【感想・ネタバレ】魔道師の月のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年02月24日

夜の写本師に続く第二弾。息つく間もなく読みきった感じです。二人の主人公がどう絡むのか全然予想もつかず、ドキドキしながら読み進めるのがとても楽しかった❗次作品も食いぎみに(笑)購入しました。このシリーズ楽しいです!

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Posted by ブクログ 2021年09月21日

本棚を整理した際、未読本として出てきました。
タイトルと表紙に惹かれて(本との出会いは一期一会だったりしますので)購入したものでした。それからおよそ7年を経てようやく頁をひらくこととなりました。

まず、とても読みやすいことがあげられます。翻訳ものにありがちなどことなく存在する違和感がない。最初から...続きを読む日本語で書かれたからであろう、異国の名称もぎこちなさを感じない。しかし日本で書かれた洋風ファンタジーのような「なんちゃって」な空気もない。遠い国で編まれた物語が長い旅路を経て届けられた重厚感がそこにある。それは筆者の圧倒的な「魔力」というなの言語力に基づくものでしょう。

本編でわたしたちは幾人もの人生をなぞる。
「暗樹」との戦いの軌跡を、痛みを、苦しみを経験する。太古の昔から繰り返される「闇」の眠りと台頭に巻き込まれる。
人間に与えられた永遠の命題は、一筋の光とともに物語の環を閉じる。それはつかの間のことなのか、永久のものなのか、誰にもわかりはしない。

前作も続編もぜひ読んでみたくなる、大きな大きな物語でした。

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Posted by ブクログ 2021年01月30日

前回の夜の写本師から連続で読みました。


全体の構成として、主人公の人生と、主人公にまつわる人物の人生が交互に入れ替わることで中だるみなども一切なく読み切ることが出来ました。
過去と現在が行き来することで短編集を読んでいるかのような軽さと、濃厚なストーリー展開と伏線が読み終わってもしっかりと心に残...続きを読むり、まるでそこにいたかのような鮮明なイメージが今でも思い出されます。
景色の描写や登場人物の心情が密に表現されているのにも関わらず、ごちゃごちゃせず透き通った文章に収められ気持ちよく読めました。
作中のあるキャラクターが別の作品で主人公になりそうだなと思う場面があり、個人的に気に入っているキャラクターだったため嬉しかったのを覚えています。(調べたら出てました。)
人の心の中には闇があること、闇は光と表裏一体であり表の表は裏であるように、裏もまた返せば表になる。悪いこともその部分だけ見れば悪いが別の方面から見たら理由があることなのかもしれない。そんなことを考えさせられる作品でした。

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Posted by ブクログ 2016年12月01日

「夜の写本師」に続く2作目。
同じシリーズで登場人物もダブりますが、続きというのとはちょっと違います。
若い魔道師二人の運命が帝国の危機に交錯し、さらに数百年前にまでさかのぼり絡み合う人々の物語。

コンスル帝国が繁栄を謳歌していた時代。
大地の魔道師のレイサンダーは、心のうちに闇を持たない半人前。...続きを読む
幸運の守りとして献上された<暗樹>が帝国を蝕んでいくとき、恐ろしいものだとはわかっても何をするすべもなく、城から逃げ出してしまう。
レイサンダーは追われる身に。

黒髪に緑の目で長身、という特徴がレイサンダーと似ていたキアルスは書物の魔道師。
心に深い傷を負い、衝動的に貴重な書物「タージの歌謡集」を燃やしてしまった。
レイサンダーと共に、不思議なタペストリーの中へと入っていくことになる‥

タペストリーに描かれているのは、かってコンスル帝国に侵略されて抵抗した人々。
一介の少年テイバドールが苦難を経て成長し、魔道師らの力添えを得て‥
古代を思わせる辺境の民人の暮らしに魅力があり、勇気ある決断を応援したくなります。

へたれの若者二人がこのタペストリーに学びながら、協力し合い、力を尽くしていく。
誰も見たことも聞いたこともない現象を、言葉の力だけでありありと描きあげていく筆力に感嘆しました。
結末は、それまでの濃厚さに比べると、急に終わる感じもなくはないですが。
希望の持てるシーンに、一気に風景が変わったところに自分も立っているような心地になりました☆

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Posted by ブクログ 2016年11月01日

ずっと紛失していたオーリエラント魔導師シリーズ1巻目の「夜の写本師」を発掘し再読したので、前から買って読んでいなかった2巻目の「魔導師の月」をようやく読破。

思えば「日本のファンタジー」を毛嫌いしていた僕がファンタジーを読み漁るようになったのは「夜の写本師」がきっかけだった。なので続編はとても楽し...続きを読むみにしていた。

そして、期待は裏切られた。

まず、この本は「夜の写本師」の続編ではなく、あくまで同シリーズの作品ということ。裏表紙を読めば分かるものの、何も読まずに本屋で即購入したのが勘違いの原因だった。
だが続編ではなくとも世界観は同じであり、共通するキャラクターも登場する。



今回の主人公の内一人は前作で主人公を(特に後半で)支え導いていた書物の魔導師キアルス(別名は一巻のネタバレになるため伏せる)。キアルスが大事な存在であるシルヴィアンを救えず失ったところから始まる。また、もう一人の主人公は闇を抱えない半端な魔導師レイサンダーは仕えていた帝国に贈り物として献上された“邪悪なもの”から逃げるところから始まる。

また、この小説は前作同様「過去の主人公」が存在する。そして、その過去を知り、二人が出会った時に“邪悪なもの”を解く光が生まれる。


前作の続編ではないと気付き失望したのは一瞬。
日本ファンタジー小説の中でも卓逸した作品となっている。
前作を読んでいない方にも読んだ方にもお勧めしたい。

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Posted by ブクログ 2016年10月09日

キアルスはあのキアルスなのよね。

まだまだ消化不良なので読み返しが必要だけれど、おもしろい!夢中で読んでいます。

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Posted by ブクログ 2016年03月21日

前々から思っていましたが、装丁が物語のイメージにぴったりです
イラストが物語を壊すのではなく支える、という感じ

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Posted by ブクログ 2015年10月13日

『夜の写本師』に登場する、キアルス君が主人公の一人です!
暗樹にまつわる話も面白いですが、私はテイバドールの話が一番面白くて、ちょっと泣きそうになりました。
最初は、キアルスが何でこんなに詩集のことを気にするくだりが出てくるのかよく分からず、途中でテイバドールの過去話に入った時には、そこ掘り下げるの...続きを読む?!と焦ったのですが。。この話がないと成り立ちませんでしたね。

私は『太陽の石』を読んでしまったので、オルヴァン、イスリル、ソルプスジンター、デイサンダー、それからナハティの力に繋がる記述があるたびに、おお!と楽しみながら読ませていただきました。

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Posted by ブクログ 2015年09月19日

面白かった~
「太古の闇」というコワーイ物体を封じ込めるという話。
前作『夜の写本師』にちょこっと登場するクセの強い人物キアルス(書物の魔道師)のその後が描かれていますが、今回はある家の壁にあった「タペストリー」に織り込まれた古い時代の人々の物語が主役を張っています。
人の営みや想いがずっと繋がって...続きを読む続いてこの先もどこかに…という歴史の流れを感じられて、読んでいてとてもワクワクしました。

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Posted by ブクログ 2021年05月08日

前作の『夜の写本師』から続けて読みました。

前作にも登場したキアルスが主人公(レイサンダーも主人公かな)。
タペストリーの中のテイバドールの人生を経験することでキアルスが精神的に成長していく姿が良かった。

ファンタジーが好きな割には私の脳はファンタジーへの適応力が低いのか、レイサンダーが巻き込ま...続きを読むれた不思議で大変な体験の情景がなかなか頭に浮かばなかったので(私の読み方がまだまだ浅いのかも)、星は4個にしました。

闇に喰われたガウザス皇帝を討ち取った近衛隊長のムラカン、とても信頼できる上司ですね。この人が新しい世を支えることが出来なくて残念です。

カーランはひょっとすると『夜の魔道師』に登場したエイリャの前世の姿かな?と思っています。

次の作品『太陽の石』も読んでみたいと思います。

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Posted by ブクログ 2020年12月17日

前作「夜の写本師」の内容を忘れていたが、充分楽しめた。
2人の魔導士の話だが、その一人キアルスがタペストリーの旅をする話は面白かった。
私は地図を見ながら話を読むのが好きなのだか、この本の添付の地図はあまり意味を成さなかった。そこが残念。

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Posted by ブクログ 2019年07月01日

前作同様、ファンタジー小説なんだけどその世界の歴史小説のような本。章が変わると、あれ?これ誰??ということがよく起こり、章が終わるころに納得するような気長な作り。いちいち描写が鮮やかなので色味の強い視覚的なファンタジー小説です。シャチが出てきたの驚きました笑。

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Posted by ブクログ 2019年06月03日

前作にも登場するキアルスの話だったので続編かと思ったら、新たなストーリーと世界観に仕上がっていて、そしてとても楽しめる作品でした。
でもレイサンダーの能力は反則な気が…

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Posted by ブクログ 2018年07月14日

ファイルモーはアイイリオン、
アイイリオンはファイルモーに。
マクベス的なモチーフがベースのファンタジー。
面白い物語でした。

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Posted by ブクログ 2017年01月05日

前作に比べ描写の違和感が減り、世界観や魔法体系も丁寧に積み上げていて物語に入り込みやすかった。なにより食べ物の描写が旨そう。映像を言葉に現すスキルが確実に上がってる。詩的になる悪い癖が終盤で出てきたのが惜しい。物語の展開は前作同様に秀逸。総評、良い。

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Posted by ブクログ 2016年06月08日

ソフトカバー版を既読。物語を読む楽しみがページ数の何倍も詰まっている作品だ。はじめて読んだとき、「夜の写本師」を読んだからこその感動であると理解したうえで、前作よりもこちらのほうを非常に気に入った。それはどちらの作品もだいすきだというのが大前提ではあったが、キアルスに魅了されたことがおおきかったかも...続きを読むしれない。この複雑な世界を構築しながらキャラクターにも魅力を持たせるということをやってのける作者には、みずから翻弄されたい気持ちにもなった。さいごにキアルスが得たものと、見上げた夜空の姿に胸がいっぱいになった。

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Posted by ブクログ 2016年03月13日

前作「夜の写本師」を読んだ時も圧倒的な世界観に驚かされたけど、今作ではこの世界の『魔導師』の定義や、魔法のあり方自体に驚かされた。大抵のファンタジー作品の魔法は、才能と決められた儀式によって受け継がれてるものだと思うんだけど、この世界では魔法の種類によって、お互いの魔法がどのようなものなのかさえわか...続きを読むらないってのが面白い。読み始めに、時系列がよくわからなくなってしまって戸惑ったが、そこが読み取れれば壮大な物語をあとは楽しむだけだ。私は楽しめた。

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Posted by ブクログ 2016年02月21日

「静かにうちよせる波、ときおり響く海鳥の声、半日航路の対岸には帝国本土の連絡港ヂャイの町が白くへばりつき、空も海もイルモネス女神の美の錫杖にかきまわされて、冬でも菫青石(アイオライト)の底なしの青さだ。」

ページを開くとすぐに、こんな文章で書かれた美しい描写。
前作「夜の写本師」と同じ世界でありな...続きを読むがら、時間軸が違い、これはその頃から1000年もの昔の話。さらに作中ではそこから400年もの昔にも旅立ちます。
ギデスディン魔法の創始者キアルスなどが登場し、その魔法の成り立ちもおもしろいし、若かりし頃の彼の未熟さもまた読み手にはたまらない。

あとがきにも「本書は前作に先立つ物語であると同時に後日談でもある」と書かれているとおり、どちらから読んでも支障はありません。

さて、壮大な大地、雄大な時間とともにとにかくスケールが大きくて、引き込まれます。何だか、神話を読んでいるような気分です。

この世界には通常に息づく魔道師ですが、その成り立ちが丁寧に書かれているのも魅力です。魔道師とはいえば、万能で何でもできるかのように思うけれど、決してそうではないということ、闇を引き受け、それでいて闇に飲み込まれないようにしないといけないということなどが綴られていますが、今作では「太古の闇」が登場することもあって、闇に思いを馳せることになった1冊でした。

魔道師はその生い立ちや才能から誕生するもののようですが、魔道師に限らず誰もが大なり小なりの闇を抱えて生きています。
誰かを妬むこと、呪うこと、復讐したいと思うこと、など闇の力を強めてしまう心の動きもあります。
私たちも闇を知ることで相手の闇に気付き、寄り添う優しさを手にしたりもしますが、一方で大きすぎる闇は自分を滅ぼします。時には無自覚に飲み込まれてしまうこともあるかもしれない。
人の業とも思える太古の闇は、退けることはできても滅ぼすことができない、というのも印象的でしたね。

これは確かに異世界ファンタジーで確立された世界観に酔いしれたりもするのですが、根底には人の業、人の持つ闇について綴られたもう1つのテーマがあるようにも感じています。
更にこのシリーズは続いているので、記憶が薄れる前に読んでいきたいと思います。

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Posted by ブクログ 2016年02月18日

世界観に圧倒される。
乾石さんの頭の中に無限に世界が広がっていて、特別必要な部分だけを切り取って慎重に再現されたもの、という感じがした。場面ごとに空気ががらっと変わるのも凄いところだと思う。
中でも、テイバドールの話が一番印象に残った。
憎むなという父の教えが星の光となって背骨に宿っていて、闇に誘わ...続きを読むれるたびに、その星が正しく導いてくれる。その星こそがテイバドールの核であり、歌の元となったものではないかと思い、自分にそんな星があるかなと省みたりした。

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Posted by ブクログ 2015年10月14日

太古からそこにある闇
暗樹
それは純粋な悪で、闇で
不幸と絶望と破滅を願うもの

世界にあまねく根を張るこの永久の闇と対峙する
星と大地の魔法の物語


******


ほんの数頁
ほんの数頁のプロローグを読んだだけでもう、
これは絶対に面白い以外の選択肢がない話だと直感するほど
引き込まれる出だ...続きを読むしだった

前作、『夜の写本師』と舞台を同じくした世界での
魔法の物語
ファンタジーとはかくあるべき…!と震えるほど
好みな話を書く方なので、期待十分に読み進めたけど
思いを裏切らず大変充実した読後感だった
深く丁寧でありながらどこかサバサバした姿勢が
読んでいて疲れなくて良い

内容についてはもう何も語るまい
ファンタジーが好きなら読んで…そうとしか言えない

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Posted by ブクログ 2015年10月11日

『夜の写本師』に続く2作目(しかしあくまで独立している話)ということで、さっそく読んでみた。

前作の世界観を引き継ぎ、登場人物の一人であったキアルスが主人公の一人となっている。

「暗樹」の不気味さが際立っていて、ホラーさながらのおそろしさ。

前作は相手が生身の人物であったために気にならなかった...続きを読むが、今回はもっと宇宙の根源的な存在。その壮大すぎる設定や、抽象的でややもすると難解な描写の連続に対して、決着のつけ方には少し拍子抜けするような感じを受けた。

またメインの二人が問題意識や目的を共有する、互いに信頼関係を築く、その過程になるようなエピソードや時間がほとんど存在せず、ただ「テイバドールの体験を通して」理解し合う、というのも若干腑に落ちない印象だった。

しかし古代ローマや周辺世界の諸民族を思わせる精緻な世界観や、きっちり設定された魔法体系の構築は相変わらず感嘆させられるし、筆致の濃密さは魅力的である。

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Posted by ブクログ 2015年05月06日

夜の写本師のシリーズ2作目。
魔法の世界や仕組みの細やかな描写が、筆者の魅力なのだと思います。でもそちらより、私はストーリーやキャラクターを重視。2作目でようやく広がりや深みが見えてきた気がするので、これからに期待します。

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Posted by ブクログ 2015年03月31日

今作も読み応えがありました。自分の中に闇を持ち、その闇に呑み込まれないようにしなくては、秀でた魔道師にはなれないという前提に、今作はさらに深さと重さが加わったように思います。

特にレイサンダーという若き魔道師の存在感は、秀逸。

闇を持たぬ魔道師が、暗樹との衝突の中でその一部を自分の中に封じ込め…...続きを読む太古の暗黒が内側に棲まうとんでもない魔道師になる。ここまでは、その背負ったものへの不安や底知れぬ恐怖に苛まれてゆくことになるのであろうと当然ながら予想したのに。

…まさか、暗樹そのものを。いや、まさか。しかも飄々と、直感で。

今作では、彼の存在が世界の救いであり、キアルスの癒やしであったことに気づかれた方は少なくないのではないか。

レイサンダーには自然を愛し、規律を尊び、人や生き物を大切にする強さがある。本人はそれを意識もせず、信じもしないのに。しかし、ストーリー全体をもう一度見渡してほしい。キアルスはいつの間にか…あの忌まわしい事件に囚われ続ける日々を抜け出してしまっているではないか(今生に限ってのことだが)。帝国は保たれ、よりよき君主の元で再生の道を歩み始め、世界は彼という唯一無二の存在がなければ崩壊していただろう。

闇を持たぬ魔道師であったからこそ、できたこと…なのではなかったか。あの事件以来、とてつもなく深い闇を抱えたままのキアルスには、レイサンダーの役は務まらなかったのではないか。

そうしてまた、唐突に気づいたことがある。キアルスやレイサンダーは、崇高な正義を胸に行動したのではない。時に恨み、時に嘆き、時に羨む。そんな自らの感情に身を委ねたり、抗ったりしながら進んでいる。預言ですら、暗樹の末路を示すことができなかったのに、ふたりの魔道師が不可能を可能にした。預言に従うのではなく、あるがまま、心のままに振舞うことで。

あの偉大なキアルスをさえ変えたレイサンダー。
彼の無様でたどたどしい生き方に、最も共感した。彼の物語を、もっと読みたい。

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Posted by ブクログ 2024年01月22日

前作の続きなんだけど時代はかなり遡っている。
連続して読めばすぐにつながりそうだが間がかなり空いてしまったので入り込めないままほぼ終わりまで来てしまった。

登場人物に馴染まないまま読み進めたので、シーンの切り替えのたびに置いて行かれてしまう。私の読み方に問題があるのだろうが、途中何度か断念しそうに...続きを読むなった。

2023.1.22
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Posted by ブクログ 2023年07月27日

なかなか壮大な物語だった。キアルスがメインの物語ではあるけれど、テイバドールの枠が想像以上に多かった。レイサンダーはどう絡むのかと思ったら大変重要な役割を担っていて、視点がいろんなところに飛んで大変だった。世界観が壮大。作り込まれている。自分の理解がまだ足りてないなと思った。この世界の物語をさらに読...続きを読むんでみたい。

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Posted by ブクログ 2022年06月16日

時折思い出したように読むこの作者の本、ずーっと昔に読んだ「夜の写本師」に続く長編第二弾とのこと。8年も前のことなので前作の内容は全く覚えていないのだなぁ…。
前作の感想にも似たようなことを書いてるのだけれど、今回もまた作者が作り出した世界観や魔導師の在りようなどを十分に感じ取れたかと言われれば、頭の...続きを読む中はいささか混沌としているところはあり。
それでも、人の心に巣食う「闇」に対し戦いを挑む二人の魔導師レイサンダーとキアルスの姿には打たれるところはあって、レイサンダーと<暗樹>の二度の闘い、とりわけ<暗樹>とまみえてレイサンダーが光の奔流にのみこまれていく場面や一連托生とばかりに自らの闇の裂け目に<暗樹>を縫い込んでいく場面にはなかなか震えた。
前段で語られるタペストリーの中の世界もとても印象的で、テイバドールの半生がここでじっくり語られたことが、後半の二人の魔導士の行く末とつながって、混沌とした頭でも一定の興味を持って読み進むことが出来た。

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Posted by ブクログ 2020年09月06日

いやちょっとまって。これ女性が書いた話だったよね…?とショックを受けた。なぜなら強姦されてできた子供を愛せず苦しむ女性を、哀れで愚かな女のように弟が言及する箇所がある。子に罪はないからだそうだが。
姉の苦しみに向き合ってこなかった、その弟のような男たちこそ、彼女を追い込んだ一因ではないのか?
その弟...続きを読むが主人公の化身のような存在なので、一気に感情移入できなくなり。
この世界に生まれた闇は、この弟たちのような男性によって生まれたんではないのか。なんて勘ぐってしまい、男たちの奮闘によって闇が封印されても「ああやっと後始末をつけたのね。世界を救ったかのように威張ってるけど」などと冷ややかに見てしまう自分が…
しかもゲイの皇帝が悪者だし。
一巻で女性性を深く考察しているなんて解説されているけど、むしろ保守一色にしか読めない。

私の底意地が悪いのか…
また些細な女性蔑視描写でファンタジーの世界に入っていけない、悪い癖が出てしまった…悔しい。

描写は相変わらず見事だし、私の好みが偏りすぎているに違いないから、あんまりな低評価は避けたい。よって星三つ。

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Posted by ブクログ 2017年05月16日

前作の悪かったところがちょっと良くなっている。
このまま良くなり続けていけばいい感じになるのでは。

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Posted by ブクログ 2017年04月17日

ここで闇と呼ばれているものは何だろうと考えると、生命力そのものではないか、と思った。
大地から生える黒い樹。太古の闇。無ではなくカオスをイメージする表現だ。何もないのではなく、すべてが混沌としている。

魔導師は闇を持たなければならないと作中では言われる。魔法とは、世界に干渉して世界をーー価値をーー...続きを読む変容させる、意志の力だ。生きることで必然的に抱える善悪の相克を見据え、とりもなおさず自分の座標を定める、その覚悟がなければ、モノの価値を変えることなどできない。

生きているものは生きなければならない。生き続けなければならない。
どんな存在もこの世に生じた瞬間から呪縛される。生命が持つ絶対的な指向の、その強さこそ闇と呼ばれるものではないか。

前作も同様ですが、情報量が多く密度が濃いので、かなり集中して想像力を働かせることが求められる。
疲れている時は没入しづらい。どっぷり浸れれば至高の旅になるだろう。

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Posted by ブクログ 2016年12月21日

若い頃のギデスディン魔導師が、暗樹という敵を前に倒すために奔走する話。若いからかはじめの頃はとてもやんちゃでしたが、テイバドールの記憶を見てからは一気に大人に、その辺の大人より達観した人間になります。今回もなかなかはらはらさせられて先に核心を読んでしまいたくなります。一作目も読み応えありましたが、話...続きを読むとしてはこっちの方が好きです。

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