片田珠美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前著で評判を取った精神科医の著者が、困った人の類型と、彼らから身を守る方法を語ったもの。目次を眺めるだけで泣けてきます。
精神病質で攻撃的な上司、同僚に悩まされた人ならば家宝モノです。彼らの言動を真に受けて病んでしまった多くの善良な人々へ。
思うに、ダウナー系の精神病質なら心療内科に通ったり治療の場に出る機会も多いでしょうが、これらのアッパー系の精神病質さんは周囲に害を撒き散らしながら生きながらえていくのでしょう。
◆目次より
・自分のやり方をおしつけようとする
・現実から目をそむけようとする
・「現実原則」にもとづいて行動できず空想に逃げ込む
・反論してやっつけるのは禁物
・特別扱い -
Posted by ブクログ
現代は「成熟拒否」の社会である。
大人になるおということは「断念」しながら「現実適応」していくことである。しかし「無力」であることを受け入れることが現代人はできなくなっている。万能感の否認を拒否する方向が引きこもりや鬱であり、怒りとなって他責に向かうとモンスターペアレントやモンスタークレーマーとなる。モンスターペアレントは親としての万能感を保持して「パーフェクト・ペアレント」「パーフェクト・チャイルド」を失いたくないからこそ親の非も子供の非も認めずに学校や教師の責任とするクレーマーと化す。
消費社会があきらめないでというメッセージを発信し続ける以上は、一方で肥大化した自己愛的万能感を抱えて、あ -
購入済み
まさにどんぴしゃでした
今現在悩んでいることがそのまま書いてあり驚きました。今まで何とかしようとやったことは堂々巡りで正直行き詰まっていました。悩んでいることがあるかたはぜひ読んでみてください。なるほどと思うことばかりです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ人間性を問われたり、人に嫌われたりなどを考えると「怒り」を表現することが悪いことのように感じられてしまうことがある。だから「怒り」を表現しない人が多が、多くの「怒り」は受け止めかたを変えても、表現しない限り消えることはない。
そして、この本にあるような「受動的攻撃」という形で、「怒り」を表現してしまうことが多いのではないだろうか。
「しない」「忘れる」「遅れる」「黙る」「正論を吐く」
自分を責めたり、謝ったりしながら、実は相手に「あなたのせいよ」と思わせたい気持ちが隠れている。「怒り」を表現していないから「攻撃」ではないと思われるが、受け取った側には強烈な「攻撃」となり、そして相互に受動的な -
Posted by ブクログ
タイトルから今の世の中への批判満載な内容なのかと思っていたがそうではなかった。
精神科医であるがゆえに、現代の困った人々のこころを冷静に捉えていると思う。思わずドキッとしてしまうような指摘が多々あった(つまり自分も困った人々の一員)。
対象喪失を受け入れられないことで成熟拒否を起こし、ひきこもり、他責的な性格、うつへとつながる。そしてその根本には幼児期での自己万能感がある。誰だって自分だけが(は)常に正しいと思いたいし、思っている。問題なのは、問題の起こったある時において喪失を受容できるかどうか。「受容」に至るには、否認や怒りを含めた辛い過程をたどる必要がある。でもその一つ一つが現実と向き合っ -
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大人が子供化している現代社会を見事にまとめています。オススメの一冊です。
大人が子供のままでい続け、大人になりきれない状況を、第1〜3章で説明し、第4章では、大人になる過程で失われる夢や理想をいかに克服するかの「対象喪失」について、第5章では、現代の子供化している社会に対しての処方せんを提案しています。
近頃話題になっている、引きこもり、モンスターペアレント、自分を甘やかす現象は、全て大人の子供化というキーワードで説明できます。本当であれば、第4章で説明している、社会に揉まれながら乗り越えて行く苦労や困難を経験して、大人という成熟した段階へと成長するはずです。しかしながら、そのようなつ -
Posted by ブクログ
ネタバレ精神科医として臨床現場でお仕事をされている筆者が、近年増えていると感じる「打たれ弱い人間」「他責的な人間」「依存症の人間」の三者を対象喪失の克服という観点から見直している本です。
この本はすごく参考になりました。私自身、「喪失」の過程にいたものですから、それをどうやって乗り越えるのかが参考になりましたし、元気も出ました。同時に今という時代の残酷さや生きづらさもヒシヒシと感じ取ることが出来て、生き方を見直す良いきっかけになりました。
「諦める」というよりも「挫折を受け入れて努力すること」が大切なのであって、同じ失敗を繰り返しても諦めないでしがみつき続けるということは、学習能力がないと言わざるを得 -
Posted by ブクログ
子どものことで悩んでカウンセリングを受けては、結局親の話をしてしまう。でも、もう娘にとってのいいおばあちゃんになってくれたから、もう過去のことはいいんです、先生と話せてすっきりしましたと、終わらせてきた。
許さなくてもいいんだ、と目から鱗が落ちる思いだった。親を許せないと思う自分を許す、そんな風に思ったことがなかった。無理に許そうとしていると症状が悪化する、これも心当たりがありすぎる。そういえばお盆に実家に帰った後、それまであんなに楽しく夏休みを子どもと過ごしていたのに、途端に起き上がれなくなった。そのあと子どもも不調になった。子どもが不調になれば、また私は悩みだして不調になる。
攻撃者と