片田珠美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
他責について知りたくて読書。
他責の人間が増えている。日本だけの現象なのか不明だが日本は確実に増えているなと感じている。
本書は、著者が接している患者などの例も含めてモンスター〇〇について紹介されている。
他責の癖がある人間が、新型うつ病と呼ばれる現象の原因になっていると指摘される。では、どうして他責の人間が増えてきたのか。
著者は、現在の日本社会が原因だと指摘してると読み取れる。不況からの閉塞感や先の不安、現状の不満から自分を守るため責任を他人に押し付けることで無意識に自分自身を守っているのかもしれない。
問題は、周りで関わる人間に他責の人間やモンスター〇〇の類がいたときの対処法だ。それが知りたいと思った。
他責人間になるのは社会の問題もありそうだが、家庭教育にも原因がありそうだ。著者が指摘するように挫折や失敗が少ない人間は、自己肯定力が異常に高く、自己客観視や自己分析力は弱いと思われる。失敗やちょっとしたつまづきを多く経験させて、そこから立ち直るための助言や援助を経験して立ち直って前進してきた人間は他責人間にはなりづらい。
大切なのは、転んだとき、
一)他人のせいばかりにしない。
ニ)敗因を分析する
三)自分で起き上がる
この三つの練習を積み重ねていくことだ。(p247)
自責ばかりだと抑うつ状態になるので、他責と自責はバランスが重要。心のなかで思うのは自由なので、メンタルヘルスコントロールのために、意図的に他責を用いることも方法の1つ。
前に読んだ人が、p47の引きこもりの子がインターネットに没頭するのは、インターネットは無限のパワーを手に入れた氣分にさせるからの下りに書き込みがあった。
違う、インターネットに没頭するのは、楽で飽きないからだ、と。
これに関しては書き込んだ人に同感で、インターネットや依存に陥るのはその行動の方がハードルが低くて楽だからだと思う。
電車で読書よりスマホでゲームやLINEをやるのは、後者の方が楽だからだと思う。行動に多少の苦痛がもとないハードルもやや高いが読書をする人は、読書にそれ以上の価値があることや得たい目的があるからその行動を選択していると思う。
本書は色々なことを考えさせてくれた。
覚せい剤に溺れた芸能人の心理分析は、なるほどと思った。過去の栄光と現状とのギャップに耐えられない。そこにはやや歪んだ自己愛が関係している。
かくいう私も先月末にこの10年で経験がないほど落ち込んだ。我ながら弱いなと思ったのだが、そんなときに本書を手にしたのは、潜在意識が手にさせたのかもしれない。
読書時間:約1時間25分 -
Posted by ブクログ
支配的で攻撃的な人。
職場や友人知人や家庭にそういう人がいるよっていう方は
けっこう多いのかもしれない、
この本がよく売れているところを考えると。
何を隠そう、うちの親父が、この本で挙げられるような
支配欲と攻撃欲の強い人の条件に120%当てはまっていたりします。
なんだ、うちの親父を観察して書いた本なんじゃないの?と
思えてしまうほど、ドンピシャでした。
なににつけてケチをつける、難癖をつける、
恩着せがましいことをいう、などなど、
まず攻撃的な人はそういう要素があるという点で、100点満点。
自分の万能感を維持したい、支配したい、
そういう自分でも気づいていないこともあるという欲求が、
チンパンジー的なサルの悪いところみたいなのが噴出している人間は
持っているということなんです。
そして、ターゲットにした相手に罪悪感を持たせたりして、
そこを突破口に攻撃を進めていき、支配しようとしていく。
必殺仕事人に仕事をお願いしたいような感じになりますよね…。
ちなみに、僕が初めて就職した会社の上司がこういう攻撃的な人で、
さらに部署の唯一の先輩から、
「上司になんか言われたらすいませんって言わなきゃだめ」
だとかって、正統じゃない場合でも罪悪感を持つように言われて、
そうやって万事休すになったことがあります。
僕も今以上に稚拙でしたが、この職場の人たちはバカ野郎どもです。
さらに、その職場では、スケープゴートにされている人もいて、
攻撃的な人が多かった。それは、ひとえに一人の攻撃的な上司のせいで
みながその心理状態に感染していしまったからなんだと、
この本を読んでわかったところです。
本書で書かれている対処の仕方、処方箋では、
9割がた僕はできているなという感じで、
やっぱり長年攻撃的で支配的な人と一緒だと、
だいぶ分析と距離を置くというのがわかっているみたい。
それでも、甘く見てはいけないし、一生ものの対峙になります。
本当に、困ったガキだぜ、という感じ。
こういうタイプの人間に苦しめられている人は多いと思います。
本書を読むことで、一時は怒りが増幅するかもしれませんが、
きっと、クリアに見つめられる人も多いと思います。
僕はだいたい、この本に書かれていることは分析できていて、
これを読むことで、うちは特殊なんじゃなくて、
一般的なものなんだと理解できた感じ。
また、自分がこういう攻撃欲と支配欲に支配された人間に
ならないためにもわきまえておきたいことでもありました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本においては、聖徳太子の時代から「和を以て貴し」が美徳とされ、怒りの感情を表現することは「美しくない」という風潮で、しつけのなかで親や先生が子供に怒りを表出させずに抑圧してきた結果として、「怒り恐怖症」や、怒りが爆発して「キレる」こと、そして怒りを偽装する「受動的攻撃」など、複雑な形で抑圧された怒りが表出されていることが繰り返し述べられている。この怒りを醸成するのは「依存」「支配」「競争」という人間関係における形であり、そこから抜け出すためには抑圧的な「怒らない技術」ではなく、健全に「怒る技術」を身に着けることだという処方箋を示す。
書いてあることは平易だが、これほどまでに複雑な精神病理が「怒り」を中心としたネガティブな感情と絡んでいることに驚いた。寺山修司の「怒りは排泄物のようなものなんだから、一日一怒」って慧眼だな。
あとは、キュブラー・ロスの「喪失の受容」過程にも、実は怒りが重要な位置を占めるというのも改めて実感。死だけでなく、別離、失敗、挫折などの人生のいくつかの場面でも「否認」や「怒り」でとどまってしまっている人は実はとても多いのではないか?
同調圧力や親からの道徳の押しつけに代表される「子供を取り巻く環境(しつけ)の劣悪さ」を思うと、子供の時から自分の感情と向き合い、それを言語化する経験の重要性と、親子関係に焦点を当てた「カウンセラー」の役割の重大さを改めて痛感した。
結局、当事者同士では、言語化することも憚れてしまう。「信頼できる第三者」が大きな意味を占めるのではないか、とこの本を読んでますますそう思った。