半村良のレビュー一覧

  • 岬一郎の抵抗 1

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    『人情噺とSFという水と油のようなものを上手くとき合わせて見せる』という半村良のライフワークを最も高いバランスで達成した稀代の一冊。

    読み終わったときの感動しながら知的興奮にとらわれるという
    精神状態は、病み付きになること必至です。

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    2009年10月04日
  • 八十八夜物語 1

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    ルヰのマスター仙田を中心にした「雨やどり」〜「新宿馬鹿物語」のシリーズが新宿を舞台にした一種後ろ向きな懐かしさを追った物語なのに対して、執筆時期がバブル期であったこと、掲載誌が女性誌であったことなどから前向きの女性の物語として結実したのが「銀座」を舞台にしたこの「八十八夜物語」主人公はある日、OLの生活に疑問を感じていきなり夜の銀座で生きていくことを考える。髪をシニヨンにしてバーのカウンターから始まって着実にホステスの階段を上がって行く物語。

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    2011年08月19日
  • 雨やどり

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    半村良さんの「酒場小説」の大傑作。バー「ルヰ」のマスター仙田を中心に、新宿のホステス・マダム・マスター等など酒場暮らしの面々の日常を描いた人情小説。

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    2011年08月19日
  • 完本 妖星伝(3)天道の巻・人道の巻・魔道の巻

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    自分的には25年目にして読破しました。6巻までは昔読んだんだけど、7巻(最終巻)がでるまでに11年もの間があったとは、、
     最後はとりとめのない話になってしまったが、二人の不受不施派の僧侶の禅問答、 考えさせられました。 人はなぜ生きるか。。
     オイラの答え。うまい物が食いたいから(^凹^)ガハハ

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    2009年10月04日
  • 完本 妖星伝(2)神道の巻・黄道の巻

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    ついに黄金の城を発見。だがそれはこの世では無かった。陋(ろう)と言われていて極界経に「時」とは何かを示す教えの一部とされている。 アインシュタインじゃないと わからないかも(笑)
     補陀洛人は地球のことを「ナラカ」(奈落)と呼ぶらしい。この世は地獄であったとは、、
     

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    2009年10月04日
  • 完本 妖星伝(1)鬼道の巻・外道の巻

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    邪悪の宗教の一団、鬼道衆。弾圧されつづけている日蓮宗不受不施派の僧。天下を取ろうと悪事をたくらむ田沼意次。極楽浄土といわれるポータラカ(補陀洛)という星からやってきた外道皇帝といわれる人たちが徳川が隠したと言われている黄金城を探そうとして始まる、序章。
     この本を読んでいて私の実生活にも不思議な事が次々と起こりました。
     おそるべし半村良(笑)

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    2009年10月04日
  • 雨やどり

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    ▼古き良き時代の新宿人情物語。▼これを読んで本気で、バーテンになりたい、と思いました。
    ▼それにしても半村良という作家は、会話文が巧い。

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    2009年10月04日
  • 能登怪異譚

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    名の通り、能登の怪異譚を集めたもの(作者の創作が多分にある気がするが)。
    中でもオススメは「箪笥」「雀谷」。
    能登の方言で全文書かれており、
    これが恐怖感、奇怪感を増幅させる。
    村上豊さんの挿絵は元々大好きだが、
    これほどまでにマッチする作品があろうとは・・・
    この本を「面白い!」と思える人は連絡下さい、
    飲み明かしましょう。

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    2009年10月07日
  • 石の血脈

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     始めての半村良。冒頭の銅線泥棒のところを読んでるときは、地味な話じゃないのかと心配だったけど、いきなり100メートルを6秒3で走る男(女?)が出てきてからは、バッチリ。アトランティス、暗殺教団なんかの大仕掛けもいいけど、一般人の生活から史実を元に想像を膨らませていくという「超」のつかない伝奇小説は、菊地秀行とかの最初から爆走しちゃってる「超伝奇小説」を読んでた身には逆に新鮮に感じられる。これ面白いよ。「ヴァンパイヤー戦争」とか「総門谷」とか、モロにこれの影響を受けてる感じだし、菊地秀行や夢枕獏の小説にセックスシーンが多いのはこの人のせいじゃないかという気がしてきた。
     柘榴のママが席を立つ描

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    2025年12月05日
  • 石の血脈

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    最初はミステリーかと思うようなはじまりで、
    様々な伏線が用意されていくが、
    古代文明に対する考古学や土俗信仰などをふまえてというかこじつけて
    途中からオカルトチックな展開になっていく。
    好きなジャンルだった。

    途中ミステリにありがちな冗長な説明的な部分も続くし、
    風呂敷を広げすぎて最後どうなるかと心配になるが、
    きちんと最後は哲学的落とし所があって、納得した終わり方でした。直接的な文章でわかりやすかったし、
    最後まで読んでみると退屈はしなかったです。

    人間の欲はどこまでも深い。
    権力(支配欲)、色欲、不死⋯
    権力と下層消費者(奴隷)では同じ価値観は共有しえない。
    けれど権力者は奴隷なしには

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    2025年09月18日
  • どぶどろ

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    この作品には、びっくりした。最初は、いわゆる「連作短編集」かと思っていたけれど、途中から長編になって、始めの短編の登場人物たちが、巧妙に交わりながら、登場しては、消えて行って、最後は、事件が解決してないのに、ぷつっと終わった感じで、「こういう終わり方もあるんだ?」と、感心してしまった。

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    2025年08月28日
  • 獄門首(ごくもんくび)

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    これは面白い!
    でも、続きが読めないなんて、「残念!!」としか言いようがない!
    僕は、半村良さん、と言えば、「SF」という印象だったので、時代小説に、こんな面白い作品があったなんて、思ってもみなかった。
    これからは、どんどん半村良さんの時代小説を読んでいきたいけど、新しい作品が読めないのは、かえすがえすも残念だ!

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    2025年07月09日
  • 軍靴の響き

    000

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    馬から落ちて落馬した

    低硫黄のインドネシア産原油って。
    インドネシア産石油の特徴が、硫黄分が低いのではなかったっけ。
    ちなみに硫黄分が多いのはイラン産とかになります。
    今日日硫黄分の除去技術は高いので、硫黄は石油の副生物で賄われてるそうな。
    硫黄はゴムの架橋とかに使われてますね。この時酸化亜鉛は必須。
    スポンジゴムはほぼ硫黄架橋。車のドアやトランク枠とかも発泡体ですね。
    TPEが増えてるみたいですが、これは例外。
    まあ、お好みで。

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    2025年05月17日
  • マンガ 続戦国自衛隊1

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    名作戦国自衛隊の続編

    名作戦国自衛隊の続編的な作りをしている作品である。戦国時代末期の世界に現代の自衛隊が飛び込んだらどうなるかを結構リアルに描き出している。ストーリーの舞台となる時代も関ヶ原の戦いの前夜という緊迫した時代なので大変に面白い。自衛隊も典型的な役所なので不慮の事態に対応できない という可能性は十分にありそうである。

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    2024年10月01日
  • 能登怪異譚

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    能登を舞台にした怖い…というか、シュールというか、不思議というか…そんな内容の短い話が能登弁の一人語りで書かれています。能登の方言がそのまま文章になっているので、最初はちょっとつっかえますが、脳内変換出来るようになればスムーズに入ってくるようになりました。そうすると臨場感が出てきてさらに楽しめた気がします。石川県民の強み(笑

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    2024年04月30日
  • 新装版 戦国自衛隊

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    タイトルのとおり自衛隊が戦国時代で無双する物語。
    タイムスリップものにある時代が変わる/変えるには深く触れず、自身の気持ちに直向きな印象を受けました。

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    2024年04月18日
  • マンガ 続戦国自衛隊1

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    世界観に困惑する

    漫画になると、首相の見た目ぇ……ってなる。
    艦隊毎タイムスリップ(?)する作品は他に有った様な気がするけど、なんだったか。
    矢が刺さったモブの見た目が結構えぐい。
    実際の自衛隊は、攻撃出来るのかとか突っ込んだら負けか。

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    2024年02月10日
  • 雨やどり

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    1974年の直木賞受賞作を含む連作短編集。新宿のバーテンダーが主人公。知りもしないのに1970年代の新宿歓楽街に想いを馳せてしまう。

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    2024年02月09日
  • 葛飾物語

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     昭和十八年から平成二年まで、葛飾は立石の長屋の人々が、故人の命日に集まっては酒を酌み交わしつつ往時を偲ぶ。しかし時は容赦無く過ぎていく。敗戦をむかえ、高度経済成長のなかでそれぞれが必死で生き抜いていこうとするが、年をとっていくことはどうしようもない。かつて集っていた面々が、ひとり、またひとりと旅立っていく。そして、あの酷い、誰も望まなかった戦争を始めた、とてつもなく罪深い者も下血して旅立ち、元号が変わる。土地に刻まれた人々の暮らし。人々は移り変わり、土地もまた姿を変えていく。誰の記憶にもやがて残らなくなっていく日々の営みは、しかし、かつて、その土地に確かにあったのだ。

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    2023年10月10日
  • 半村良“21世紀”セレクション1 不可触領域/軍靴の響き 【陰謀と政治】編

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    50年前の小説。書店にキャッチーな装丁で平積みにされているのを見かけるまで、半村良というSF作家を知らなかった。

    表題作長編2作と、ショートショートレベルの短編3編。エッセイ1編。
    メインはもちろん長編。
    SFなのかなと思っていたら、「不可触領域」の方がかろうじてSFテイストを残しているものの政治をからめたエンタメ小説。
    とりわけ「軍靴の響き」は、戦後における再軍備をめぐる社会シミュレーションのような感じ。
    重苦しいテーマだけれども、会話を使って飽きさせず、わかりやすく伝えてくる筆力は見事。さすが直木賞作家。
    戦争の記憶が我々よりも強く世の中に残っている頃の作品を、戦争が完全に対岸の火事にな

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    2023年05月04日