半村良のレビュー一覧
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購入済み
70年代の感覚
マッチポンプで東南アジアでの油田確保のために自衛隊を派兵してゲリラと戦わせて国内では自衛隊を国軍にする動きを止める動きがあってこれが正義の味方というのは烏賊にも70年代の感覚かなあ。現代では問題は極東であり侵略者は日本ではないと状況は全然違いますからね。現代の読者にはちょっと同意出来ないんじゃないかと思いました。
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Posted by ブクログ
半村良師匠の妖星伝を手に入れて読んだのは学生の時で講談社文庫だった。
勿論6巻の人道の巻まで読み切り結末は栗山の寿命が尽きお幾が看取ることで終わりかと平易な舞台に安心していた。
後に講談社文庫を処分し単行本を揃えエッセイ集「げたばき物語」で妖星伝完結編についての一文を読み6巻の先を模索していたことを言及していたことに驚いた。エッセイ集の対談で御本人は「俺は終わったつもり。担当が最終巻の告知を出したから構想を明かした」と相手に語っていた。
まさか18年後、小説現代で完結編が連載され、魔道の巻が発売されることになろうとは…
天文書の様な7巻を読み、各氏との対談を読み、やがて祥伝社文庫の「完本 妖星 -
Posted by ブクログ
表題作は今から40年前の直木賞受賞作らしい。半村良の伝奇SFを好んで読んでいた時代があったが、まだ若かった故に、本作のようなオトナの世界を描いた作品には手を出さなかった。まあ、あの時代に読んでとしても面白さは解らなかったと思う。
何とも良い雰囲気を醸し出している連作短篇集である。新宿の歌舞伎町でバーのオーナー兼バーテンダーの仙田を中心に様々な人間模様が描かれる。
最初の短篇『おさせ伝説』はエロチックな伝説SFのような結末で、この作品全体がこのトーンで進むのかと思ったら、『ふたり』からしっかりとオトナの世界が描かれる。やはり、表題作の『雨やどり』が絶品。ラストに見せた男らしい未練の描写はなか -
Posted by ブクログ
この表紙じゃないんだよなあ。角川の横溝正史と半村良の素晴らしい表紙はもっと評価されるべきだと思う。
さて、長いし内容も重いんだけど、これぞ半村良の集大成というべき作品だ。100mを6秒台で走る謎のミイラ人間、暗殺教団とアトランティスから続く巨石信仰。
その辺でしばらくスタックされ、退屈な話で終わるのかと思いきや、古今東西の政財界を牛耳る謎の集団、古代ヨーロッパの石像が出てくる意味、世界各国の吸血鬼伝説に奇病に伝播メカニズムと、てんこ盛りの上のてんこ盛りで、良い意味で半村良らしい展開となる。幕切れもよくあるコンパクトなオチになっていないあたり、非常に良い。
全般に、知識をこれでもかと登場人 -
Posted by ブクログ
能登の言葉?
最初、とっつきが悪かったんですが、すぐに気にならなくなって。
短編集って沢山読むと、「あれ?この話、どんなのだっけ?」
ということがよくありますが(え?私だけ?)これは忘れられない
話のオンパレードです・・・とここまで書いて、ふと思った。
翻訳ものを読むことが多いのですが、原題と邦題が違うものが
かなりあります。ひょっとすると、その邦題が今ひとつなのかも。
登場人物たち自身は淡々と生きているだけで怖い思いを
していない話って、こちらの怖さは倍増しますねー。
■箪笥
なんで箪笥の上にいるのかわかんないのが怖いっ
しかもね・・・
■蛞蝓
ナメクジと言えば塩。でもこの、蔵で