乾石智子のレビュー一覧

  • 太陽の石

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    前巻の記憶が色濃く残っているうちに読みました。
    舞台は、前巻から約840年後の世界です。
    イザーカト兄弟の物語が主軸にあるのですが、今作でも遥か昔の回想シーンがあったり、他国の人が登場したり、本当にどこまでも世界が膨らみます。

    魔道師といっても、時代によっても国によってもまるで違います。切り取られた箇所によってこうも違った姿を見せるのかと、まるで私たちの世界の歴史を眺めるかのような面白さです。

    今回は、死を司る闇と生を司る大地(緑)とのコントラストが印象的でした。魔道師はどうしたって闇と切り離せない。そして、闇は世界から消し去ることはできない。
    闇を内に抱える以上、冷酷な部分も見え隠れしま

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    2016年03月06日
  • 魔道師の月

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    「静かにうちよせる波、ときおり響く海鳥の声、半日航路の対岸には帝国本土の連絡港ヂャイの町が白くへばりつき、空も海もイルモネス女神の美の錫杖にかきまわされて、冬でも菫青石(アイオライト)の底なしの青さだ。」

    ページを開くとすぐに、こんな文章で書かれた美しい描写。
    前作「夜の写本師」と同じ世界でありながら、時間軸が違い、これはその頃から1000年もの昔の話。さらに作中ではそこから400年もの昔にも旅立ちます。
    ギデスディン魔法の創始者キアルスなどが登場し、その魔法の成り立ちもおもしろいし、若かりし頃の彼の未熟さもまた読み手にはたまらない。

    あとがきにも「本書は前作に先立つ物語であると同時に後日

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    2016年02月21日
  • 魔道師の月

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    世界観に圧倒される。
    乾石さんの頭の中に無限に世界が広がっていて、特別必要な部分だけを切り取って慎重に再現されたもの、という感じがした。場面ごとに空気ががらっと変わるのも凄いところだと思う。
    中でも、テイバドールの話が一番印象に残った。
    憎むなという父の教えが星の光となって背骨に宿っていて、闇に誘われるたびに、その星が正しく導いてくれる。その星こそがテイバドールの核であり、歌の元となったものではないかと思い、自分にそんな星があるかなと省みたりした。

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    2016年02月18日
  • 双頭の蜥蜴

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    「石+ファンタジー」といえば、乾石さん。
    今回は、NYでは母から疎まれて孤独だったシエラが、異世界のヴェレスでは“選ばれし者”、「石の司」であることを知らされることから始まる、成長ストーリーとなっています。
    さすがに石の描写が詳細で美しく、クライマックスでの水晶がドドンと出てくる場面は圧巻です。
    ラストは母親との確執の解決は曖昧なままでしたが、希望が見える終わり方かな。と。

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    2015年12月20日
  • 双頭の蜥蜴

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    実の母への憎しみと、罪悪感に葛藤するシエラが、異世界ヴェレスを救う「石の司」として迎えられ、試練を経て成長していく。

    ストーリーの初めに、孤独だったシエラを支えていた親友アナベルが、事故死した後もずっと、シエラの心に活きいきと語りかけ、励まし続けるのが印象的。
    乾石さんの作品としては初めて、現代世界と異世界を往還するストーリー。

    いつもながら、色彩感覚の鮮やかな描写が美しい。
    パワーストーンの力を武器にするのは当たり前だけど、宝石職人達の祈りで、力ある石に、さらに強力な力が宿るというのが面白いと思った。


    雑誌に掲載されたものをそのまま並べたせいか、一冊のストーリーとしてのまとまりはもう

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    2015年10月18日
  • 魔道師の月

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    太古からそこにある闇
    暗樹
    それは純粋な悪で、闇で
    不幸と絶望と破滅を願うもの

    世界にあまねく根を張るこの永久の闇と対峙する
    星と大地の魔法の物語


    ******


    ほんの数頁
    ほんの数頁のプロローグを読んだだけでもう、
    これは絶対に面白い以外の選択肢がない話だと直感するほど
    引き込まれる出だしだった

    前作、『夜の写本師』と舞台を同じくした世界での
    魔法の物語
    ファンタジーとはかくあるべき…!と震えるほど
    好みな話を書く方なので、期待十分に読み進めたけど
    思いを裏切らず大変充実した読後感だった
    深く丁寧でありながらどこかサバサバした姿勢が
    読んでいて疲れなくて良い

    内容についてはもう

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    2015年10月14日
  • ディアスと月の誓約

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    面白いんだけど、ちょっとお話が走りすぎかなぁ。もう少しじっくり書き込んで、倍ぐらいの分量になっていれば傑作になったのに。惜しい。

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    2015年04月03日
  • ディアスと月の誓約

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    この方も良いファンタジーを描くなあ。
    最近、萩原規子さんや上橋菜穂子さんといった、素晴らしいファンタジー作品を多く読ませてもらえて嬉しい限りである。

    『夜の写本師』を読んで、その時はちょっと硬質な味気なさを感じたのだけど、今作は良い具合に世界とキャラクターがマッチしている。(上橋菜穂子『鹿の王』を先に読んだからか、重なる所もあるけれど)

    あらゆるものの「欲望」が表れ、罪を起こしてゆくのだが、そうした罪が簡単に帳消しされるという結末はなくて、安易なエンディングは迎えない。
    けれど、国という社会基盤が続いていく中で、それを負うて人が生きていくことで、見えない結末の先に道があるのだと感じた。

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    2015年03月01日
  • 太陽の石

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    魔導師の一族の末弟デイスが、仲間とともに世界の諸悪になってしまった次女のナハティを倒しに行くファンタジー。王道中の王道の話。
    ストーリーの根幹ではない達筆な文章力の魔法や自然の描写が、あまり頭に入ってこず、読み終えるのに2週間もかかってしまった。シリーズの最初の2巻ほどは身が入らなかった。

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    2025年12月28日
  • 夜の写本師

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    ネタバレ

    静かでミステリアスな雰囲気のあるファンタジーで面白かった。いろいろな種類の魔術がでてきて、またそれに対しての武器が写本、というのが新鮮。

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    2025年12月25日
  • 魔道師の月

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    前作が面白かったので購入したが、今作は展開に置いてけぼりされてしまった。一貫した設定や世界観があるところは好みなのだが、今作はうまくまとまってない印象を受けた。

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    2025年10月03日
  • 久遠の島

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    理不尽に耐え忍び✕2、ちょっといいこともあったり助けられたりしつつ、最後の最後にやっとめでたく復讐できた話。
    島一つ沈む割に結構地味目。

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    2025年02月18日
  • 月影の乙女

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    ネタバレ

    王道のファンタジー。
    守るための力を攻撃に使うことの是非。
    今語られることに意味があると思う。
    ストレートに語られるメッセージが重い。

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    2024年12月13日
  • 月影の乙女

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    ネタバレ

    超長編
    世界観に重きを置いた第一部からの第二部第三部では、場面展開が異なり、気持ちに距離があいてしまった
    本の重たさも二段組みも気にならないで、ああ、読み終わった!とならなかった残念な気持ちは、やむを得ないってくらい、著者の描きたい世界が爆発してる

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    2024年11月25日
  • 夜の写本師

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    ファンタジーらしい壮大さと繊細な世界観のファンタジー。魔術に対峙する「言葉」としての写本、羊皮紙に記された呪術。全ての言葉と世界観が素晴らしいんだけど次々に新しい名前と魔術と国の固有名詞の波にたたみかけられてちょっとよく分からなくなってしまった。

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    2024年09月25日
  • 魔道師の月

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    ネタバレ

    シリーズ1作目の『夜の写本師』を読んでから随分経ってしまったので関連性があったとしても分かりませんが、十分世界観を堪能出来ましたし面白く読めました。

    書物の魔道師キアルスと大地の魔道師レイサンダー。二人は闇を取り込み破滅をもたらす〈暗樹〉を退けるために知恵を絞ります。

    闇を持たないレイサンダーと言葉の魔法で戦うキアルス。完璧で強い魔道師ではないけれど、だからこそ生き残れたのかなと思いました。

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    2024年09月11日
  • イスランの白琥珀

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    ファンタジー。国の成り立ちなど世界観がちゃんとしている。魔道師萌え。
    ハルファリラが最後まで好きになれなかった…

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    2024年09月04日
  • 久遠の島

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    本を愛するもののみが入ることのできる、久遠の島。外界と時の流れが異なるそこでは世界に現存するありとあらゆる本を読むことができる。本を愛するものの楽園。久遠の島を訪れたとある強欲な王子により島は沈んでしまう…。生き残りの少年らによる復讐の物語。
    ここまでファンタジーらしいファンタジーを久しぶりに読んだ。海外文学っぽい雰囲気。そして分厚くてなかなかの読み応え。乾石智子さんの本は初めて読んだ。言葉が難解というわけではないけれど、ファンタジーゆえに普段使わない言葉が多いからか、なかなか理解が難しい感じがした。

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    2024年09月02日
  • 白銀の巫女 紐結びの魔道師2

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    紐結びの魔道士リクエンシス。悪意に満ちたイスリルの魔道士に呼び覚まされた邪悪な化け物と、元帝国軍人が率いる侵略軍に追い詰められる。
    星読みのトゥーラ、拝月教の巫女エミラーダ、ウィダチスの魔道士エイリャに、知恵者のリコも加わって呪いを解く方法を探す。

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    2024年08月30日
  • 滅びの鐘

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    ネタバレ

    なんとなく評価が難しい作品。
    特に序盤の部分で読み進めるのがいやな感じがしたのだが、後書きの部分を読んでそう感じた理由が分かった。

    著者の代表作であるらしい『オーリエラントの魔導師シリーズ』を避けて、お試し目的で単一の作品である本作を選んだのだが、どうやら(他の単発の作品も含めて)全て同じ世界観の中で描かれているようなのだ。
    なので、特に導入部分で、物語は面白い感じがするんだけど、身の回りの異世界的なモノ達が何の説明もなく当たり前のように出続けてくることに小さな違和感が積み重なっていった(→ やがて不信感に)というのがなかなか読み進められなかった理由だろう。
    「自分だけが異世界に転移して、他

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    2024年04月18日