片田珠美のレビュー一覧
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他責について知りたくて読書。
他責の人間が増えている。日本だけの現象なのか不明だが日本は確実に増えているなと感じている。
本書は、著者が接している患者などの例も含めてモンスター〇〇について紹介されている。
他責の癖がある人間が、新型うつ病と呼ばれる現象の原因になっていると指摘される。では、どうして他責の人間が増えてきたのか。
著者は、現在の日本社会が原因だと指摘してると読み取れる。不況からの閉塞感や先の不安、現状の不満から自分を守るため責任を他人に押し付けることで無意識に自分自身を守っているのかもしれない。
問題は、周りで関わる人間に他責の人間やモンスター〇〇の類がいたときの対処法だ -
Posted by ブクログ
支配的で攻撃的な人。
職場や友人知人や家庭にそういう人がいるよっていう方は
けっこう多いのかもしれない、
この本がよく売れているところを考えると。
何を隠そう、うちの親父が、この本で挙げられるような
支配欲と攻撃欲の強い人の条件に120%当てはまっていたりします。
なんだ、うちの親父を観察して書いた本なんじゃないの?と
思えてしまうほど、ドンピシャでした。
なににつけてケチをつける、難癖をつける、
恩着せがましいことをいう、などなど、
まず攻撃的な人はそういう要素があるという点で、100点満点。
自分の万能感を維持したい、支配したい、
そういう自分でも気づいていないこともあるという欲求が、
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Posted by ブクログ
ネタバレ日本においては、聖徳太子の時代から「和を以て貴し」が美徳とされ、怒りの感情を表現することは「美しくない」という風潮で、しつけのなかで親や先生が子供に怒りを表出させずに抑圧してきた結果として、「怒り恐怖症」や、怒りが爆発して「キレる」こと、そして怒りを偽装する「受動的攻撃」など、複雑な形で抑圧された怒りが表出されていることが繰り返し述べられている。この怒りを醸成するのは「依存」「支配」「競争」という人間関係における形であり、そこから抜け出すためには抑圧的な「怒らない技術」ではなく、健全に「怒る技術」を身に着けることだという処方箋を示す。
書いてあることは平易だが、これほどまでに複雑な精神病理 -
Posted by ブクログ
「スゴイ自分」を捨てきれない大人が増え続ける日本社会に警鐘を鳴らす。ちょっと前にそこそこ話題になった本。
ひきこもりやモンスターペアレントや依存症患者は「あきらめる」ことができないという点で同じであり、彼らのような人が増えた背景には、「あきらめるな!」というメッセージを発し続ける社会の影響があるというのが主な主張。
ちょっと言い過ぎな感じも受けたけど、なかなか納得できる本だった。「『あきらめない』のであれば、当然、そのために重ねるべき努力も、あがくことに伴う苦悩も、失敗したときに味わう絶望も、引き受ける覚悟がなければならない」という著者の言葉が重い。 -
Posted by ブクログ
「NEXT READING」
(怒りは悪い感情なのか)・・・怒りは喜怒哀楽の感情の一つ、感情に良し悪しはない。怒りとは「今何かうまくいってないことがある」というサイン、生きるうえで非情に重要な感情。怒りを出すことに伴うリスクを避けようとするあまり、怒りを押し殺してしまう「怒り恐怖症」こそが諸悪の根源です。
(怒りの抑え方は)・・・怒りをうまく相手に伝える術、”怒る技術”、①「あなたが何に腹を立てているのか言うべき」、相手にどうしてほしいのか、「はっきり」、「きちんと」、「礼儀正しく」言うべき、②相手の立場を考慮する(相手の話を聴く)、③「伝わらないこともある」・・・そんなときはあきらめる。
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「スゴイ自分」(=幻想)を保つためなら何でもする…急増するひきこもりや新型うつ病、何でも他人のせいにするクレーマー、覚醒剤や合成麻薬などの依存症。
精神分析からのアプローチ。
[ 目次 ]
第1章 「打たれ弱い」という病(不登校は誰にでも起こりうる、という認識;ひきこもりの長期化 ほか)
第2章 一億総「他責的」社会(モンスターペアレントは「他責」の象徴;ベテラン教師も疲れ果てる ほか)
第3章 依存症―自己愛の底上げ(マイケル・ジャクソン―「大きな子ども」の典型;失われた子ども時代 ほか)
第4章 大人になるってどういうこと?―対象喪失とは何か(最大の対象喪失である「自らの死