半村良のレビュー一覧

  • 炎の陰画

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    短編って並べ方にも技ありですね。

    前半は(怪談「箪笥」はさておき)戦後の重く深いけれど地味な「白鳥の湖」「森の妹」「ちゃあちゃんの木」が続き、野坂昭如読んでるような気分に。

    ここに、芥川の「地獄変」を思わせる表題作があって、一転!

    筒井康隆ばりの「逃げる」「散歩道の記憶」と続き、SFの文字が散見して、ああ、半村を読んでいたんだった、と落ち着きました。

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    2014年10月05日
  • 産霊山秘録

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    先年、集英社より再刊されているのは、気づいていた。出張先の横浜は日吉駅の書店で積み上げられているのが目に留まる。おお、これならば読み返せそう。

    頻度は多くなかったが、これまで復刊されるごと、幾度となく読み返してきたもの。今回、そのインターバルは長く、ストーリの詳細は頭から抜けきっていた。今の年齢で再読してみても、やなり超特の面白本との感想に変わりはなし。本能寺の変の意味付けを天皇制の擁護としたのは、本書が嚆矢ではなかったか。そういやあ、只今の大河ドラマも同じだった。

    SF小説が現在よりも更にマイナーなジャンルだった頃に、SFの定番的手法を網羅して綴られた時代・伝奇小説であり、尚かつ大衆小説

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    2013年06月17日
  • 完本 妖星伝(1)鬼道の巻・外道の巻

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    最初は歴史ファンタジーかとも思ったが、じわじわとSFの醍醐味にはまっていった。これからの展開が楽しみ。

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    2013年01月18日
  • 石の血脈

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    ミステリーと伝奇小説が混在した作品。
    ある策略が判明するまではミステリー、
    その後は伝奇系に色が変わります。

    これは人の消えることのないある欲求が
    テーマとなっております。
    それがために多くの人が犠牲になり
    隅田の周りの人もこの陰謀の駒となります。

    ですが、それに異を唱えるものの
    工夫した行動によりその計画は
    悪い形ではあったものの
    消し去られます。

    でも、すごく悲しい物語。
    人の欲は時に暴走します。
    なのでこの本を読んだ後
    今あがっている大きな問題を思い起こさずには
    いられませんでした。

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    2012年09月30日
  • 湯呑茶碗

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    20年も前に出版された本なのに、まさに今の現実も変らずの感。20年前に読んでおけば良かったとつくづく思う。

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    2012年09月30日
  • 新装版 戦国自衛隊

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    この本は実はページ数は少ない本なのです。
    でもその文章の濃さには驚かされるに違いありません。
    そしてありえない設定ながら
    違和感なく読ませてくれるその文のすごさ。
    本当に亡くなってしまったのが惜しいぐらいです。

    とにかく見ものなのは
    戦国の世の中で兵器が大いに活躍するさま。
    イラスト(新版にはあるのか?)もまた
    盛り上げてくれるのですよね。
    これだけで読んでもいいぐらい。

    結末はちょっとうやむやですが
    この本にはふさわしいのかもしれません。

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    2012年06月13日
  • すべて辛抱(下)

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    貧しい農村から江戸に出て来た2の男の子供。
    時代を読む力により出世していく様。
    廻りの人間との関係が描かれていて、人情が伝わる。

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    2012年04月16日
  • 完本 妖星伝(1)鬼道の巻・外道の巻

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    何回も読んでます。感銘を受ける人と拒否反応を起こす人に分かれるかもしれません。感銘を受けるとひねくれる恐れあり。要注意図書。今の日本の現状を見ながら再読していると日本民族の分析もとても鋭かったんだなとおもいます。

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    2011年12月18日
  • 能登怪異譚

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     大人がよ読んでも怖くはありませんが、とても面白い話ばかりです。
     
    ちょっとダークな、というかかなりダークな「まんが日本昔ばなし」をイメージしていただければ思います。

     実際、挿絵画家も「まんが日本昔ばなし」の方ですし。

     なんかあのナレーションが聴こえてきそうです。

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    2017年08月15日
  • 石の血脈

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    イスラムの暗殺教団、アトランティス、巨石信仰、人狼、吸血鬼、永遠の命、サンジェルマン伯爵。
    SF・伝奇モノの定番プロットがぎっしり詰まったミステリーの傑作。
    どのネタも今では手垢がついた感じだけど、これが1971年に発表されたというのが驚き。

    密度の濃いストーリー、骨格のしっかりしたキャラクター。
    今どきの小説にはない無骨だけどストレートなエネルギーに押されて一気に読まされてしまいました。

    中盤以降、提示された謎に登場人物ひとりひとりがパズルのピースのようにパチリとはまっていく展開に目が離せなくなります。
    頁を繰る手が止まらなくなる、まさにページターナー!


    ※男女の描写が相当エロいので

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    2011年01月17日
  • 岬一郎の抵抗 1

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    10年以上前に一度読んで、強烈に印象に残っていた作品を、もう一度読んでみた。初版は1988年出版され、日本SF大賞を受賞している作品だそうだ。昭和の匂いがプンプン漂う下町の人情話と、無敵な超能力者という奇妙な取り合わせだが、全然無理は感じない。

    何の変哲もない下町にアパート暮らしする平凡なサラリーマン岬一郎が、ひょんなことから超能力を発現し、次第に力を強大化させていくストーリーだ。岬一郎は、超能力が社会に及ぼす影響を恐れ、自らを律し能力の行使を封印する。だが、社会は過剰に反応し、次第に岬一郎を排除する方向へ動いていく。

    といったあらすじだが、主人公はこの超能力者岬一郎ではない。同じ町内で小

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    2010年09月28日
  • 新装版 戦国自衛隊

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    歴史のもしも話。これがこうなっているのかー、と、実に楽しく読ませていただきました。
    それにこんなに薄いのに、十分な読み応え。著者の創作のすごさに感心しました。

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    2010年07月08日
  • 新装版 戦国自衛隊

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    現代の自衛隊が戦国時代にタイムスリップしてしまう。ヘリコプターや戦車などいろいろな現代の武器などをどのように使っていくかなど面白く読めた。

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    2010年01月30日
  • 異邦人

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    私が今まで読んだ小説の中でベスト10に入る作品です
    前半は普通のストーリーなんですが、文章に引き込まれ
    中盤あたりから不思議な展開に・・・その頃には文字をスラスラ読むというよりも頭の中で映像としてイメージが湧き出てくる感じです
    どんなにいい作品でもラストに私はこだわるのですが、ラストも最高の出来栄えだと思います
    古い小説ですが、是非読んで欲しい作品です

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    2009年10月04日
  • 完本 妖星伝(3)天道の巻・人道の巻・魔道の巻

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    世が世であれば【世界三大奇書】とでも呼ばれたであろう壮大な物語。男女の愛から宇宙の存在までを一つの物語で語りきる腕力は空前絶後。『人道の巻』最終章のDIMINUENDOは涙なくしては読めない半村節全開の人情小説。そして大詰め『魔道の巻』はついに宇宙の存立までを。半村さんはこの小説を書くために外道皇帝から託された作家だったのかもしれない。

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    2011年08月19日
  • 太陽の世界 1 聖双生児

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    失われた幻の大陸「ムー」の誕生から滅亡までの2000年の歴史を描く超大作の第1巻。
    完結まで全80巻…の筈だった。
    この作品は、半村 良氏が作品半ば(18巻)で他界された為、未完の大作となってしまった。

    もうね。
    もの凄く面白いのに、決して続きが読めないこのもどかしさ。
    余りにも悔しいので、他の方にも5点満点でお勧めすることに決定。
    お願いだから読んでください。
    そしてこのもどかしさを痛感してください。

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    2009年10月04日
  • 石の血脈

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    国枝史郎、山田風太郎の系譜を引く伝奇小説。
    半村良の小説の中でも群を抜く完成度を誇っている。
    吸血鬼の設定を日本に持ち込むとこうなる。
    犬神伝説や不老不死の伝説とも絡めてとても興味ぶかい。
    SFXの特撮の進化した現在、映画化が待たれる一作でもある。
    エロスやサスペンスもふくめて、一級のエンターテイメントである。
    なぜ『戦国自衛隊』ばかりが人気なのか、わけがわからない。
    半村良といえば、まず『石の血脈』か『妖星伝』である。

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    2009年10月04日
  • 能登怪異譚

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    【箪笥】―短篇。
    老婆による能登弁の語り口で、家にまつわる昔話。夜な夜な箪笥の上に座る家族。短いながらもその光景を思い浮かべてぞくりとさせられるのが面白い。(2008.12)

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    2009年10月04日
  • 完本 妖星伝(3)天道の巻・人道の巻・魔道の巻

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    半村良は、僕がファンになった最初の作家。映画・戦国自衛隊の原作者として知られているが、代表作をあげるならこの作品。田舎に単行本があるけど、また読みたくなってこの文庫本を購入。

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    2009年10月04日
  • 産霊山秘録

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    日本の伝奇小説の第一人者。歴史の影で暗躍する一族の物語。ここから恩田陸の遠野物語に繋がるものも感じます。

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    2009年10月04日