入間人間のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とにもかくにも痛い
肉体的にも精神的にも
監禁事件によって精神に不治の傷を負った「ぼく」が
どうやって普通の人に合わせていくかの試行錯誤が描かれているのだけど
読めど読めど落とし所にたどり着かない
むしろそれが不可能であるという結論に行きつくだけだった
しかし、「ぼく」の周りにいる人たちはどこかがおかしいものの魅力的だった
医者らしからぬ恋日先生や鬱病もちのヤマナさん
素直になれないトーエや妹
そしてこの頃から「みーくん」以外アウトオブ眼中な「まーちゃん」
それぞれに何かが欠けたまま、それでも生きる彼女たちと接する「ぼく」は
達観しながらもどこか泥臭い
この世界 -
Posted by ブクログ
小難しく語るなら
生きていれば、自分ではどうしようもない色々が自分の中に鬱積していく
長く生きていけば尚更
ソレとどう付き合っていくかというのもライフワークの一つではあるけど
できるなら潰される前にどうにかしてしまいたい
近しい人が抱えているならなおの事
ぶっちゃけるなら
人々を良からぬ方向に導いていく宇宙人をロケットでぶっ倒そうぜ
でもロケットは本物手に入らないからペットボトルな
そういうお話
今回は、おばあちゃんに長生きしてほしい一心で奔走する女々さんが主人公
異論は認めない
軽佻浮薄を地で行く彼女の本心というのは中々読みづらいのだけど
祖母の健康と娘の独 -
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Posted by ブクログ
短編集ということで、前半3つの短編では、女性3人の初恋等の話から何故にわちを気に入ってるかが、直接的ではないが、描かれていた。『空への明日』での、エリオの「だけど今の私と向き合ってくれるから、イトコは良い。 なんか、すごく良い。」という評価が印象的。
が、個人的には4つ目の短編『ぼくと彼女の月の距離』が一番のお気に入り。にわちと星中の関係は、宮本輝『青が散る』における燎平と夏子のそれのように甘酸っぱく、にわちが青春ポイント獲得に情熱を傾ける礎となるには十分、というかピッタリのエピソードだと思う。
トーエや橘なんとかなど、著者の他作品の人物も出たり言及されたりもよかった。トーエは2つの短編で -
Posted by ブクログ
作中で何度か「みーくん」が言及してるけど、「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」ってジャンルはミステリーになるの?僕はもはや殺人事件はおまけで登場人物の壊れっぷりを楽しむものだと思っている。犯人は誰かとか考えるの苦手だし。
とはいうものの物語の軸はやっぱり事件にあるんだろうけど。でも今回の事件は、壊れっぷりが弱くて正直面白くなかった。バラバラ殺人が起こってて「壊れっぷりが弱い」なんて、だいぶこの物語の世界に浸かっていることに他ならないな。
前巻のラストが「一人死んだ」みたいな終わり方だったけど、みーくんとまーちゃんのどちらかが死んだら物語終わっちゃうからどちらも死んでないというのは予想してた