あらすじ
なぜ彼らは殺戮者と化したのか? 秋葉原、池袋、下関、大阪教育大附属池田小、コロンバイン高校、ヴァージニア工科大……犯人たちの生い立ちと肉声を克明に辿っていくと、六つの共通要因が浮かび上がる。果たして、凶行への「最後の一線」を越えさせたものは何か? 気鋭の精神科医が徹底的に考え抜く。
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Posted by ブクログ
何回も読んでしまう。「肥大した自己愛」と「対象喪失に対する脆弱さ」が他人事ではない。しかし、自分が銃が持てない日本の女性であり、生物的に非力であること、また、女性であるから対象喪失は幼少期に終えてるという考えから、大量殺人という発想にならないのではないかと思った。
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「秋葉原無差別殺傷事件」の加藤智大
「池袋通り魔殺人事件」の造田博
「下関通り魔殺人事件」の上部康明
「大阪教育大池田小事件」の宅間守
「コロンバイン高校銃乱射事件」のエリック・ハリスとディラン・クリーボルト
「ヴァージニア工科大銃乱射事件」のチョ・スンヒ
「津山三十人殺し」都井睦雄
彼らを凶行に走らせたのは何か?
最後の一線を超えたきっかけとは?
増える「誰でもよかった」という大量殺人者の精神構造とは?
人物のおいたちから精神構造までを分析しつつ分析したリポート
全て他者のせいにして内なる悪を否定する精神構造とは?
読んでいて恐ろしくなるのは
もしかしたら「人は誰にでも大量殺人者にな可能性があるのかも」という恐ろしさ。
うつ、、SSRI、いじめ、親の過干渉、親の無関心…
人の精神は複雑で深い
でも、誰でも誰かに愛されたいと思っている
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とてもわかりやすく、興味深かった。無差別殺人が起こる要因6つに照らし合わせて過去の事例を分析し、防ぐ方法はないのか?と考える。全てを犯人だけのせいにするにはやるせなく、外部に原因を押しつけられるほどかわいそうだなんて思っちゃいけない。認知行動の心理学をやってたから、精神分析ってこんな感じなんだーと勉強になった。
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無差別大量殺人が、拡大自殺として捉えられるという点は新しい考えで、納得した。
15年前の書籍だけど、今にも通じそう。
以下、メモ。
「メランコリー者(うつ病者)の自殺は、自分自身に反転したサディズムのしるしを表している。これは、他者を殺そうとする意図なしに自殺することはありえないというテーゼの証拠である」
グットマッハーは、「他殺と自殺」という論文の中で、「自分自身の殺害は、憎しみの対象であるだれかを象徴的に殺す行為」であり、とりわけ「抑うつ的な人間の自殺は、しばしば、両親のどちらか一方の殺害として解釈される」と述べている。
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非常に読み易かった。個人的に一番驚き問題だと感じたのは、内科や外科など他科の医師が精神医学の知識を十分に持たないまま「心療内科」に多数参入しているという実態。
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「拡大殺人」この本を読んで初めて知ったフレーズ。
無差別殺人をした人間は他者を巻き込んで自殺しているのである。
殺された人間、その家族にとってはたまったものではないが。
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アメリカの犯罪学者レヴィンとフォックスが「大量殺人の心理・社会的分析」の中で、挙げた大量殺人を引き起こす6つの要因
(A)素因
1、長期間にわたる欲求不満
2、他責的傾向
(B)促進要因
3、破滅的な喪失
4、外部のきっかけ
(C)容易にする要因
5、社会的・心理的な孤立
6、大量破壊のための武器の入手
を国内・国外の6つの事例にあてはめて検討し、こうした惨劇を繰り返さないために何ができるのか思考した本。
Posted by ブクログ
秋葉原、池袋、池田小学校、コンバロン大学などで起きた
無差別大量殺人事件の犯人の、犯行までの精神を分析。
「他責的傾向」という言葉がポイント。
現代には被告人等の様な事件を起こすまでの
6つの要因を満たす者は少なくない。
ではなぜ彼らは殺人鬼となったのか。
なぜ多くの人は殺人を犯さないか。
ある人が「人を殺すには才能がいる」と言っていた。
いくら殺人鬼になる要因を持っていたとしても、本人に殺しの才能がなければ、犯行に及ぶことなど到底無理なのだ、と。
殺人鬼たちを支持する人間は、その才能に惹かれているのだろうか。
無茶苦茶な見解だと思うが、一理あるのかもしれないなあ。
Posted by ブクログ
特に目新しい情報は得られなかったけど、成熟拒否社会、被愛妄想、自己投影、他責的であるという共通点など読んでためになった部分も多くある。
秋葉原事件なども取り扱っている比較的新しい本です。