あらすじ
それは濃紺の革表紙に星座が型押しされた、薄い小さな冊子だった。父が文字を書き、意匠と飾り文字は叔父が、細密画は母が描いた。〈夜の写本師〉である三人が彼のために書いてくれたものだ。その『夜色表紙』が消えた。戦争に行くといって家を出た息子が持っていったのか? 訃報のみがもたらされた息子。『夜色表紙』には必ず自分のもとに戻ってくるという魔法がかけられているはず。戻ってこないのなら息子は生きているかもしれない。息子の消息を求め〈護符師〉ヴァニバスは旅立った……。人気の〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ。/【目次】夜色表紙/影の馬/森林監督官/大地女神(イルモア)の罠/あとがき
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Posted by ブクログ
新しい登場人物が横糸のようにあらわれて、魔法のタペストリーが織り上げられる。人の祈りや憎しみが魔法の原動力になり、少しずつ時を経て編み合わさって奇跡につながる。このシリーズの魔法のあり方がほんとうに好きです。結末は予想できても、次から次へと新たな波乱があるので最後までハラハラする。女傑がでてくるのもよい。
Posted by ブクログ
一歩踏み入れると独自の世界が広がり、とても居心地がいい
オーリエラントシリーズの特徴である、静かな世界観の厚みをあらためて感じた
ヴァニバスが心に闇を持つかどうかは明確ではなく、そのため力が発動するかどうかも定まらない
その中で、両親と伯父が与えた「夜色表紙の本」
内包された力が意図されたものか偶然かは判断できないが、必要な時にだけ働くという世界の理が示されているように思う
来るべき時は来るだろうし、来なければ今ではないだけで
Posted by ブクログ
静かな美しい大人の絵本。
『魔道士の月』がツラくて、以降シリーズに手を出せずにいた。覚悟しながら読んだが、そこまでツラくはなかった。
静かに美しい風景が綴られる乾石さんの文章は好き。
結末のネタバレはしません。
Posted by ブクログ
どこか仄暗い“読中感”のあるオーリエラントの魔道師シリーズ
反乱軍が勢力を増しつつある時代だし、妻子を亡くした男や、思いを寄せる女性を奪われた青年を主人公にした短編が縒り合わさって一つの物語になっていたりするけれど、他の作品に比べると明るい
あとがきを読むと『久遠の島』を読み返したくなる
Posted by ブクログ
夜色表紙/影の馬/森林監督官/大地女神(イルモア)の罠
魔力の仕事がある世界にも
嫌な奴はいて、良い人もいる
善いことにも悪いことにも魔力は使える
そんな世界で
父は息子を探し、彼は彼女を求める
助けてくれる人もいてホッとする
それぞれの幸せが続くといいな
Posted by ブクログ
大好きなオーリエラントの魔道士シリーズ
今回の魔道士ヴァニバスは魔道士としての活躍が少なかったように思う
ほんの少しの魔法の力「護符士」の力だけ
しかし、ラストで魔道士としての力に目覚めて一気にその力を発動させることになる
ストーリーはむしろ少女のお話が中心のような気がした
最初はかなり悲惨だけど、後半はなんだか幸せそうで
そして珍しく誰もが幸せになれる典型的なハッピーエンドだったなあ
読者である私も幸せな気持ちで読み終えた