上念司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ上念司氏の日銀批判本。
日銀を批判しているところは基本的に他の著作とほぼ被るので、それほど目新しさはないが、なぜ日銀がこれほどまでにデフレ下でインフレ対策をするのかに迫っているくだりなどは面白い視点であり、純粋に読み応えがあった。
白川前総裁を「白川法皇」と名付けたり、タイトルにもあるように「日銀貴族」としてコケにするあたりはやり過ぎ感もあるが、日銀の過度の独立性によって言いたい放題、でもデフレ脱却はしませんというスタンスを、下部組織である日銀に対して政府も突き崩せない状況を端的に表しているという意味ではありなのかなとも思う。
ついでに、今後出す本の中でも良いので、白川前総裁が退任し、安倍首相の意向に沿った政策を推し進めてくれるであろう黒田新総裁になったとたんに手のひらを返すようになびいている日銀審議委員についても書いてくれると、さぞかし面白いのではと変な期待をしてしまう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「官僚はデフォで神」という言葉、ショッキングではありましたが、そう考えると世の中おかしい!訳が分かってもきます。偏差値の高い人が敬われ、そういう人たちの考えだけで成り立ってきた国家の病を解説した本。
金融政策の失敗に対し、日銀がとった態度;通貨を発行してもデフレ解消は無理⇒でも、欧米は通貨発行で解消済み⇒生産性への地道な取り組みが必要⇒だから、日銀は責任をとらなくていい、なんてどこまでいっても言い逃ればかりは、官僚を身近に持ち、育った私から見ても「うん、うん」とうなづける内容。
日本経済の脱却への道のり;日銀が硬貨を30兆円⇒政府が一万円札30億枚に両替⇒20万円/年の定額給付をマイルドな(=3~4%)インフレになるまで続けること -
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ネタバレとてもシンプルに日本経済の現状を看破している。
要約すると、
・日本は借金大国と言われているが事実ではない。
・300兆円の借金があることだけを取り上げられているが
550兆円の債権を持っているので純資産は250兆円。
これは世界一の債権国である。
・しかも借金の95%は日本国内からのもので、
そのほぼすべてが円建てである。
歴史上、自国通貨の債権で破綻した国はない。
・日本は経常黒字で、国内には借り手のいない資金が
大量に余っている状態である。
ギリシアとはまったく状況が違う。
・増税はインフレ時に投資や消費を抑制するために行うもの。
デフレ時に行うメリットはない。政府が増税したがる理由は
財務省内で増税は評価されるが増収は評価されないから。
と。なるほど納得することばかりだ。
むしろ減税して円をどんどん刷ってインフレターゲット
やったほうがいいような気がしてきた。 -
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ネタバレ「デフレは物の値段が安くなるからチャンス」、「円高は円が強い証拠。国益だ」といった経済常識の嘘をわかりやすく暴く本。
例によって学んだこと、確認したことをいくつか挙げると、
・インフレ=悪、デフレ=善、と考える人は、インフレやデフレで物価だけでなく、給料も上下するという認識が抜け落ちている。
・円高の原因は、円が強いからではなく、通貨供給量(発行量)が少ないため。
・「デフレは中国のせい」というのもデタラメ。日本より中国からの輸出入に頼っているアメリカや韓国ではすでにインフレ傾向にあるのに、日本だけデフレから脱却できていないのが何よりの証拠。
・「国債総額(借金)は約864兆円で、国民の借金は一人あたり678万円だ!」などという戯言で世論をミスリードする知識人が多い。864兆円という数字は総負債で、総資産(約475兆円)を引いた純負債は約387兆円。
さらに、日本国債の93%は国内で消化されているので、本当に返済すべきなのは約27兆円(387兆×0.07。国民一人あたりだと約22万円)だけである。
・昭和恐慌時の蔵相である高橋是清は、金本位制離脱により通貨量の上限を撤廃し、国債を日銀直受けにすることで通貨量を増やして供給することで世界一早くデフレから脱却した。
経済学の素養がなくても読めると謳っているだけに、かなりわかりやすい。一部知識人やマスコミの垂れ流すデタラメに流されないためにも、是非とも読みたい本。 -
Posted by ブクログ
上念氏の著作。少しデフレ脱却の方法に楽観的過ぎると思う。
量的緩和とインフレ目標を政府と日銀が併用しなければデフレの脱却は困難なのは理解できる。しかし、量的緩和には、ベースマネーの増加は期待できても、その積み上がった資金が民間経済に流れることは、経済的な活況がない限り異常に困難で、「資金需要」が生まれ難い。そこでインフレ目標の解除の時期を「時間軸」としてある程度の期間を設定するべきなのである。
量的緩和や信用緩和だけでは、ベースマネー銀行に積み上げられた中央銀行へ預ける預金量の拡大はあっても、マネーサプライが拡大する二までは時間がかかる。財政出動がともななわなければ、所得の拡大がないから、実物経済にまで影響が及ばないことになる。流通予備軍のお金が増えても、家計や企業にまでお金が回らなければ、物価下落をとめる力にはならないのである。これを防ぐには、政策当局のインフレ目標の設定によって、社会的なデフレ期待からインフレ期待が図られる必要がある。
しかし、この転換は転換を受け入れる側には多くの抵抗がある。就業者には、インフレよりデフレの方が受け入れやすい。というのも賃金が一定だと考えるからである。就業者の大半はデフレの期待を持つことに吝かではない。FRBは実質のインフレ目標はあるのだが、未だにインフレ目標を公表、政府との共同宣言を公表していない。これが足かせとなって、ディスインフレへと、流動性の罠≠政策金利がゼロで金利政策が効かない状態へと陥りつつあるのである。
高いインフレ率は所得が増えるという将来への期待を前提とし、また供給が戦争などにより設備が大量に破壊されたり、社会主義的に供給量が不足している社会ではインフレを強制的に価格統制によって押さえこんでいたりする社会が価格統制を外したり、民間経済に供給量以上に通貨が大量に供給され、かつ、インフレ容認を政策当局が採用するときに起きる。
資金需要は、失業率の低下による低下した設備の稼働率が向上、民間企業の内部留保の取り崩しによる設備資金への投入が始まってから起こる現象だ。それは上念も述べるとおり、デフレの脱却が始まって一年間か二年間後のことである。
さらにインフレ目標のインフレ率は、コアコアCPIーーー生鮮食品とエネルギー価格を除いた消費者物価の上昇率を2%以上においたうえでの設定でなければ有効に効かないとされる。
財政のフアイナンスとなるような長期国債の引き受けに、日銀は消極的である。池尾や池田などが金融政策と財政政策の差を解いて、禁じ手を打ってはいけないとしている。彼らは政策目標とその手段を混同しているか、長期の物価下落というデフレの原因を循環的な作用とみていないかもしれない。根本的にマクロの経済の見方が、違うのである。彼らのデフレの原因の説明を聞きたいのだが、どうも金融政策に財政政策を期待してはいけないとか、金融政策や財政の政策はマクロ経済の安定のために使われる「手段」であるはずなのだが、それを経済専門家としては、手段を目的化しているような気がしてならないのである。
話がずれたが、異常な円高は長期的な物価下落期待を社会の中に持ち込むシグナルとなる。所得の減少と支出の減少により物価下落が常態化している日本で、この圧力は想像以上に物価下落圧力と輸出企業の海外生産へのシフト圧力を高めるだろう。経済が縮小しているときの産業構造の転換は、必要以上の痛みをともなう。産業構造の転換は好況期に起きるのが、望ましいのだが、それもないのだから甚だしい痛みを構造の転換先の産業に与えることになる。 -
Posted by ブクログ
デフレ・円高のなにが悪影響で、今、この日本の不況について、問題提起と捉え方についてとても分かりやすく書かれた本。
今何が起きているのか、過去はどうだったのか、シンプルに整理したときにどういう事実が見えてくるのかが徐々に明らかになっていく内容で、とても腹落ちしやすく理解しやすかった。
難しい用語はなく、過去、学校の授業で習ったような用語が多く、それでも正しい理解にそろえるために解説もしてくれるので、自分の学生時代の学びがまさに生の情報として身に付く感じもする。
また、たとえ話も分かりやすく状況を身近に想像しやすい。
メディアや政治家の表現を鵜呑みにする事なく、多くの因果関係や利害関係を理解して自分自身の頭で考える力をつけるためにも、経済初心者にぴったりの入門書であろう。多くの人に読んでほしい内容だった。 -
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日本はずっとデフレである!
CPI(消費者物価指数)
基準年から離れれば離れるほど誤差が生じてくる。
CPIは高めに表示されてしまう。その原因は「代替バイアス・品質調整バイアス」
0.9%ほど高めに表示されてしまっている(by日銀工員)
+1.8%という研究結果も…(Christian Broda&David E. Weinstein2004. Defining Price Stability in Japan): A View from America)
日本の消費者物価指数
総合指数(通称:CPI)
生鮮食品を除く総合指数(通称:コアCPI)
食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合指数(通称:コアコアCPI)
海外の消費者物価指数
総合指数(通称:CPI)
食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合指数(通称:コアCPI)
見るべきは一番下!物価が乱高下するものはあてにならないから!