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Posted by ブクログ
オーリエラントの原初の物語。
コンスル帝国建国の兆しも垣間見える。
とても心地よく、得心のいく結末だった。
はるか太古の物語としてとらえれば、
この物語の何千年も何万年も未来に
私たちの時間が成立しているのだとも言える。
どのような苦難や裏切り、生死の危機を経ても
希望を信じることをやめないヴェリルの存在は
人間世界が続く限り、失われるものではない。
アルデイラを秩序ある国家として成立させている
ホウと言葉(コンシアル)は、後の物語に繋がる
大切なものであり、たとえ百年単位の限られた時間
であっても、人間世界に安穏と平和をもたらす鍵で
あろう。
ステファヌス、デランダール、風森村の仲間たち。
魅力的な登場人物たちにも胸が騒いだ。
Posted by ブクログ
とても楽しみに待っていた作品なのに、集中できていなかったのかなんなのか、どのように感想を書いたらいいのかわからずに戸惑っている。もしかしたら、これまで読んだシリーズのなかでいちばん地味と言えるかもしれない。ただ、地味だからおもしろくないわけではない。この物語を通して著者が提示して見せたものには、簡単には飲みこめない奥行きがあると感じられた。また、コンスル帝国の建国以前の話ということもあり、登場するひとびとの素朴さも際立つ。その無垢さ純粋さがこの小説の静けさを作り、祈りのような佇まいになったのかもしれない。
(冒頭に“戸惑っている”と書きはしたが、ぐわりと込み上げる衝動になんど涙目になったことか。この物語の主人公は、その純粋さゆえに利用されなぶられ打ちのめされるのに、しかしおのれが背負った宿命を手放さぬたくましい生命。彼を追い立て、もり立て、立ち向かわんと駆り立てるもの、希望を見出だしたものが何だったのか。それをいっしょに見つけられたような気がして幸せだった。)
Posted by ブクログ
オーリエラントの魔道師シリーズの第六作。
コンスル帝国が生まれるずっと前、
オーリエラントがオーリエラントとなった頃のお話。
生まれながらにして風や雨や月を動かす純粋な子供たちが、
騙され連れ去られ裏切られるのは、
なぜか他の物語よりもつらいものがあった。
それと、
「北の蛮族」がどうも受け入れられなかった。
片や家畜をもち、畑を耕し、言葉を操る人間たちに対して、
それらを知らない持たない蛮族が同時に存在している世界に
違和感があるというか。
ファンタジーなので何でもあり、と言えば、ありなのだが、
人間よりも体も大きく、力も強い「蛮族」の姿に、
ホモ・サピエンスと同時代を生きていたネンデルタール人を重ねているのかもしれない。
その頃は、ホモ・サピエンスも大してしゃべれていなかったというか、
大した違いはなかったはず。
著者のあとがきに、
他人のために何かをすることに喜びを感じるのが
ホモ・サピエンスの本質だ、ということとが書かれていたが、
少なくとも、他の個体とのつながりが重要であり、
それは、より小さく弱かった私たちが
集団としてしか生き残れなかった結果なのだと思う。
それは喜びであり、ときには悲しい宿命でもある。
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