あらすじ
江戸の下町吹き溜まり、そこに降って沸いた怪事件。夜鷹蕎麦屋の親爺が切り口鮮やかな一刀のもと殺された。殺しの真相を追う平吉がたどり着いた真実とは?人気作家宮部みゆきに「いつかこんな小説を書いてみたいと思いました」と言わしめ、また彼女の長編時代小説『ぼんくら』のヒントともなった傑作。
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Posted by ブクログ
この作品には、びっくりした。最初は、いわゆる「連作短編集」かと思っていたけれど、途中から長編になって、始めの短編の登場人物たちが、巧妙に交わりながら、登場しては、消えて行って、最後は、事件が解決してないのに、ぷつっと終わった感じで、「こういう終わり方もあるんだ?」と、感心してしまった。
Posted by ブクログ
いにしえの名作なので、読んでおこうと思って。
途中で少し飽きてしまった。
丁寧な書き方をしているのだろうと思う。
1冊の本の中でのつながり方が面白くて、こういう構成なのか、という驚きがあった。
Posted by ブクログ
宮部みゆき「ぼんくら」の原型。
一見無関係に見える複数の短編とそれに続く長編で一つの物語を成す。
宮部みゆきに比べてハードボイルド感が強く、シビアな結末となっているが、宮部みゆきによれば主人公は幸福だったとのことだ。
Posted by ブクログ
何も知らなければ、幸せなままでいられたのだろうか。
社会の裏側を知ってしまった平吉の結末がなんとも切ない。
小さな幸せでさえも、その陰には誰かの犠牲があるのかもなぁ。
「しあわせになる為には、いろんなことから目をそむけなくては・・・見て見ぬふり・・・」
Posted by ブクログ
半村 良氏は自分はSFしか読んだことが無かったのでへえ、時代物も書かれるんだ~と思い購入。読み始めたらとりえず最後まで一気読みでした。面白かったです。
途中まで短編集かと思ったんですがそのつもりで「どぶどろ」を読み始めたらなかなか終わらない(笑)なるほど、こういう仕掛けだったんだ、とその後気が付きました。
政治や世の中の暗く薄汚い面を覗き込んでしまった、首を突っ込んでしまった。その汚さに心底嫌気がさすのと同時に自分の無力さをイヤってほど痛感する主人公にはこういう結末しか残っていなかったのだろうか。何事も無かったかのように生きるわけにもいかず。はたして無知のまま生きていた方が幸せだったのだろうか。色々と考えさせられます。力強いお話だと思いました。
この頃東京の地理に前よりは明るくなったのでその辺りも読んでいて楽しかったです。