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Posted by ブクログ
久しぶりの乾石智子さん。
舞台が現代ニューヨークから始まったのでちょっとびっくりしたものの、とある事故が原因で実母とうまく行っていない主人公シエラ。
彼女が街中で得体のしれない影のような存在に追われた際に出会った一人の老婆の手によって別世界へ転送されるところから話は始まります。
転送されてしまえば元の世界のことは放置……という物語はよく見るけども、この作品はニューヨークと表裏一体の別世界 ── 時間的には多少歪められているかもしれないけれど老婆【門の司】の助けで行き来できる ──で起こる出来事を通じて、実母との確執に折り合いをつけて行こうとするシエラの成長物語です。
パワーストーンの煌めきや風景の描写はとても美しく、硬質な文章と台詞の端々などから、アメリカのほうの神話や伝承(ニューヨーカーにはなさそうだけど)などを元に作ったファンタジーで「これは翻訳もの?」と時々勘違いしてしまいそうになりました。
じっくり味わいたかっただけに、最終的に駆け足な印象になってしまったのが残念。
夜の写本師ほどのグロさはなく、主人公も同年代。中高生におすすめしやすいファンタジーだと言えると思います。
Posted by ブクログ
実の母への憎しみと、罪悪感に葛藤するシエラが、異世界ヴェレスを救う「石の司」として迎えられ、試練を経て成長していく。
ストーリーの初めに、孤独だったシエラを支えていた親友アナベルが、事故死した後もずっと、シエラの心に活きいきと語りかけ、励まし続けるのが印象的。
乾石さんの作品としては初めて、現代世界と異世界を往還するストーリー。
いつもながら、色彩感覚の鮮やかな描写が美しい。
パワーストーンの力を武器にするのは当たり前だけど、宝石職人達の祈りで、力ある石に、さらに強力な力が宿るというのが面白いと思った。
雑誌に掲載されたものをそのまま並べたせいか、一冊のストーリーとしてのまとまりはもうひとつ?
Posted by ブクログ
母にいらない子など言われ続けて育ってきたシエラが自分の境遇や憎しみなどと立ち向かい成長していく話。
楽な方向にいきたくなるのはすごくよくわかるし、わざわざ苦しい方向に進む勇気はわたしにはないなと思うので、シエラが羨ましいです。
何度も何度も誘惑されながらもいろんなひとに支えられて最後は見事に閉じることができ、イオーロともときどき会えてハッピーエンドでよかった。いずれは母と対峙するときがくるけどここまで戦ってきたシエラなら乗り越えられますね。
欲をいえば、イオーロとの関係を後日談でもう少し読みたかったような。文庫になるときは付けてくれたらうれしいです。
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