片田珠美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
組織を恐怖や空気によって支配する存在をヒトラー。その支配者に付き従い無批判に命令を実行する存在をアイヒマンとしてそれぞれの特徴を考察していた。特に、際立って優秀というわけでもないアイヒマン的存在が、ヒトラー的支配者に盲従することで、その地位を上げて、やがて自らがヒトラー的支配者に成り代わるという構造は面白いと思った。日本社会の教育や会社組織の構造がアイヒマンを醸成する土壌になっているというのは、これまでの歴史を見ても明らかだと思う。近年の働き方改革や、IT革命、教育の見直しはこのような土壌を根本から再構成するための良い機会であると感じた。自分の周りにいるであろうアイヒマン予備軍に気をつけるとと
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Posted by ブクログ
本文中にキーワードが繰り返されるので分かりやすい。
事例は若干オーバーラップしているような気がする。
・経験によって強化された全能感
・対象リビドーの満足
にゆがみがあったり不足している人間は
・幼児期のナルシシズムの残滓
に頼り自尊心を支えている
このような心理構造を説明している。
そして幼児的な万能感は
親自身の「蘇生した」ナルシシズムの投影でもある、
という説明が身に染みた。
芥川龍之介の言う「(子供に対する)利己心のない愛は必ずしも子どもの養育に最も適したものではない。この愛の子供に与える影響は 少なくとも影響の大半は暴君にするか弱者にするかである」
はまさに今の時代を言い当 -
Posted by ブクログ
精神科医である著者自身も親に振り回されて、苦労したのだろうなと文面から推測できます。
「支配は、他人を平気で振り回す人がしばしば用いる手段。相手を支配するために振り回すのだといえるのかもしれない。」p16 → 「他人を平気で支配する迷惑な人たち」と題名を差し替えて読んでもいいのかもしれない。
■支配するための手口(ダブルバインドで混乱させる、罪悪感を与える、聞く耳を持たない、相手の価値を否定し優位性を誇示する・・・)
■振り回されているサイン(尊重されていないように感じる、その人にされたこと言われたことが頭から離れずくよくよ考える・・・)
■ターゲットにされやすい人の特徴(愛情欲求や承認欲求