半村良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「古き良き新宿」という知らない世界の話。かつてバーにはお姉ちゃんがいたらしい。キャバクラとクラブと分化してなかったとか。へーって感じ。
抑制の効いた大人の人情話という感じで好きだった。男に騙されても女に利用されても、きちんと傷ついて泣いて悲しんで、そのうち元気になってまた人生頑張っていくという当たり前の営みが丁寧に描かれている。超然とした傍観者になりがちな狂言回しの仙田が現役のプレイヤーとして女で甘々なしくじりをしてしまうなど、少し意外な方向に展開するのが面白い。例えば『バーレモンハート』みたいな酒場ものを読んでいたつもりが、いつの間にか群像の中を彷徨い歩いており、周りを見回すと仙田ともはぐれ -
Posted by ブクログ
シリーズ18巻、最終巻だが、全く面白くなかった。半村良氏は、この後どんな展開を構想されていたのだろうか?よくわからない。ぜひともこのシリーズの続きを書いてもらいたかったが……。なぜかこの18巻だけが、私にはよく分からない。つまり面白くなかった。と言っても昔の作品なのだが……。と超速読みでは思ったが、再度ゆっくり読んで見ると、なかなか面白かった。シリーズ17巻のその後の新しい展開となっている。
ブリンコ軍を撃破したアムの鳥人カゲルが、3国の聖王マール王となったその後の世界。タリム国の田舎の村長の末息子タルボの成長とラ・ムーへの限りなくあこがれ。その為に、ネプトの船団へ乗り込みラ・ムーを目指す物語 -
Posted by ブクログ
サラリーマン一家で育ち自分も会社勤めで、まして転勤族な上に海外でも暮らしたような人(僕とか)には、実はこういうのって一種、SFのような神話性がある気もする小説です。
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半村良、というとSF小説家だという偏見がありましたが(素直な意味での)、これはなんというか、「山口瞳風の正統派人情現代劇(書かれた当時の)」。
山口瞳さんの小説が分からない人も多いと思いますが・・・。
ある時期以降は椎名誠さんもこういう人情モノ書いてたかなあ・・・。
1988年の本だそうで、まあバブル時代ということなのでしょうか。
語り部の「私」が浅草に引っ越してきます。小説家で、中年の男性、独身。
浅草の近くで育ったけど、