明かされていくのも見所の一つ。
死体を題材にしているだけあり結構、エグい描写が多い。
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大塚氏が宮台氏に的確に切り込んでくださっており、いつもは推し量りながら距離をとっているような感のある、氏のその意図や真意を随分はっきりと聞き出して頂いている最新の対談に加え、過去の対談も見逃していたものが多く、酷く示唆に富む一冊となりました。
大塚氏は、個人的に、そして実に勝手ながら卑近過ぎるきらいがあってやや避けていたのですが、今回見事に、やはり一番近しかったのだということを明らかにされてしまった感です。また、もちろん天地の違いがあるわけで、”母”や“母系”の愚、弱点についても、母のファシズムについても、見ないようにしていた点を見事に描き出してもらいました。今年一番の猛省点、来年に向けての -
Posted by ブクログ
<愚民社会>
この本について多くを語ると、ただでさえ色々なことを想像させるタイトルなのに余計に読者の方に予断を与えてしまうかもしれないという気がしているので、この本の読み方のヒント、というか、頭を冷やしつつ真摯に読む助けになりそうだと思う部分を、新たに収録された大塚英志さんの言葉から引用させていただきます。
――「沖縄ノート」をめぐる裁判が象徴するように大江的な「戦後民主主義的言説」を「叩く」ことのほうがこの何年も世の中の「空気」だったのに、「反原発」になった瞬間、用いられるロジックは大江そのものである、という「気持ち悪さ」を、しかし感じないところが「気持ち悪い」。
【そもそも自身の「鏡像」 -
Posted by ブクログ
大塚英志と東浩紀の、4度にわたる対談を収録したもの。
二人の議論は、さながら紙媒体出版世代の価値観と、ネット世代の価値観のぶつかり合いが見える。大塚英志は「どうして自分が東の主張に納得いかないか」、ということを追求して説明を求め、東浩紀がそれに冷静な返答をしているため、二つの価値観にどのような違いがあるのか、どのような背景の上にそれらの価値観が成り立っているのかが、よく見えるようになっている。
紙の出版物に触れて育ちながら、ネット世代としても生きる自分が、どちらかに(というか両方に)対して感じていた違和感の原因を探る手掛かりになったと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ著書が教鞭をふるった神戸芸術工科大学まんが表現学科創立期のエピソードと、自身の大学時代に出会った民俗学の恩師とのエピソード、この二つを主軸に交えながら大学教育の在り方を問うエッセイである。
生きるための「方法」(それは小手先の技術や知識ではない)を生徒に教えることに情熱を注ぐ著者と必死に食らいつこうとする学生の熱量を目の当たりにすれば、学生の学力不足を嘆く先生方の「教える工夫」衰退こそ問題にすべきではないかと思わせる。
「AO入試批判」批判の章の著者の視点はまさに慧眼であり、生徒の能力をいかに引き出すかという問いは、教育に携わる者全て(それは教育機関関係者にとどまらず、例えば仕事場の後輩指