乾石智子のレビュー一覧
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「オーリエラントの魔道師」シリーズ。
“シリーズ”というか、“サーガ”といった感があるこの乾石ワールド。しっかりと創られた壮大な世界観が魅力です。(巻末の年表で、それぞれの作品の時系列がわかるのも良いですね)
さて、本書は市井に生きる魔導師たちの姿を描く短編集。五話が収録されています。
この世界の魔道師たちは、それぞれの特性を活かした魔法を使うのですが、ある時は職人のように重宝されたり、ある時はその力を疎まれていわれなき迫害を受けたりすることもあります。
今回は、オーリエラントの神々の力とリンクした魔法を使う魔導師が登場するのが特徴的。
例えば「運命女神(リトン)の指」の三人の魔道師はそれ -
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Posted by ブクログ
ネタバレオーリエラントの魔道師シリーズの第五作。
紐結びの魔道師エンスの物語。
腕は立つし、懐も深いし、魔法も達者(?)だし、
ファンタジーらしからぬ明るいくキャラクターで楽しかった。
招福の魔道師だからか。
祐筆のリコとのコンビも面白いし。
何百年も死なないのは、どんな人生なのだろうか。
年齢よりずっと若く見えるが、永遠に若いわけではない。
若く見られて嬉しくはならないだろう。
ほとんどの人を見送ることになる。
別れに慣れてしまうのだろうか。
長生きだからといって、
必ずしも金持ちになれるわけではない気がする。
そもそも金は必要だとして、金持ちになりたいのだろうか。
物に執着するだろうか、広い -
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Posted by ブクログ
ネタバレオーリエラントの魔道師シリーズの第六作。
コンスル帝国が生まれるずっと前、
オーリエラントがオーリエラントとなった頃のお話。
生まれながらにして風や雨や月を動かす純粋な子供たちが、
騙され連れ去られ裏切られるのは、
なぜか他の物語よりもつらいものがあった。
それと、
「北の蛮族」がどうも受け入れられなかった。
片や家畜をもち、畑を耕し、言葉を操る人間たちに対して、
それらを知らない持たない蛮族が同時に存在している世界に
違和感があるというか。
ファンタジーなので何でもあり、と言えば、ありなのだが、
人間よりも体も大きく、力も強い「蛮族」の姿に、
ホモ・サピエンスと同時代を生きていたネンデ -
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