【感想・ネタバレ】双頭の蜥蜴のレビュー

あらすじ

ニューヨークで生まれ育ったシエラは、幼いころに兄を亡くし、母親との確執に苦しんでいる孤独な少女。唯一の友達だったアナベルも交通事故で失った彼女は、鬱々とした思いでマンハッタンの街を歩いていた。そこに不思議な老婆が現れ、トルコ石をシエラに渡す。シエラは石に導かれ、異世界・ヴェレに行き、そこで自分が世界を救いたる存在、<石の司>であることを知る。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

一応ファンタジーですが
剣や魔法がやたら出てくる世界観ではなく
登場人物はこの世界を生きる少女です。

ただし彼女は理不尽な思いをし続けていました。
母親のサンドバッグとして
扱われていたのです。

そんな思いをしていた彼女が出会ったのは
一つの石。
そこから彼女は異世界へと
旅立っていくのです。

なんだろう、似たような思いをしたからかな。
すごく突き刺さるの。
そして悪として描かれているもの。
これってなくならないものを体現しているの。

ただね…
まだこの世界は捨てたもんじゃないと思うのよ。

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2022年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

母にいらない子など言われ続けて育ってきたシエラが自分の境遇や憎しみなどと立ち向かい成長していく話。

楽な方向にいきたくなるのはすごくよくわかるし、わざわざ苦しい方向に進む勇気はわたしにはないなと思うので、シエラが羨ましいです。
何度も何度も誘惑されながらもいろんなひとに支えられて最後は見事に閉じることができ、イオーロともときどき会えてハッピーエンドでよかった。いずれは母と対峙するときがくるけどここまで戦ってきたシエラなら乗り越えられますね。

欲をいえば、イオーロとの関係を後日談でもう少し読みたかったような。文庫になるときは付けてくれたらうれしいです。

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2018年06月28日

Posted by ブクログ

ー愛とは創りあげ、磨きあげていくもの。そして祈りをこめるもの。どこにいても何をしていようとも、幸せであれと願うもの。

心に潜む何か。
乾石智子さんの本の根底には、必ずこれがある。
だから、希望もある。
今の世界に通じるものがある。

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2016年01月24日

Posted by ブクログ

冒頭数ページを読んで、ネイティブアメリカン絡みの話かな?と思ったが、意外にというか異世界ファンタジーものだった。貴石や鉱物が好きなのでそちらの要素が嬉しい。

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2020年04月11日

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ネタバレ

シエラ・リーは家庭で問題を抱えていた。彼女の母親が彼女を憎んでいるのだ。兄が浴槽でなくなったことを兄を見ていなかったシエラのせいだという。父も兄弟も母から逃げている。シエラも逃げ出したかった。そんなときネイティブアメリカンのおばあさんに出会った。彼女からトルコ石を買ったシエラは、おばあさんからあんたは「石の司」だと言われる。公園から通路に飛び出したところで自転車にぶつかった。気が付いたらそこはニューヨークじゃなかった。そこはヴェレスだった。

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2018年10月19日

Posted by ブクログ

久しぶりの乾石智子さん。
舞台が現代ニューヨークから始まったのでちょっとびっくりしたものの、とある事故が原因で実母とうまく行っていない主人公シエラ。
彼女が街中で得体のしれない影のような存在に追われた際に出会った一人の老婆の手によって別世界へ転送されるところから話は始まります。

転送されてしまえば元の世界のことは放置……という物語はよく見るけども、この作品はニューヨークと表裏一体の別世界 ── 時間的には多少歪められているかもしれないけれど老婆【門の司】の助けで行き来できる ──で起こる出来事を通じて、実母との確執に折り合いをつけて行こうとするシエラの成長物語です。
パワーストーンの煌めきや風景の描写はとても美しく、硬質な文章と台詞の端々などから、アメリカのほうの神話や伝承(ニューヨーカーにはなさそうだけど)などを元に作ったファンタジーで「これは翻訳もの?」と時々勘違いしてしまいそうになりました。
じっくり味わいたかっただけに、最終的に駆け足な印象になってしまったのが残念。

夜の写本師ほどのグロさはなく、主人公も同年代。中高生におすすめしやすいファンタジーだと言えると思います。

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2016年12月13日

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「石+ファンタジー」といえば、乾石さん。
今回は、NYでは母から疎まれて孤独だったシエラが、異世界のヴェレスでは“選ばれし者”、「石の司」であることを知らされることから始まる、成長ストーリーとなっています。
さすがに石の描写が詳細で美しく、クライマックスでの水晶がドドンと出てくる場面は圧巻です。
ストは母親との確執の解決は曖昧なままでしたが、希望が見える終わり方かな。と。

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2015年12月20日

Posted by ブクログ

実の母への憎しみと、罪悪感に葛藤するシエラが、異世界ヴェレスを救う「石の司」として迎えられ、試練を経て成長していく。

ストーリーの初めに、孤独だったシエラを支えていた親友アナベルが、事故死した後もずっと、シエラの心に活きいきと語りかけ、励まし続けるのが印象的。
乾石さんの作品としては初めて、現代世界と異世界を往還するストーリー。

いつもながら、色彩感覚の鮮やかな描写が美しい。
パワーストーンの力を武器にするのは当たり前だけど、宝石職人達の祈りで、力ある石に、さらに強力な力が宿るというのが面白いと思った。


雑誌に掲載されたものをそのまま並べたせいか、一冊のストーリーとしてのまとまりはもうひとつ?

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2015年10月18日

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『夜の写本師』から始まるシリーズが気に入ったので、未読本を検索して古書で買ったが、古書代に相応の感じ

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2019年02月16日

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ネタバレ

母親と折り合いの悪い少女が、異世界にいき「石の司」として、蛇紋岩を悪用するものと戦い成長し、地球に戻る話。
終盤の水晶洞窟など個々に良い場面があるが、全体的にジュブナイル風で薄味。児童文学の扱いなのかも。

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2016年02月12日

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心のダークな部分がチクチクする。
ライトで唐突な印象だけれど、感情や心の変化、世界観が良いなあ。
石のこと、もっと知りたくなる。

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2015年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んで良かった。結局、何が主題なのかが分からないのだけど。個人的には、母親が少しデレた瞬間はあったと思うのだけど。すれ違ったままの終結が心劣りしてしまう。楽しかったのだけど。

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2015年11月04日

Posted by ブクログ

著者が今書く作品としては違和感がある。わかりやすく、表層的になった。もちろんストーリーは面白いし、脇を固めるキャラがしっかりしていて安心できるのだけれど。

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2015年09月12日

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