大塚英志のレビュー一覧
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ネタバレ今巻で完結…のようだけど、いつも以上に今巻もギリギリに攻めていたので、何か大きな力が加わって突然の完結になってしまったとしても不思議ではないw
内容は、存在しない都市伝説化した村の話と、顔認証でオタクサーチする話と、赤紙徴兵した人間を細菌でゾンビ化する話。(簡単に言おうとすると倫理感が狂う…)
地図にも著作権があるのか!?とか、もうとっくに顔認証は使われてる!?とか、憲法改正されると中東に派兵されてるの!?とか、今回もフィクションなのかノンフィクションなのかかなり際どいけど話は面白い。
そして、衝撃のラストシーン…唐津君がフサフサに!?
いつでもまた再開できそうな終わりなので、寂しくなんか無い -
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1~20巻まで一気読みしたので、こちらに感想をまとめます。
大変面白かったです。なんと言ってこの面白さを説明すれば良いのか、わからないけど…。とにかく、なんだかすごく面白い漫画です。
なんというか、まず、真面目じゃない。時事ネタが多く、明らかに実在の人物が元ネタであるキャラクターを出したりなんかも平気でしちゃって、しかも平然と殺しちゃう。ドラマや漫画のパロディや、有名な今時の都市伝説なんかも、あっさりとネタにしちゃう。老人の孤独死、自殺問題、犯罪被害者の心情や加害者のその後、児童虐待、中絶問題、復讐についてなどなど、かなり重いテーマを扱っているのに、深刻になりすぎずにさらっと次の話に移っていく -
購入済み
啄木と60年代空気感
啄木もよく知らない、当時の世相に刺して興味があるわけでもない、それでも吸い込まれるような空気感があります。今とは違った感覚、価値観の中で自分と同じ年頃の若者がその時代を生きる苦悩と葛藤が描写されてます。
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大塚英志と東浩紀が、四回にわたっておこなった対談の記録です。第一回は2001年、第二回は2002年で、東が『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)の頃の東が、『物語消費論』の大塚英志と、サブカルチャー批評について議論を交わしています。
第三回は2007年で、今度は東が『ゲーム的リアリズムの誕生』(講談社現代新書)を刊行した後の対談です。そして2008年におこなわれた第四回は、秋葉原連続殺傷事件の直後の対談になっています。
対談を通して、大塚は愚直なほどにおなじ問いかけを東に向けています。彼が問うているのは、「公」のことばをもう一度立ちあげなければならないという義務感であり、そうしたこと -
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「アンラッキーヤングメン」は、角川書店のエセ(?)文芸誌「野生時代」に連載された作品で、作画は藤原カムイが担当している。藤原カムイは荒俣宏の「帝都大戦」や押井守の「犬狼伝説」、最近では矢作俊彦の「気分はもう戦争2」などを描きつつ「ドラゴンクエスト」シリーズで少年誌でも有名である。
藤原カムイの画力は大友克洋の繊細な描写と鳥山明のクリエイティブなマンガ的ユーモアのそれぞれをバランスよく持ち合わせているように思う。
「アンラッキーヤングメン」の主要な人物はすべて実在されたとする人物を投影する。連続射殺魔事件の永山則夫ことN、連合赤軍事件の永田洋子ことヨーコ、三島由紀夫こと作家M、そして「3億円事件 -
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大塚英志と藤原カムイのおそらく初めての顔合わせではないでしょうか。角川の「野生時代」というエセ文芸誌に連載されてるんですが、ストーリーはなかなか秀逸で、60年代に起こった3億円事件などの実際の事件や時事ネタを通して、当時の若者(ヤングメン)のなんだかもどかしい日常が描かれます。
これまで柳田国男や折口信夫のサーガをやってきましたので、この辺の話はお得意ですね。
日本赤軍の永田洋子や三島由紀夫などの実在する人物を下敷きにしていますが、タイトルの元ネタは大江の「われらの時代」に出てくるジャズバンドの名前らしく、ここでも大江健三郎がネタとして使われています。
この作品はこれまでの大塚作品の中で -
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神戸芸術工科大学でマンガの授業をおこなっている著者が、大学教員の立場からどのようにマンガに関わったのかを振り返り、同時に著者が民俗学を学んだ千葉徳爾にまつわるエピソードを紹介しながら、「近代」という時代における「教育」の行き着く先についての考察を展開している本です。
雑多なエピソードがちりばめられているために、ややまとまりの悪さを感じますが、そのような仕方でしか語られないような「教育」がある、というのが、著者の立場なのかもしれないという気がします。例えば著者は、学生時代に民俗調査の実践に放り込まれることで「人に会う」という社会的な振る舞いを身につけたことを語り、それは「現代思想」でしばしば「