乾石智子のレビュー一覧

  • 夜色表紙の本

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    どこか仄暗い“読中感”のあるオーリエラントの魔道師シリーズ 

    反乱軍が勢力を増しつつある時代だし、妻子を亡くした男や、思いを寄せる女性を奪われた青年を主人公にした短編が縒り合わさって一つの物語になっていたりするけれど、他の作品に比べると明るい

    あとがきを読むと『久遠の島』を読み返したくなる

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    2025年11月18日
  • 太陽の石

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    ネタバレ

    乾石智子さんの小説で4番目に読んだ。
    9人兄弟が大喧嘩する話。
    オーリエラントシリーズを全て読めているわけではないが、魔法を使う迫力が最もすごいように感じた。とにかく派手で、読んでいて面白かった。
    内容が飛んでいるので再読したい。

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    2025年07月02日
  • 炎のタペストリー

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    過酷な運命に巻き込まれていくエヤアルが、どういう結末に辿り着くのかハラハラしながらも、乾石さんの詩のような美しい言葉で表現される世界観に夢中になりました。
    風景や気持ちの動きを描くときの言葉使いが綺麗で、明るいばかりの話ではなかったのに、すっきりと読めます。
    以前、『夜の写本師』を読んだ時に感じたドロっとした暗闇の雰囲気と随分違うことにもびっくり。

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    2025年04月08日
  • 久遠の島

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    久遠の島
    世界中の本が成る木にあふれた島

    初めの魔法をかけた人望みは何だったのだろう
    島に終わりをもたらした人の望みは何だったのだろう
    生き残った三人の願いは少しずつ少しずつかなえられて行く
    生き続ける その道を歩きながら

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    2023年09月28日
  • 夜の写本師

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    すごく良書!
    この一冊で世界観がよくわかるし、無駄なくいろんなものが繋がって隙のない作品、という感じ。

    主人公は魔法の才能があるけど、訳あって魔法使いではなく魔法を込めた本を書くことのできる写本師になる。

    彼が村を出る出来事、若さ故の思い上がりによる挫折、新たな世界への道。。。
    なかなかの冒険談だが、心情の語りが少ないため静謐さを感じる不思議な作品。

    この作品だけでも成り立っているのだが、やっぱりもっと足を踏み入れたいので続きも読む!

    2023.8.27
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    2023年08月27日
  • 夜の写本師

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    魔法を舞台にした作品だが、主役は魔導士ではなく写本師。
    選んだ本の材質、インクの原料、ペンの種類など魔法が変わる。地味な手作業の先に夢があるようで、読んでいて面白かった。

    買った文庫本の後ろにあった解説で、魔法を扱う作品であるなら、その魔法を自然なものとして、扱う世界観として書くべきで、現実との比較をしてはいけない、と触れていた。
    この解説に思わず、大きくうなずいた。自分が転生ものにしっくり来ないのはこれだ。ファンタジーの世界観はファンタジーの価値観を持って描かれるべき。

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    2023年06月30日
  • イスランの白琥珀

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    乾石さんの作品は、新作が一番おもしろい気がします。
    以前の作品も好きだけど、新刊出るたびにおもしろさが更新されている!
    ということで、今までで一番好きな作品です。

    出てくるキャラみんなが、素敵でしたし、まさかあの人が皇帝になるなんて!という意外性や、イスランの素敵さといったら大好きすぎです。

    100年以上生きてきて、色々と経験してきたオーヴ。最終的に、全員が幸せな気がします!
    良かったー!

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    2022年12月20日
  • イスランの白琥珀

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    長く壮大な物語だった。
    一冊の中に長い年月が閉じ込められていて、読み終わった時、その長い年月を旅してきたような気持ちになった。
    主に描かれているのはイスリルの新皇帝が誕生するまでの物語ではあるが、ビュルナイと共に百年を旅してきた感じがした。

    放浪魔道士オーヴァイデインが長い間囚われていた苦悩と葛藤に打ち勝ち(?)、本来の目的を思い出した時、そこからがハラハラドキドキの展開だった。

    読み終わる頃にはすっかり悪党魔道士オーヴァイデインのファンになっていた。

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    2022年10月11日
  • 双頭の蜥蜴

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    ネタバレ

    一応ファンタジーですが
    剣や魔法がやたら出てくる世界観ではなく
    登場人物はこの世界を生きる少女です。

    ただし彼女は理不尽な思いをし続けていました。
    母親のサンドバッグとして
    扱われていたのです。

    そんな思いをしていた彼女が出会ったのは
    一つの石。
    そこから彼女は異世界へと
    旅立っていくのです。

    なんだろう、似たような思いをしたからかな。
    すごく突き刺さるの。
    そして悪として描かれているもの。
    これってなくならないものを体現しているの。

    ただね…
    まだこの世界は捨てたもんじゃないと思うのよ。

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    2022年06月11日
  • 夜の写本師

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     ブク友さんの本棚で見つけた、細密画のような表紙の絵、「夜の写本師」という何とも引き込まれるタイトル。気になってしようがなかった。

     右手に月石。
     左手に黒曜石。
     口のなかに真珠。
     カリュドゥは三つの品を持って生まれてきた。

     と始まる。これはもう読み進めるしかないでしょう。
     そんな意味有りげな不気味な状態で生まれてきたカリュドゥ。怯える親から産婆でもあり、女魔道師でもあったエイリャがカリュドゥを引き取り、育てる。
     ある日、エイリャの前に悪名高き魔道師長アンジストが表れ、エイリャと女友だちのフィンをカリュドゥの目の前で無惨に殺してしまう。
     エイリャとフィンの仇を撃つことを生き甲

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    2022年06月10日
  • 青炎の剣士 紐結びの魔道師3

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    ネタバレ

    紐結びの魔道師の3作目。

    読者はわがままなものだ。
    ある本には長すぎると文句をいい、
    ある本には短すぎると文句をいう。

    女王の結び目を解き、
    碧の石をみつけ、
    拝月教の大軌師をとめ、
    少年は青年になった。

    無事、物語は終わったが、もっと読んでいたかった。

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    2022年04月24日
  • 夜の写本師

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    ネタバレ

    カタカナ名の沢山出てくる作品は、老化しつつある頭にはなかなか難解で、ついつい後回しにしていた。
    初めのうちは何度も登場人物一覧のページに戻ったけれど、それももどかしくなるほどにぐんぐん引き込まれ、ページから目が離せなくなった。
    幾つもの非現実的な場面は、美しく恐ろしく真に迫り展開され、闇も光も目の中に満ちていくかのよう。
    世界一強力な悪が、深い哀しみから芽吹いたとしても、赦したり放置したりするのではなく、千年の転生の中で背負ったさらに強い闇で根絶する容赦なさ。
    正義だけで出来上がったヒーローではないのが、人物像に広大な奥行きを作っている。

    こう列挙しても書き切れないな。
    すぐにでも再読したい

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    2022年04月13日
  • 夜の写本師

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    自然環境や、町の様子、魔法などの描写がとても緻密で繊細。ファンタジー世界に浸りたい人には本当におすすめです。
    同じ世界観でシリーズが続いているので、いつか本作主人公のカリュドウが再登場することを願っています。

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    2022年03月04日
  • 魔道師の月

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    夜の写本師に続く第二弾。息つく間もなく読みきった感じです。二人の主人公がどう絡むのか全然予想もつかず、ドキドキしながら読み進めるのがとても楽しかった❗次作品も食いぎみに(笑)購入しました。このシリーズ楽しいです!

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    2022年02月24日
  • 太陽の石

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    ネタバレ

    オーリエラントの魔道師シリーズの第三作。

    兄弟間の争いのせいか、
    道具や呪文がほとんど必要ない「大地の魔法」のせいか、
    その魔法が山を吹き飛ばし、湖を創り出すような強大な魔法のせいか、
    まるで神話のようだった。

    そんな人間離れした物語のせいか、
    このシリーズで初めてアニメ化してほしいと思った。
    海に沈みし骸たちが操る船、
    呪われしものが現れたお尋ね者の町の酒場、
    姉の足元に隠れていた弟が正体を暴かれる場面、
    亡くなった魔女の書庫を見つけた本好きのふたり。

    実写化もアニメ化もしてほしくなかった「夜の写本師」と、
    何が違うのかはよくわからないが、
    見てみたいと思った。

    ちらりと登場したエズ

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    2022年02月23日
  • 夜の写本師

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    いや、すごかった。確かに今まで読んだファンタジーとは一線を画す世界。一気に読んで読み終えて、でも離れがたくて3回くらい読み返した。
    シリーズを順に読み進めるのが楽しみな作品です

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    2022年02月15日
  • 夜の写本師

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    たぶん、ネットで見かけて。

    酔った。酔わされた。
    昔から車酔いにも酒酔いにも弱かったが、
    この本の陶酔感と浮遊感はなんだろうか。

    踏みしめている大地が、いや世界が揺り動かされたからなのか、
    飛び散る血しぶきの匂いにむせたからのか、
    入れ子になっている生と死を、駆け抜ける速さに振り回されたからなのか。

    「魔法」やファンタジーに対する考え方だけでなく、
    人生観といっても大げさではない観念を大きく揺さぶられたから、
    ということなのかもしれない。
    いや、もっと感情的な、驚嘆と畏怖の混じり合った何か。
    あまりの衝撃に言葉にならない。

    かつて子供の頃、「指輪物語」をはじめて読んだ時は、
    その世界観

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    2022年01月31日
  • 青炎の剣士 紐結びの魔道師3

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    ネタバレ

    一生に走ってきたような気分で読んでいたお話も完結。最後までハラハラさせられましたが、無事ハッピーエンドでホッとしました。マーセンサスが死ななくて本当によかった。ひとまず今後何十年かは周りの国は穏やかに過ごせそうで何より。ユーストゥスがほんとに王になる日が来るまでにこれからさらに成長すると思うとそのあたりの話もちょっと読みたい気もします。

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    2022年01月26日
  • 青炎の剣士 紐結びの魔道師3

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    ネタバレ

    ファンタジーには旅が似合う。

    そんな物語でした。

    過去の怨念、業、欲望。そして今を生きる人々の願いや欲望。
    そして、ラスト。
    涙がこぼれました。よかった。最高でした。

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    2021年10月20日
  • 闇の虹水晶

    購入済み

    深い内容。

    内容が深い。昨今のファンタジーのヒーローとは違い、泥塗れで闇に翻弄され苦しみながらも、そこから抜け出していく。だからといって、最後に真っ白なハッピーエンドが来ることなく、呪いを抱えたまま前に進んでいく魂を獲得する。これこそ人生。感動しました。

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    2021年09月21日