半村良のレビュー一覧

  • 能登怪異譚

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    半村良といえばSF作家のイメージだが、他にも夜の世界に生きる大人たちの人情を描いた『雨やどり』や本作の様なちょっとゾッとするフォークロアなどその守備範囲の広さに驚く。そしてとにかく読ませるのが上手い。

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    2023年01月25日
  • 雨やどり

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    「古き良き新宿」という知らない世界の話。かつてバーにはお姉ちゃんがいたらしい。キャバクラとクラブと分化してなかったとか。へーって感じ。
    抑制の効いた大人の人情話という感じで好きだった。男に騙されても女に利用されても、きちんと傷ついて泣いて悲しんで、そのうち元気になってまた人生頑張っていくという当たり前の営みが丁寧に描かれている。超然とした傍観者になりがちな狂言回しの仙田が現役のプレイヤーとして女で甘々なしくじりをしてしまうなど、少し意外な方向に展開するのが面白い。例えば『バーレモンハート』みたいな酒場ものを読んでいたつもりが、いつの間にか群像の中を彷徨い歩いており、周りを見回すと仙田ともはぐれ

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    2022年07月10日
  • 完本 妖星伝(3)天道の巻・人道の巻・魔道の巻

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    #日本SF読者クラブ 読んだのは、第6部人道の巻まで。単行本でいうと第6巻にあたる。第7部魔道の巻は、作者自らも言っている。異質だと。いろんなレビュー等を見ても、付けたしだとか第6部で終わっているとか書かれている。自分も第6部できれいに終わっていると思う。そういうことで、以降は読まないことにした。

     描かれているのは「宇宙と生命の摂理」。うーん、よくわからん。それと松本零士版の妖星伝の続きが読みたい。無理だろうなけど。

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    2021年01月13日
  • 完本 妖星伝(2)神道の巻・黄道の巻

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     分厚い完本版第2巻。#日本SF読者クラブ 補陀洛人である外道皇帝は、己の血を長い時間人間に潜ませ、その子孫として再生する。まるで横山光輝のバビル2世かヨミのようだ。宇宙人は皆同じようなことを考えるのか。砂の嵐こそないものの、「隠された黄金城」が登場する。そして外道皇帝キラーであるはずの天道尼が鬼道衆のXXX攻撃で…。

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    2020年11月06日
  • 完本 妖星伝(1)鬼道の巻・外道の巻

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     「外道皇帝」、なんともラスボス感あふれる響き。 #日本SF読者クラブ 完本文庫版全3冊。いづれも分厚くて、ネガティヴ思考で手つかずの積読状態だった。産霊山秘録を読み直したのをきっかけに、意を決して読み始めた。

     松本零士版の妖星伝は読んでいたのだが、こんなに厚い本で、エロ満載だったらどうしようと、余計な(?)心配をしていた。たしにエロ描写もあるが、心配したほどでもない。文章は読みやすく、本の暑さは気にならない(もともと全7巻)。「鬼道」は出てくるが、鬼は登場しない。少し間を空けてから2巻目に。

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    2020年10月17日
  • 岬一郎の抵抗 1

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    平凡なサラリーマンが、あれよあれよという間に超次元の戦いに巻き込まれていく。
    先の読めない展開で、ページをめくる手が止まらなくなる。

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    2020年09月02日
  • 雨やどり

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    半村良さんといえば伝奇ものが有名だけど、こういう人情物が捨てがたい。
    「忘れ傘」と本作「雨やどり」が一体となっている気がする。
    新宿のBarを舞台に繰り広げられる人間模様、エアコンが程よく効いているのに湿度が感じられる作品、何度読んでも飽きない。

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    2020年08月01日
  • 太陽の世界 18 選ばれざる者

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    シリーズ18巻、最終巻だが、全く面白くなかった。半村良氏は、この後どんな展開を構想されていたのだろうか?よくわからない。ぜひともこのシリーズの続きを書いてもらいたかったが……。なぜかこの18巻だけが、私にはよく分からない。つまり面白くなかった。と言っても昔の作品なのだが……。と超速読みでは思ったが、再度ゆっくり読んで見ると、なかなか面白かった。シリーズ17巻のその後の新しい展開となっている。
    ブリンコ軍を撃破したアムの鳥人カゲルが、3国の聖王マール王となったその後の世界。タリム国の田舎の村長の末息子タルボの成長とラ・ムーへの限りなくあこがれ。その為に、ネプトの船団へ乗り込みラ・ムーを目指す物語

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    2020年06月20日
  • 完本 妖星伝(3)天道の巻・人道の巻・魔道の巻

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    最後は夫婦二人でしっぽりと、鬼道衆のことなんか忘れて…てはならんかった。
    その後の魔道の巻が濃ゆすぎ。
    人類どころか宇宙、生命力の謎まで思想を語り尽くす感。
    半村さんの言いたいことをストレートに書いた怪書。

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    2019年11月17日
  • 完本 妖星伝(1)鬼道の巻・外道の巻

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    鬼道衆の存在する意味とは。
    外道皇帝の正体とは。
    どうやら徳川家、に止まらず人類誕生、さらに生命の意味まで更新してしまう存在のよう。

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    2019年11月10日
  • どぶどろ

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    いにしえの名作なので、読んでおこうと思って。
    途中で少し飽きてしまった。
    丁寧な書き方をしているのだろうと思う。
    1冊の本の中でのつながり方が面白くて、こういう構成なのか、という驚きがあった。

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    2019年10月30日
  • 小説 浅草案内

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    コレよかったなぁ。

    空気感が伝わる。

    浅草に歩いていける(がんばれば)
    下町暮らしを始めて10年以上。
    お祭のあり方。
    島内⁉︎村内のおじさま方々。
    美味しそぉ。

    いとうせいこうの解説もよかった。

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    2019年08月13日
  • どぶどろ

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    宮部みゆき「ぼんくら」の原型。

    一見無関係に見える複数の短編とそれに続く長編で一つの物語を成す。

    宮部みゆきに比べてハードボイルド感が強く、シビアな結末となっているが、宮部みゆきによれば主人公は幸福だったとのことだ。

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    2019年04月05日
  • 小説 浅草案内

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    サラリーマン一家で育ち自分も会社勤めで、まして転勤族な上に海外でも暮らしたような人(僕とか)には、実はこういうのって一種、SFのような神話性がある気もする小説です。

    半村良、というとSF小説家だという偏見がありましたが(素直な意味での)、これはなんというか、「山口瞳風の正統派人情現代劇(書かれた当時の)」。
    山口瞳さんの小説が分からない人も多いと思いますが・・・。
    ある時期以降は椎名誠さんもこういう人情モノ書いてたかなあ・・・。

    1988年の本だそうで、まあバブル時代ということなのでしょうか。
    語り部の「私」が浅草に引っ越してきます。小説家で、中年の男性、独身。
    浅草の近くで育ったけど、

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    2019年12月29日
  • 石の血脈

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    ヴァンパイヤから狼人間、メガリス、宗教の発足といった要素をこうもうまく説明しえる説…まさに小説。こういうプロセスを経るなら、不死者が今も世界に数人くらいはいても不思議ではないのかも、と思える。

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    2018年03月11日
  • どさんこ大将(下)

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    半村良『どさんこ大将 下』集英社文庫。

    戦中から戦後の北海道を舞台に快男児・山丸常義の成長と活躍を描いた熱血冒険小説の下巻。なかなか面白い。最近はこのような骨太の小説に巡り会う機会が減ったことを痛感した。

    下巻では常義の青年期が描かれる。土方の石田組の小頭となった常義は痛快無比の活躍を見せ、やがて山丸組を立ち上げる…

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    2017年12月05日
  • どさんこ大将(上)

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    半村良『どさんこ大将 上』集英社文庫。

    戦中から戦後の北海道を舞台に快男児・山丸常義の成長と活躍を描いた熱血冒険小説の上巻。なかなか面白い。

    幼き頃から比類のない腕力と闘争心、統率力を発揮し、裸一貫、腕と度胸で立ち向かう凄絶な生き様…

    この先、どんな展開が待ち受けるのか。

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    2017年12月05日
  • 雨やどり

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    『新宿馬鹿物語』
    おさせ伝説
    ふたり
    新宿の名人
    新宿の男
    かえり唄
    雨やどり
    昔ごっこ
    愚者の街

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    2017年10月15日
  • 石の血脈

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    初めて読んだ半村良の作品。
    自身の嗜好に合っており、これをきっかけに数冊半村良の作品を購入してしまった。
    内容はSFっぽいフィクション。

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    2017年08月15日
  • 岬一郎の抵抗 3

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    ネタバレ

     現代に突如として超能力者が現れたなら、そのたどる道はイエス・キリストの様に殉教者として世界から葬られる。新しい力は旧人類には脅威であり敵でしかない。世界を破滅させる力を持つ岬一郎のラストは、まさにイエス・キリストのオマージュだった。

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    2017年08月11日