橘木俊詔のレビュー一覧
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貧困・格差・ベーシックインカム等に関する著作のある経済学者橘木の新作はナント、スポーツと学歴の分析だ。
一番歴史があり多くのデータのあるプロ野球選手の分析が主となっているのは当然と言えば当然ではあるが、高卒より大卒のほうが成功(ここで言う成功とは一軍定着年数の長短)の確立が高いとかドラフト上位者の成功確立が高いとか、大卒者のほうが将来指導者になる確立は高い等々、普段何となく感じているところを改めてデータ分析をして示す興味深いものである。
とは言うものの、プロ野球選手を排出している大学・高校の一覧表などはあるのだが、計算の結果として出てきた分析結果については本文中で紹介されているだけで必ずし -
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この本の「はじめに」に
「現実の経済が進行する中でどのようにして経済理論が生まれ、それが現実の政策の分野でいかに生かされることになったかを論じることに特化できる書物が出来上がった・・・」
とあったのと、
題の
「課題解決の経済学史」
から、
これこれといった歴史上の状況から、これこれといった問題意識がにんしきされ、これこれといった経済学が生まれ、これこれといった政策がとられた
という内容がすっきりまとまったものを期待したのだが、
内容の薄い経済学史の本 といった印象しかもてなかった。
詳細はこれこれの本に譲るといった記述が結構あった(この本の著者の著作を参照といったもの)ので、私の知識不足のせ -
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[ 内容 ]
1学年あたり約200名という少数精鋭主義を考慮すると、東大合格者率や国公立医学部や京大への進学実績において、灘校は「日本一」といえる。
本書は、創立から現在にいたる歴史をひもときながら、数多くのOBにインタヴューをしたり、現役灘高生にアンケート調査を行ったりして、その秘密に迫った。
格差社会論の代表的論客が、中・高一貫校やエリート教育の功罪を徹底検証する。
[ 目次 ]
第1部 内側から覗いた灘校(灘校はいかにして名門校となったか;華麗な人材輩出と異色な卒業生;現代灘高生気質)
第2部 灘校と名門校のこれから(世界のエリート校、日本の名門校;中・高一貫教育の将来を予測する)
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
なぜ早慶の両校がこれほどまでに地位を高めたのか、というのが本書の関心であり、そのことを幅広い視点から論じている。
戦前にあってはこの両校は東大・京大などの帝国大学の後塵を拝していた。
戦後のある時期から早慶両大学は国立の名門大学に急追をかけ、現在、すでに追い越している分野もある。
例えば、政界、マスメディア、文壇における早稲田、経済界、政界における慶応である。なぜ早慶はこのような成功を収めているのであろうか。
[ 目次 ]
第1章 早稲田と慶応はなぜ伸びたか(戦前日本の学歴社会 戦後学制改革の波紋 沸騰する早慶人気)
第2章 二人の創設者-福沢諭吉と大隈重信(啓蒙思想家・福沢諭