橘木俊詔のレビュー一覧
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夫婦格差社会(橘木俊詞・迫田さやか)
『夫の収入が高ければ妻は専業主婦となり、夫の収入が低ければ妻が働き出す。』この効果によって、夫婦間(とこの本では言っているが世帯間のことと思われる。)の格差が平準化されるという『ダグラス・有沢の第二法則』。この法則が、夫の収入と無関係に働くようになった妻の影響(男女間の不平等の是正、女性の社会進出などによる)で崩れつつあることを指摘。コレによって世帯収入の二極化(パワーカップルとウィークカップル)が進み、格差が広まっていることを豊富な事例で紹介する本。
アマレビュでも書いてる人がいたが、そりゃせやろなという内容がほとんどだった。
新鮮だったことも何点か。 -
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ネタバレ「判断力の欠如によって結婚し、忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚する」(フランスの劇作家、アルマン・サラクルー)。ロシアでは6~8割、アメリカでは5割、日本でも3組に1組が離婚する。その離婚について、国際的な比較、日本の離婚の歴史、不倫や離婚・養育費・再婚の実態を解説しながら、橘木氏のフィールドである「格差」に問題をひきつけ、ひとり親、とりわけシングルマザーの相対的貧困率・格差の問題状況を抉る。政府が2002年から進めている「福祉から就業へ。経済支援の負担割合を減らし、就業支援を拡充」の施策が、思うような結果を出しておらず、見直しが必要であることを力説。
先日の参院予算委 -
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<目次>
序章 「東京一極集中」は何が問題なのか
第1章 「スポーツの中央集権」が生み出す功罪
第2章 プロスポーツはすでに「地方分権」にシフト
第3章 プロスポーツが「地方都市」で繁栄する効果
第4章 地域のライバル意識による「ダービー・マッチ」
終章 プロスポーツ「地方分権」のさらなる可能性を探る
<内容>
発想はいいと思う。撰だって亡くなったグッチーさんが、岩手県紫波町に作った体育館を独立運営させるためにVリーグを引っ張ってきたが、基本はこの発想である。ただ、この本は安直に過ぎた。データだけから分析し、おそらく本人は一切日本各地にも、アメリカにも行っていないだろう。 -
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以前、著者の本を読んだときに、この本が紹介されていて興味をもったので読んでみた。論調はかなり私が支持するところに近い。だけど、以前読んだこの著者の本でも感じたのだが、何だか妙に冷めた感じがする。大いにうなずけることが書いてあるのだが、そこに熱意が感じられないとでもいおうか。データを示しながら論を展開しているでそれなりに説得力があるかのように感じられるのだが、サラサラッと書いた感じで魂込めて論をぶってる感じがしないのが残念。
OECD諸国の所得格差(ジニ係数、2000年ごろに観測、p.55)を見ると、アメリカは大きく0.379、日本は0.329で韓国0.315より所得格差が高い。ちなみにデンマー -
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サブタイトルで提起している問題の答えが書いてある本じゃない。著者は経済学者なんだけど、生物学、人類学などの言質をもとに男、オスの生態、またデータや統計資料をあげながら、父系的社会の崩壊の要因ではないかと述べていく。
暮らしにくい現代日本社会を政治の不備から説いていたりもして、論旨がずれていくようにも一瞬感じたけど、政治が人々の思いをくみ取りすくうような政策を打ち出していくことで暮らしやすい社会ができ、それが男だから、女だからということに縛られない社会をつくっていくということを(主張しているのではなく)示唆しているのだと読んだ。独身が増加していいし父親が無力化してもいい。その傾向に沿った社会がで -
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経済に精通する大学教授であり、野球への造詣も深い著者がプロ野球を経済的観点から見た考察を書いた一冊。
選手の年俸や球団やリーグ運営、日本プロ野球の歴史などスポーツとしての野球の問題点や米大リーグとの違いなど普段知ることのできないプロ野球の裏側を本書で知ることができました。
また、2004年に起きたストライキの内容や引退後の選手の動向やサラリーマンとの生涯年収の比較や選手の年俸からみる成績との関係性などは興味深い内容でした。
そして、経済学の観点からプロ野球の運営に対する著者の考察や意見も展開されており、勉強になりました。
大リーグではリーグがチームに分配金を投入してリーグ全体を支えていること -
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相対的貧困=国民所得の中位者の所得の50%に満たない者をいう。
国民の目標の多様化が背景にある。
再配分機能が弱い。今までは所得の不平等度が低かった。
新自由主義、市場原理主義では資源配分はパレード最適になるが配分を最適にするとは言っていない。
連合が労働者の代表=正規労働者の既得権益を守ることになる。
野心と嫉妬心が行動の源泉。
平等性と効率性のトレードオフ。
ケインズの弟子 ハロッドドーマー理論=貯蓄率と資本係数によって成長が決まるという理論。
格差拡大は経済成長にとってマイナス。
無理に経済成長させると格差が拡大=脱成長戦略を。
有限の世界で幾何級数的に成長すると考えるの -
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「日本のエリート」
はじめに「エリートとは、社会の先頭に立って社会や組織の指導者として、人々を牽引していく人のことである。」と定義している。
軍人、官僚、政治家、経営者、そして社会に大きな影響を与えた知識人をエリートとして考え、明治以降のそれぞれの時代に必要とされたエリートとその功罪について議論している。特に陸・海軍士官学校から軍人、帝国大学(東大)から官僚に関してはかなり詳しく議論している。そして、身分を問わず実力で栄達できたと言うことは評価すべき点だといえる。中でも明治から脈々と続く東大の強さがよくわかる。
しかし、本書では特に議論していないがエリートが人格高潔で社会正義に敏感であるという