あらすじ
2016年7月に起こった相模原障害者施設殺傷事件は日本社会に大きな衝撃を与えた。自分勝手な言い分によって引き起こされた事件は、死者19名、負傷者26名という、戦後最悪の大量殺人事件となった。世界では欧州や中東などで自爆テロが相次いでいるが、こうした不特定多数の人々を巻き込む大量殺人・自爆テロ事件だけでなく、警官による自殺や親子心中、介護心中など無理心中にも通じるのが絶望感と復讐心だ。強い自殺願望に突き動かされ、誰かを道連れにせずにはいられない拡大自殺の根底に潜む病理を分析する。
第一章 大量殺人と拡大自殺
第二章 自爆テロと自殺願望
第三章 警官による自殺
第四章 親子心中
第五章 介護心中
終 章 拡大自殺の根底に潜む病理
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「どうして一人で逝かずに周りを巻き込むんだろう」という不謹慎かもしれない疑問に答えてもらった気がした。
平成29年発刊で景気や雇用が上向きになってた年だと思っていたけど、自己責任で他人を助けてる場合じゃない国にもなっていて、孤立や絶望感が事件のきっかけの一つになってるってことなんだろう。
本にも社会の構造と書いてあるとおり、個人でどうこうできるレベルではないってわかったけど、この問題を解決する方法について本が出されたら是非読みたい。そして個人でも何か実践できればと思う。
Posted by ブクログ
拡大自殺 大量殺人・自爆テロ・無理心中。片田珠美先生の著書。絶望感と復讐心で他人を巻き込みながら社会を震撼させるような拡大自殺事件の発生が日本で増えている。相模原障害者施設での事件、秋葉原事件、古くは土浦連続殺傷事件も一種の拡大自殺型の大量殺人・自爆テロ・無理心中。絶望感と復讐心でこのような拡大自殺を考える人がこれ以上増えないように、日本社会全体として改善すべき点を真剣に考えなくてはいけない時期にきていると思います。