乾石智子のレビュー一覧

  • 紐結びの魔道師

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    繊細な表紙がまず好き。
    いいなぁ、こういう魔法。
    いいなぁ、この世界観。

    しかし、どんな属性でも、どんな世界でも、描かれるのはやっぱり人間で。いろんな弱さ、いろんな強さを持ったいろんな人間で。それぞれ魅力的で、読み終えるのが勿体無くて、ことさらゆっくり噛み締めるように読みました。

    至福。そして、読み終わったあとの充足感と、すぐ後に訪れる喪失感。ええ本に会うと、嬉しいねんけど、読み終わるのがツラいわ。

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    2017年02月18日
  • 紐結びの魔道師

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    紐結びの魔導師・リクエンシスの物語。

    今までの魔導師シリーズと比べて“闇”の部分が少なく、エンス、ことリクエンシスの魔導師っぽくない飄々としたキャラもあって、素直に楽しく読める短編集。
    エンスの編み出す、“紐結びの魔法”も手作り感覚で好きですね。
    そして、温かな気持ちになるラストも素敵です。

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    2017年02月18日
  • 夜の写本師

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    心の闇の部分をも請け負う魔道士たち。そうした者たちの中で繰り広げられる復讐劇。
    「月の書」「三人の魔女」
    幾千の年を超えても続く野望と呪い。

    海に飲み込まれるシーンなどは詩的な感じがした。イメージが広がる。
    激しい描写もあるにもかかわらず、それほどおどろおどろしくは感じなかった。
    陰陽の陰の方のファンタジー。

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    2017年01月08日
  • 魔道師の月

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    前作に比べ描写の違和感が減り、世界観や魔法体系も丁寧に積み上げていて物語に入り込みやすかった。なにより食べ物の描写が旨そう。映像を言葉に現すスキルが確実に上がってる。詩的になる悪い癖が終盤で出てきたのが惜しい。物語の展開は前作同様に秀逸。総評、良い。

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    2017年01月05日
  • 双頭の蜥蜴

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    久しぶりの乾石智子さん。
    舞台が現代ニューヨークから始まったのでちょっとびっくりしたものの、とある事故が原因で実母とうまく行っていない主人公シエラ。
    彼女が街中で得体のしれない影のような存在に追われた際に出会った一人の老婆の手によって別世界へ転送されるところから話は始まります。

    転送されてしまえば元の世界のことは放置……という物語はよく見るけども、この作品はニューヨークと表裏一体の別世界 ── 時間的には多少歪められているかもしれないけれど老婆【門の司】の助けで行き来できる ──で起こる出来事を通じて、実母との確執に折り合いをつけて行こうとするシエラの成長物語です。
    パワーストーンの煌めきや

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    2016年12月13日
  • オーリエラントの魔道師たち

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    短編集の1冊。
    私は「闇を抱く」がいちばん心に残る。女性たちの密かな、しかし確固とした意思のもと、魔法を使う姿勢に、佇まいを正されるように感じた。

    私も闇を抱えている。誰しも年を重ねていけば大なり小なり闇を抱えていくのだ。それを認めて、向き合うこと。それなくして深みは増さない。

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    2016年11月24日
  • 太陽の石

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    新しく読んだものが毎回一番好きだ。
    世界観は相変わらず緻密で壮大なのだけど、どんどん人間味が増してきているような気がする。
    身勝手な魔導士を人間にし、優しさと痛みを教え、その上で力を使わせるという残酷さに胸が熱くなる。
    冬の砦での生活がずっと続けられたらよかったのになぁ。
    デイサンダーが二度目の瀕死状態から目覚めて、ザナザやビュリアンの話を聞きながら、込み上げてくるものを抑え切れなくなるシーン。自然も人間も同じ。どんなに傷つけられたとしても生きようとする力を持っている。ぐっときた。

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    2016年10月31日
  • 太陽の石

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    拾われて育ったデイスが、山でひょんな事で蘇らせたリンターという魔術師に半ば強引に付いてくるように脅されて村を出て旅をすることになる話。一緒に付いてきた姉の存在で嫌な予感はしましたが、やはり予想は的中しました。過去はなかなか凄惨なものでしたが、道中はそれほど苦難もなく着々と進んでいったので、楽しく読めました。出来ればみんな生きていたらと思わざるをえませんが、負けずに強く生きていってほしいなと思います。

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    2016年10月06日
  • ディアスと月の誓約

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    ネタバレ

    とてもよくできています。
    いつものごとく。

    四つあった月を人が引きずり降ろして、その力で凍土を人が住める街にする。
    宝石で着飾った豪奢な暮らしをしたい、というのが望み。
    ファンズの王サルヴィが赤と金の髪の魔法使いに警告するが、魔法使いは聞き入れずサルヴィを殺す。
    サルヴィはその角をもってして災いを妨げられると忠告を残すが、その角が滅びるとかならず疫病が流行った。

    その偉業をなしとげた王の息子の一人、ディアスは夢を見る。サルヴィが首を切られる夢。

    彼は家臣のマイハイのもとで育てられ、権力抗争から<降りて>いる状態。
    しかし陰謀に巻き込まれ、角を破壊した罪に問われ国外追放とされてしまう。

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    2016年09月25日
  • オーリエラントの魔道師たち

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    ネタバレ

    それぞれ努力して力を持った魔導師や写本師が、思いを抱き日々を黙々と過ごす姿が描かれていて、ファンタジーな雰囲気も凄く惹かれるものがあるのと、自分にはここまで熱中できない部分に嫉妬すら覚えます。こういう世界だったらもっと学んで魔道師になりたいとか思えるのになとちょっと思ったり。現実より険しそうですが。そんなに分厚いものではないですが、ずっしりと話は読み応えがあると感じました。

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    2016年09月21日
  • オーリエラントの魔道師たち

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    夜の写本師から読み続けてきて
    なんだか懐かしい感じが胸にじわじわ。

    この作品には壮大さはありませんが
    それだけに この世界を生きた魔道師や
    夜の写本師たちが 自分自身も含めた
    多くの人々の切なる求めがあってこそ
    生まれるべくして生まれた存在なのだと
    虚構でありながら ある種の実感に
    包まれました。

    憎悪も欲望も愛もある当たり前の世界。
    私たちの世界にも 魔道師はいます。

    きっと。

    決して美しい物語ではないのに
    不思議に心が豊かになるのです。
    乾石智子さんの作品って。

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    2016年07月09日
  • 太陽の石

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    オーリエラントの魔道師シリーズを
    読み始めて3作目。

    シリーズで初めて ラストに胸をなでおろしました。

    ファンタジーであるからには
    冒険や試練、宿命、永劫などの言葉から
    物語は逃れられないのだと思いますが

    この作品からはたくさんの人の多くの笑顔や幸せが
    春に咲く花のつぼみのようにほころび始めています。

    ふっと空を見上げて にっこり微笑みたくなる
    そんなファンタジーでした。 

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    2016年07月06日
  • 夜の写本師

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    ネタバレ

    最初は精緻な表紙に惹かれたジャケ買い。
    何処か懐かしさがあるけれど、こういうファンタジー世界好きだわ~。
    他の本も読んでみよう。

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    2025年05月28日
  • 魔道師の月

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    ソフトカバー版を既読。物語を読む楽しみがページ数の何倍も詰まっている作品だ。はじめて読んだとき、「夜の写本師」を読んだからこその感動であると理解したうえで、前作よりもこちらのほうを非常に気に入った。それはどちらの作品もだいすきだというのが大前提ではあったが、キアルスに魅了されたことがおおきかったかもしれない。この複雑な世界を構築しながらキャラクターにも魅力を持たせるということをやってのける作者には、みずから翻弄されたい気持ちにもなった。さいごにキアルスが得たものと、見上げた夜空の姿に胸がいっぱいになった。

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    2016年06月08日
  • 太陽の石

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    ネタバレ

    魔導士の月から800年後の世界。過去(300年)と現在を行き来しながら壮大な兄弟喧嘩を繰り広げる魔導士イザーカト兄弟の話。というと身も蓋もないが、なぜナハティが闇に堕ちたのか、リンターは何をしようとしているのか、他の兄弟たちはどうなったのか明らかになるにつれ、切なさが増していく。ピュリアンやネアリイ、デイスの成長と関係の変化を好ましく思えば思うほどこの結末は切ない。今回も魔法の表現が独特で圧倒される。最後の闘いの描写は解説でもあったが、全然どんなんだか具体的に想像できないけど、納得せざるをえない凄まじさだった。シリーズの中では一番すきだ。

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    2016年03月19日
  • 魔道師の月

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    ネタバレ

    前作「夜の写本師」を読んだ時も圧倒的な世界観に驚かされたけど、今作ではこの世界の『魔導師』の定義や、魔法のあり方自体に驚かされた。大抵のファンタジー作品の魔法は、才能と決められた儀式によって受け継がれてるものだと思うんだけど、この世界では魔法の種類によって、お互いの魔法がどのようなものなのかさえわからないってのが面白い。読み始めに、時系列がよくわからなくなってしまって戸惑ったが、そこが読み取れれば壮大な物語をあとは楽しむだけだ。私は楽しめた。

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    2016年03月13日
  • 太陽の石

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    前巻の記憶が色濃く残っているうちに読みました。
    舞台は、前巻から約840年後の世界です。
    イザーカト兄弟の物語が主軸にあるのですが、今作でも遥か昔の回想シーンがあったり、他国の人が登場したり、本当にどこまでも世界が膨らみます。

    魔道師といっても、時代によっても国によってもまるで違います。切り取られた箇所によってこうも違った姿を見せるのかと、まるで私たちの世界の歴史を眺めるかのような面白さです。

    今回は、死を司る闇と生を司る大地(緑)とのコントラストが印象的でした。魔道師はどうしたって闇と切り離せない。そして、闇は世界から消し去ることはできない。
    闇を内に抱える以上、冷酷な部分も見え隠れしま

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    2016年03月06日
  • 魔道師の月

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    「静かにうちよせる波、ときおり響く海鳥の声、半日航路の対岸には帝国本土の連絡港ヂャイの町が白くへばりつき、空も海もイルモネス女神の美の錫杖にかきまわされて、冬でも菫青石(アイオライト)の底なしの青さだ。」

    ページを開くとすぐに、こんな文章で書かれた美しい描写。
    前作「夜の写本師」と同じ世界でありながら、時間軸が違い、これはその頃から1000年もの昔の話。さらに作中ではそこから400年もの昔にも旅立ちます。
    ギデスディン魔法の創始者キアルスなどが登場し、その魔法の成り立ちもおもしろいし、若かりし頃の彼の未熟さもまた読み手にはたまらない。

    あとがきにも「本書は前作に先立つ物語であると同時に後日

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    2016年02月21日
  • 魔道師の月

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    世界観に圧倒される。
    乾石さんの頭の中に無限に世界が広がっていて、特別必要な部分だけを切り取って慎重に再現されたもの、という感じがした。場面ごとに空気ががらっと変わるのも凄いところだと思う。
    中でも、テイバドールの話が一番印象に残った。
    憎むなという父の教えが星の光となって背骨に宿っていて、闇に誘われるたびに、その星が正しく導いてくれる。その星こそがテイバドールの核であり、歌の元となったものではないかと思い、自分にそんな星があるかなと省みたりした。

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    2016年02月18日
  • 双頭の蜥蜴

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    「石+ファンタジー」といえば、乾石さん。
    今回は、NYでは母から疎まれて孤独だったシエラが、異世界のヴェレスでは“選ばれし者”、「石の司」であることを知らされることから始まる、成長ストーリーとなっています。
    さすがに石の描写が詳細で美しく、クライマックスでの水晶がドドンと出てくる場面は圧巻です。
    ラストは母親との確執の解決は曖昧なままでしたが、希望が見える終わり方かな。と。

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    2015年12月20日