無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
本の魔道師ケルシュが町で拾った少年は狐に似た獣を連れていた――「ジャッカル」、瀕死の者を助ける生命の魔道師が向き合うことになった過去の亡霊とは――「ただ一滴の鮮緑」など、全5編の短編を収録。自らのうちに闇を抱え、人々の欲望の澱を引き受け、黒い運命を呼吸する魔道師たち。ときに迫害を受け、ときに体制に反抗する人々に手を貸し、栄光に包まれることもなく、賞賛を浴びることもない、そんな市井に生きる魔道師たちの姿を描く短編集。巻末にこれまではっきりとは描かれてこなかった、オーリエラントの神々についての資料を付す。/【目次】セリアス/運命女神(リトン)の指/ジャッカル/ただ一滴の鮮緑/神々の宴/あとがき――神々の存在
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
「オーリエラントの魔道師」シリーズ。
“シリーズ”というか、“サーガ”といった感があるこの乾石ワールド。しっかりと創られた壮大な世界観が魅力です。(巻末の年表で、それぞれの作品の時系列がわかるのも良いですね)
さて、本書は市井に生きる魔導師たちの姿を描く短編集。五話が収録されています。
この世界の魔道師たちは、それぞれの特性を活かした魔法を使うのですが、ある時は職人のように重宝されたり、ある時はその力を疎まれていわれなき迫害を受けたりすることもあります。
今回は、オーリエラントの神々の力とリンクした魔法を使う魔導師が登場するのが特徴的。
例えば「運命女神(リトン)の指」の三人の魔道師はそれぞれ分担作業で機織りをする際に、運命の女神・リトンの“指”となって、未来が織り込まれたタペストリーを創り上げますし、「ただ一滴の鮮緑」の生命の魔導師・チャファは、冥府の神・イルモアとリンクして、瀕死の人を“冥府”から連れ戻す力を持ちます。
で、チャファの場合、人の生命を助けるたびに、自身が老いてしまうので、本来は若いのに人助けをし過ぎてヨボヨボになってしまうのが切ないです。
そんなチャファの側に、以前彼女に命を助けられた青年・モールモーがずっと付き添っているのが救いでした。
そして表題作「神々の宴」では、特に魔導師は登場しないのですが、そのものズバリ、“オーリエラントの神々”が登場して、心優しいコンスル帝国の皇子・テリオスに助言するという展開で、人間っぽい茶目っ気と神様としての雄大さを併せ持つ“オーリエラントの神”のキャラが魅力的でした。
この、神様のキャラ設定については、作者の乾石さんもあとがきで描かれていましたが、所謂ギリシャ神話やローマ神話の神々とはちょっと違う精神レベルにあるとのことで、その辺も面白いですね。
と、いうわけで、どの話も心温まる読後感で、〈オーリエラント〉の世界をたっぷり堪能させて頂きました~。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸