片田珠美のレビュー一覧
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■マニック・ディフェンス(躁的防衛)
■拒絶過敏症 ~打たれ弱さ
■自尊心は,「経験によって強化された全能感」,対象「リビドーの満足」,「幼児期のナルシシズムの残滓」から生まれる
■「健全」な自尊心を持つことができず,大人になっても幼児的な万能感を引きずっているのが「プライドが高くて迷惑な人」の本質。
■「プライドが高くて迷惑な人」の3タイプ
・自慢称賛型 ・特権意識型 ・操作支配型
■第一に幸福な人間は決して空想しない。空想するのは不満な人間だけである。満たされなかった願望こそ空想を生み出す原動力であって,空想というものはどれもこれも,願望充足であり,人を満足させてくれない現実の修正を意味しているのである。(フロイト)
■「満たされなかった願望」を投影した自己愛的イメージを現実の自分と錯覚して,自分自身を過大評価しがちである。その結果,不平不満を並べ立てるとか,怒りっぽくなるという弊害が出てくる。
■問題は,親のナルシシズムの投影である幼児的な万能感を引きずったまま成長する子供が最近増えていること。幼児的な万能感を丸出しにすると,人間関係がぎすぎすして本人も周囲も困るので,かつては,家庭,学校,社会の中で自己愛的イメージを徐々に断念させて,現実の自分を受け入れさせる「身の程を知る」ようにさせるシステムが働いていた。
■「幼児性がいつまでも強く残り,『母』の乳房を求め続け,いい歳になってもそれが与えられないと,国,政治,会社,学校に対し,駄々をこねる」人が増えた。(会田雄次「決断の条件」)
■スルースキル(鈍感力)
■「プライドが高くて迷惑な人」になるか,ならないかの分岐点は,「経験によって強化された全能感」若しくは「対象リビドーの満足」を大人になってから持てるように経験を積み重ねたり,良好なな人間関係を築いたりすることができるかどうかに尽きる。 -
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前著で評判を取った精神科医の著者が、困った人の類型と、彼らから身を守る方法を語ったもの。目次を眺めるだけで泣けてきます。
精神病質で攻撃的な上司、同僚に悩まされた人ならば家宝モノです。彼らの言動を真に受けて病んでしまった多くの善良な人々へ。
思うに、ダウナー系の精神病質なら心療内科に通ったり治療の場に出る機会も多いでしょうが、これらのアッパー系の精神病質さんは周囲に害を撒き散らしながら生きながらえていくのでしょう。
◆目次より
・自分のやり方をおしつけようとする
・現実から目をそむけようとする
・「現実原則」にもとづいて行動できず空想に逃げ込む
・反論してやっつけるのは禁物
・特別扱いはしない
・振り回されないように気をつけて
・「ギブ・アンド・テーク」は期待するな
・本題から平気で外れる人への対処法
・批判ばかりする人への対処法
○残業強制
部下が長時間働くのは当然だと思っている。あなたにも家族や友人がいるということ、悩みや病気を抱えているかもしれないことなど、全く考慮してくれない。上司自身が認められて出世したいがため、過酷な労働を期待するのだが、その割りにあなたの頑張りに対しては、ほめ言葉もねぎらいの言葉もない。単なる会社の道具としかみなしていないからである。
○気分屋
機嫌が悪いと、あなたをターゲットにして罵倒したり、笑いものにしたりする。しかも、他の社員の目の前で…。あなたのことを感情ある人間とはみなしておらず、自分の鬱憤晴らしの対象としてしか認識していない。
○こんなふうに部下の意見を必ず否定するのは、部下の提案をそのまま受け入れたら、部下のほうが優秀だと認めてしまうことになるのではないか、部下から見くびられてしまうのではないか、という不安が強いからだろう。プライドが高いからこそ、自分の優位性を誇示するためもあって常に部下の意見を否定するわけである。 -
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現代は「成熟拒否」の社会である。
大人になるおということは「断念」しながら「現実適応」していくことである。しかし「無力」であることを受け入れることが現代人はできなくなっている。万能感の否認を拒否する方向が引きこもりや鬱であり、怒りとなって他責に向かうとモンスターペアレントやモンスタークレーマーとなる。モンスターペアレントは親としての万能感を保持して「パーフェクト・ペアレント」「パーフェクト・チャイルド」を失いたくないからこそ親の非も子供の非も認めずに学校や教師の責任とするクレーマーと化す。
消費社会があきらめないでというメッセージを発信し続ける以上は、一方で肥大化した自己愛的万能感を抱えて、あきらめきれない「成熟拒否」が増加し、他方で薬物などによって自己愛や万能感を補おうとする現象が生じるのは当然の帰結、というお話。 -
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まさにどんぴしゃでした
今現在悩んでいることがそのまま書いてあり驚きました。今まで何とかしようとやったことは堂々巡りで正直行き詰まっていました。悩んでいることがあるかたはぜひ読んでみてください。なるほどと思うことばかりです。
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ネタバレ人間性を問われたり、人に嫌われたりなどを考えると「怒り」を表現することが悪いことのように感じられてしまうことがある。だから「怒り」を表現しない人が多が、多くの「怒り」は受け止めかたを変えても、表現しない限り消えることはない。
そして、この本にあるような「受動的攻撃」という形で、「怒り」を表現してしまうことが多いのではないだろうか。
「しない」「忘れる」「遅れる」「黙る」「正論を吐く」
自分を責めたり、謝ったりしながら、実は相手に「あなたのせいよ」と思わせたい気持ちが隠れている。「怒り」を表現していないから「攻撃」ではないと思われるが、受け取った側には強烈な「攻撃」となり、そして相互に受動的な攻撃が繰り返されていく。
この本を読んだ後、ふと自分の決断を考えると、実は相手に「こう思わせたい」など、伝えたい思いが別にあることに気づかされることが多かった。
それに気づいたら、立ち止まり、ストレートに表現することをこころがけたい。そして考えた結果、同じ決断になっても、その意志は能動的なものでありたい。 -
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タイトルから今の世の中への批判満載な内容なのかと思っていたがそうではなかった。
精神科医であるがゆえに、現代の困った人々のこころを冷静に捉えていると思う。思わずドキッとしてしまうような指摘が多々あった(つまり自分も困った人々の一員)。
対象喪失を受け入れられないことで成熟拒否を起こし、ひきこもり、他責的な性格、うつへとつながる。そしてその根本には幼児期での自己万能感がある。誰だって自分だけが(は)常に正しいと思いたいし、思っている。問題なのは、問題の起こったある時において喪失を受容できるかどうか。「受容」に至るには、否認や怒りを含めた辛い過程をたどる必要がある。でもその一つ一つが現実と向き合っていくことに他ならず、そして自分以外の誰しもが同じ経験を経ていくものだと認められるようになれば、それが成熟するということなのかもしれない。 -
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大人が子供化している現代社会を見事にまとめています。オススメの一冊です。
大人が子供のままでい続け、大人になりきれない状況を、第1〜3章で説明し、第4章では、大人になる過程で失われる夢や理想をいかに克服するかの「対象喪失」について、第5章では、現代の子供化している社会に対しての処方せんを提案しています。
近頃話題になっている、引きこもり、モンスターペアレント、自分を甘やかす現象は、全て大人の子供化というキーワードで説明できます。本当であれば、第4章で説明している、社会に揉まれながら乗り越えて行く苦労や困難を経験して、大人という成熟した段階へと成長するはずです。しかしながら、そのようなつらい経験を拒否し続けると、いつまでも精神年齢は子供のままでいてしまい、体だけが大人に成長してしまうと説明されています。
以前なら、かわいい子には旅をさせよ、若いうちは買ってでも苦労しろ、といった風潮があったのに、現代では、いつの間にか周囲も気を使って、苦労をかけないようにと、本人を囲ってしまいます。
今の時代、精神年齢が低い=かわいいみたいな風潮がある気がします。あたかも、子供化している状況を正当化するような。そうやって子供化自体が問題視されず、本人のキャラ、個性で片付けられてしまうのは非常に危険だと思います。
著書では、子供化を進行させないよう、挫折や困難などの「転ぶ」経験をたくさんして、転んだ時に、
1.他人のせいばかりしない
2.敗因を分析する
3.自分で起き上がる
の、3つの練習を積み重ねていく処方せんを提案しています
当たり前のことかもしれないけど、意外に難しいです。要は、自分に厳しく、自己鍛錬を行なっていけるかにかかっていると思います。そう思うと、人生は修行って気がします。つらい現実を直視し、向き合って乗り越えていくことで、人生の経験値もあがっていくと思います。ドラクエと同じように、逃げ回ってるだけじゃあ経験値はもらえず、レベルアップしないのと同じように。
親の責任も大きいと思います。子どもが可愛いからといって、いつまでも甘やかしていると子どもの精神年齢が上がっていきません。子どものためを思って、時には厳しく接し、突き放すことも大事だと思います。自分も父親として、子どもを叱って面倒な状況になるより、子どもの機嫌を取っている方がラクだなあと安易に考えがちです。短期的に見ればそれで良いのかもしれないけど、長期的な子どもの成長の視点で考えれば子どもにとってプラスとは言えません。著書を読んで反省しました。
目次
第1章 「打たれ弱い」という病
第2章 一億総「他責的」社会
第3章 依存症―自己愛の底上げ
第4章 大人になるってどういうこと?―対象喪失とは何か
第5章 子どもを子どものままにしないために(処方箋) -
Posted by ブクログ
ネタバレ精神科医として臨床現場でお仕事をされている筆者が、近年増えていると感じる「打たれ弱い人間」「他責的な人間」「依存症の人間」の三者を対象喪失の克服という観点から見直している本です。
この本はすごく参考になりました。私自身、「喪失」の過程にいたものですから、それをどうやって乗り越えるのかが参考になりましたし、元気も出ました。同時に今という時代の残酷さや生きづらさもヒシヒシと感じ取ることが出来て、生き方を見直す良いきっかけになりました。
「諦める」というよりも「挫折を受け入れて努力すること」が大切なのであって、同じ失敗を繰り返しても諦めないでしがみつき続けるということは、学習能力がないと言わざるを得ません。失敗から学ばないのがダメになる原因だったんです。また、挫折したからと言って全てを放り出してしまうことも愚かなことです。
まず何よりも挫折を自分の痛みとして受け入れること、受け入れてなおやる気があるなら頑張れということなんだなぁと。
痛みから立ち上がるのはとても大変なことですが、頑張らないとなぁと気が引き締まりました。