乾石智子のレビュー一覧

  • 魔道師の月

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本棚を整理した際、未読本として出てきました。
    タイトルと表紙に惹かれて(本との出会いは一期一会だったりしますので)購入したものでした。それからおよそ7年を経てようやく頁をひらくこととなりました。

    まず、とても読みやすいことがあげられます。翻訳ものにありがちなどことなく存在する違和感がない。最初から日本語で書かれたからであろう、異国の名称もぎこちなさを感じない。しかし日本で書かれた洋風ファンタジーのような「なんちゃって」な空気もない。遠い国で編まれた物語が長い旅路を経て届けられた重厚感がそこにある。それは筆者の圧倒的な「魔力」というなの言語力に基づくものでしょう。

    本編でわたしたちは幾人もの

    0
    2021年09月21日
  • 赤銅の魔女 紐結びの魔道師1

    Posted by ブクログ

    本当に読んでいて楽しかった!
    旅が進むにつれ仲間が増えていって、色々な変化も楽しめました。
    ダンダンが可愛いー!
    早く続きが読みたいなぁ。

    0
    2021年06月28日
  • 夜の写本師

    Posted by ブクログ

    文庫刊行当初より、このやや妖しげで蠱惑的なタイトルに惹かれ、ずっと読みたいと思いつつ数年、やっと読むことができました。

    エズキウムの地で、右手に月石、左手に黒曜石、口の中に真珠と三つの品をもって生まれてきたカリュドウは、産婆をつとめた女魔道師エイリャに引き取られ、育てられました。
    十二歳のある日、カリュドウの目の前でエズキウムの支配者にして魔道師長アンジストにエイリャが惨殺されます。
    カリュドウは隣国パドゥキアに逃れ、復讐の決意を胸に魔導師の修行に励みますが、取り返しのつかない失敗を経た後に、「夜の写本師」を志すこととなります。

    育ての親の復讐譚かと思えた物語は、一千年にも及ぶ、そして三つ

    0
    2021年05月09日
  • 赤銅の魔女 紐結びの魔道師1

    Posted by ブクログ

    やっと!オーリエラントシリーズの続き!


    リクエンシスとグラーコ、マーセンサスだけの道行きが
    どんどん大所帯になって色々な話が組み合わさりながら進んでいく。

    文庫待ちしてるから早く次が出て欲しい。

    0
    2021年04月27日
  • 魔道師の月

    Posted by ブクログ

    前回の夜の写本師から連続で読みました。


    全体の構成として、主人公の人生と、主人公にまつわる人物の人生が交互に入れ替わることで中だるみなども一切なく読み切ることが出来ました。
    過去と現在が行き来することで短編集を読んでいるかのような軽さと、濃厚なストーリー展開と伏線が読み終わってもしっかりと心に残り、まるでそこにいたかのような鮮明なイメージが今でも思い出されます。
    景色の描写や登場人物の心情が密に表現されているのにも関わらず、ごちゃごちゃせず透き通った文章に収められ気持ちよく読めました。
    作中のあるキャラクターが別の作品で主人公になりそうだなと思う場面があり、個人的に気に入っているキャラクタ

    0
    2021年01月30日
  • 夜の写本師

    ネタバレ 購入済み

    『オーリエラントの魔道師たち』を読んでて、イスルイールってどんな人だっけと思い、再読。
    テイクオク、プアダンの呪法、それに指なしカッシまで出てきて、思わず声を上げそうになる。最初に読んだときには気にも止めてなかったことが、ちゃんと別の物語の中でも活きてて、それを踏まえて読むのも面白い。

    0
    2021年01月23日
  • オーリエラントの魔道師たち

    Posted by ブクログ

    短編なのにどれもしっかりとした世界観があって読んでて飽きない作品でした。
    終わり方が突然だったりするので、ここで終わり〜!先が気になる。。。とも思ったけど、でもだんだんと、いい意味で気にならなくなる良作だと思います。
    でも、いつかどこかのシリーズでチラッとでもオーリエラントの魔道師が出てくるに期待!

    0
    2020年11月17日
  • 闇の虹水晶

    Posted by ブクログ

    オーリエラントシリーズより好き!
    世界が明るい。女の子も魅力的。こっちの世界は続かないのかしら…もったいない。
    と思ったら、続編があるとな。これは見逃せない。

    0
    2020年09月06日
  • 沈黙の書

    Posted by ブクログ

    この方の本はいつも女性キャラに疑問を抱いてしまうのだが(女性作家の割に結構男性目線に感じるので)、これは素直に心に入ってきた。面白かった。

    0
    2020年09月06日
  • 紐結びの魔道師

    Posted by ブクログ

    オーリエラントの魔道師シリーズの中で、一緒にいていちばん安心できそうな魔道師の話。
    闇を身に持ちそれを自覚しながら生きていくリクエンシスが頼もしい。あと単純に紐がたくさん結ばれているのを想像するとかわいい。

    0
    2020年03月14日
  • 竜鏡の占人 リオランの鏡

    Posted by ブクログ

    三人の王子の一人が主人公。三人の登場からこのなかから一人が主人公になるとしたらこの人かな?と思ったらそのとおりだったのが、作者の好みというか方向性がわかりやすくて個人的には好き。他の王子もそれぞれ成長したり変化した…ようなしないような。
    物語が終わったあと、主人公も含め彼等がどんなふうに生きていくのか想像するのが楽しくなった。
    「オーリエラントの魔道師」シリーズに出た地名と似た地名(言語による読みの違い程度の違い)がでてきたので同じ世界の話なのかも。

    0
    2020年03月14日
  • 太陽の石

    Posted by ブクログ

    相変わらず情景描写が難しすぎて雰囲気だけで読んでますが、それでも面白いと感じるまさに魔法のような作品でした!
    個人的にはイザーカト兄弟より、ザナザとビュリアンが個性的で好きなキャラでした。

    0
    2020年01月28日
  • 闇の虹水晶

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    すごい良かった……
    感情の渦が主人公の中で纏めあげられていく表現の言葉の奔流がすごい。

    憎しみ、嫉妬とかの負の感情、欲望を全て纏めて飲み込んだ成長?というか進化?の果てに自分の望みを叶えて、己の幸せを手にした主人公。全てを自分の力で掴んだわけじゃなくてなんか色々重なったけど、最後の最後は我を押し通した肝の強さにスカッとした。
    全てを運命に委ねる悟りの境地から、欲望を携えて帰ってくる姿に、人間臭さを感じた。

    とにかくトリエリエとヒスタルサが最後まで生きてて良かった!

    0
    2020年01月04日
  • 滅びの鐘

    Posted by ブクログ

    迫害され逃げるとは、こんなに辛いものなのか。安住を許されず滅ぼされようとする者の苦しさ。天地がひっくり返るような鮮やかな結末に、感服。

    0
    2019年11月11日
  • 滅びの鐘

    Posted by ブクログ

    海を超えてやってきた民と、元々住んでいた民。表面上は上手くやっているように見えてはいても……
    魔法使いの力と石の持つ力、もたらすものが心からの平和だと良いな。

    600ページのこの世界にはちゃんと色があって、ハッキリとそこに見えるようだった。

    0
    2019年09月10日
  • 滅びの鐘

    Posted by ブクログ

    乾石智子氏のファンタジーはすべて読んだ。
    読み始めるととまらない…まるで作品そのものに
    魔法が封じ込められているかのように。

    正直、心がずたずたにされそうな悲しい話も
    たくさんあった。

    でもこれだけは言いたい。

    この作品は彼女の最高傑作だと私は思う。

    これまでの彼女のファンタジー作品の数々には
    どこか矛盾や受け容れ難い設定や
    直視できない残酷さにまみれて
    どうしても好きになれないものが含まれていたが

    この作品を読み終えて このような素晴らしい世界観に
    包まれたエンディングなどに出会えたことの幸せが
    胸の中に溢れるのをどうにもとめられず
    読み終えてすぐにレビューを書いている。

    繰り返

    0
    2019年09月01日
  • 紐結びの魔道師

    Posted by ブクログ

    シリーズの中では1番好きかもしれない。
    エンスの飄々とした生き方と、時々の相棒との掛け合いも面白かった。
    エンスとニーナがこの先どう生きて行くのか、とっても気になる。

    0
    2019年06月07日
  • 紐結びの魔道師

    Posted by ブクログ

    シリーズ第5弾は一人の魔導師の短編集
    解説の池澤春奈と同じでリクエンシスが今のところ一番のお気に入り♡

    0
    2018年12月08日
  • 闇の虹水晶

    Posted by ブクログ

    主人公の心が救われていく経過が 乾石さんの作品群の中では
    かなりわかりやすい設定だと好感を持ちました。

    いつも思うんですが 乾石さんの作品はアニメではなく
    お金をかけて作りこまれた実写映画で堪能したいと思うんです。

    見果てぬ夢で終わってしまうかな。。ああ観たいなあ。

    0
    2018年10月12日
  • 双頭の蜥蜴

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    母にいらない子など言われ続けて育ってきたシエラが自分の境遇や憎しみなどと立ち向かい成長していく話。

    楽な方向にいきたくなるのはすごくよくわかるし、わざわざ苦しい方向に進む勇気はわたしにはないなと思うので、シエラが羨ましいです。
    何度も何度も誘惑されながらもいろんなひとに支えられて最後は見事に閉じることができ、イオーロともときどき会えてハッピーエンドでよかった。いずれは母と対峙するときがくるけどここまで戦ってきたシエラなら乗り越えられますね。

    欲をいえば、イオーロとの関係を後日談でもう少し読みたかったような。文庫になるときは付けてくれたらうれしいです。

    0
    2018年06月28日