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Posted by ブクログ
現代は「成熟拒否」の社会である。
大人になるおということは「断念」しながら「現実適応」していくことである。しかし「無力」であることを受け入れることが現代人はできなくなっている。万能感の否認を拒否する方向が引きこもりや鬱であり、怒りとなって他責に向かうとモンスターペアレントやモンスタークレーマーとなる。モンスターペアレントは親としての万能感を保持して「パーフェクト・ペアレント」「パーフェクト・チャイルド」を失いたくないからこそ親の非も子供の非も認めずに学校や教師の責任とするクレーマーと化す。
消費社会があきらめないでというメッセージを発信し続ける以上は、一方で肥大化した自己愛的万能感を抱えて、あきらめきれない「成熟拒否」が増加し、他方で薬物などによって自己愛や万能感を補おうとする現象が生じるのは当然の帰結、というお話。
Posted by ブクログ
タイトルから今の世の中への批判満載な内容なのかと思っていたがそうではなかった。
精神科医であるがゆえに、現代の困った人々のこころを冷静に捉えていると思う。思わずドキッとしてしまうような指摘が多々あった(つまり自分も困った人々の一員)。
対象喪失を受け入れられないことで成熟拒否を起こし、ひきこもり、他責的な性格、うつへとつながる。そしてその根本には幼児期での自己万能感がある。誰だって自分だけが(は)常に正しいと思いたいし、思っている。問題なのは、問題の起こったある時において喪失を受容できるかどうか。「受容」に至るには、否認や怒りを含めた辛い過程をたどる必要がある。でもその一つ一つが現実と向き合っていくことに他ならず、そして自分以外の誰しもが同じ経験を経ていくものだと認められるようになれば、それが成熟するということなのかもしれない。
Posted by ブクログ
大人が子供化している現代社会を見事にまとめています。オススメの一冊です。
大人が子供のままでい続け、大人になりきれない状況を、第1〜3章で説明し、第4章では、大人になる過程で失われる夢や理想をいかに克服するかの「対象喪失」について、第5章では、現代の子供化している社会に対しての処方せんを提案しています。
近頃話題になっている、引きこもり、モンスターペアレント、自分を甘やかす現象は、全て大人の子供化というキーワードで説明できます。本当であれば、第4章で説明している、社会に揉まれながら乗り越えて行く苦労や困難を経験して、大人という成熟した段階へと成長するはずです。しかしながら、そのようなつらい経験を拒否し続けると、いつまでも精神年齢は子供のままでいてしまい、体だけが大人に成長してしまうと説明されています。
以前なら、かわいい子には旅をさせよ、若いうちは買ってでも苦労しろ、といった風潮があったのに、現代では、いつの間にか周囲も気を使って、苦労をかけないようにと、本人を囲ってしまいます。
今の時代、精神年齢が低い=かわいいみたいな風潮がある気がします。あたかも、子供化している状況を正当化するような。そうやって子供化自体が問題視されず、本人のキャラ、個性で片付けられてしまうのは非常に危険だと思います。
著書では、子供化を進行させないよう、挫折や困難などの「転ぶ」経験をたくさんして、転んだ時に、
1.他人のせいばかりしない
2.敗因を分析する
3.自分で起き上がる
の、3つの練習を積み重ねていく処方せんを提案しています
当たり前のことかもしれないけど、意外に難しいです。要は、自分に厳しく、自己鍛錬を行なっていけるかにかかっていると思います。そう思うと、人生は修行って気がします。つらい現実を直視し、向き合って乗り越えていくことで、人生の経験値もあがっていくと思います。ドラクエと同じように、逃げ回ってるだけじゃあ経験値はもらえず、レベルアップしないのと同じように。
親の責任も大きいと思います。子どもが可愛いからといって、いつまでも甘やかしていると子どもの精神年齢が上がっていきません。子どものためを思って、時には厳しく接し、突き放すことも大事だと思います。自分も父親として、子どもを叱って面倒な状況になるより、子どもの機嫌を取っている方がラクだなあと安易に考えがちです。短期的に見ればそれで良いのかもしれないけど、長期的な子どもの成長の視点で考えれば子どもにとってプラスとは言えません。著書を読んで反省しました。
目次
第1章 「打たれ弱い」という病
第2章 一億総「他責的」社会
第3章 依存症―自己愛の底上げ
第4章 大人になるってどういうこと?―対象喪失とは何か
第5章 子どもを子どものままにしないために(処方箋)
Posted by ブクログ
他責について知りたくて読書。
他責の人間が増えている。日本だけの現象なのか不明だが日本は確実に増えているなと感じている。
本書は、著者が接している患者などの例も含めてモンスター〇〇について紹介されている。
他責の癖がある人間が、新型うつ病と呼ばれる現象の原因になっていると指摘される。では、どうして他責の人間が増えてきたのか。
著者は、現在の日本社会が原因だと指摘してると読み取れる。不況からの閉塞感や先の不安、現状の不満から自分を守るため責任を他人に押し付けることで無意識に自分自身を守っているのかもしれない。
問題は、周りで関わる人間に他責の人間やモンスター〇〇の類がいたときの対処法だ。それが知りたいと思った。
他責人間になるのは社会の問題もありそうだが、家庭教育にも原因がありそうだ。著者が指摘するように挫折や失敗が少ない人間は、自己肯定力が異常に高く、自己客観視や自己分析力は弱いと思われる。失敗やちょっとしたつまづきを多く経験させて、そこから立ち直るための助言や援助を経験して立ち直って前進してきた人間は他責人間にはなりづらい。
大切なのは、転んだとき、
一)他人のせいばかりにしない。
ニ)敗因を分析する
三)自分で起き上がる
この三つの練習を積み重ねていくことだ。(p247)
自責ばかりだと抑うつ状態になるので、他責と自責はバランスが重要。心のなかで思うのは自由なので、メンタルヘルスコントロールのために、意図的に他責を用いることも方法の1つ。
前に読んだ人が、p47の引きこもりの子がインターネットに没頭するのは、インターネットは無限のパワーを手に入れた氣分にさせるからの下りに書き込みがあった。
違う、インターネットに没頭するのは、楽で飽きないからだ、と。
これに関しては書き込んだ人に同感で、インターネットや依存に陥るのはその行動の方がハードルが低くて楽だからだと思う。
電車で読書よりスマホでゲームやLINEをやるのは、後者の方が楽だからだと思う。行動に多少の苦痛がもとないハードルもやや高いが読書をする人は、読書にそれ以上の価値があることや得たい目的があるからその行動を選択していると思う。
本書は色々なことを考えさせてくれた。
覚せい剤に溺れた芸能人の心理分析は、なるほどと思った。過去の栄光と現状とのギャップに耐えられない。そこにはやや歪んだ自己愛が関係している。
かくいう私も先月末にこの10年で経験がないほど落ち込んだ。我ながら弱いなと思ったのだが、そんなときに本書を手にしたのは、潜在意識が手にさせたのかもしれない。
読書時間:約1時間25分
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ビジネス・実用
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