上念司のレビュー一覧
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ネタバレとてもシンプルに日本経済の現状を看破している。
要約すると、
・日本は借金大国と言われているが事実ではない。
・300兆円の借金があることだけを取り上げられているが
550兆円の債権を持っているので純資産は250兆円。
これは世界一の債権国である。
・しかも借金の95%は日本国内からのもので、
そのほぼすべてが円建てである。
歴史上、自国通貨の債権で破綻した国はない。
・日本は経常黒字で、国内には借り手のいない資金が
大量に余っている状態である。
ギリシアとはまったく状況が違う。
・増税はインフレ時に投資や消費を抑制するために行うもの。
デフレ時に行うメリットはない。政府が増 -
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・デフレ
→モノの需要が減りお金の需要が増えること。
・デフレの定義
→物価下落が2年以上継続している状態。
・通貨供給を唯一行わなかった日本。
リーマンショック以降、アメリカ・イギリスは3倍、ヨーロッパは2倍のお金を供給。「放置すると日本みたいになるぞ」と日本の失敗に学んでいる。
お金の量の差が為替レートに反映し、日本以外の国は通貨安になり円高のデメリットをもろに受けている。
・デフレは中国のせいか。
アメリカや韓国の方が日本よりも中国への貿易依存度が高いにもかかわらずデフレになったとは聞かない。中国からの輸入額の増減とインフレ率は相関性はない。
自国の金融政策の失敗を他国になすりつ -
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ネタバレ「デフレは物の値段が安くなるからチャンス」、「円高は円が強い証拠。国益だ」といった経済常識の嘘をわかりやすく暴く本。
例によって学んだこと、確認したことをいくつか挙げると、
・インフレ=悪、デフレ=善、と考える人は、インフレやデフレで物価だけでなく、給料も上下するという認識が抜け落ちている。
・円高の原因は、円が強いからではなく、通貨供給量(発行量)が少ないため。
・「デフレは中国のせい」というのもデタラメ。日本より中国からの輸出入に頼っているアメリカや韓国ではすでにインフレ傾向にあるのに、日本だけデフレから脱却できていないのが何よりの証拠。
・「国債総額(借金)は約864兆円で -
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上念氏の著作。少しデフレ脱却の方法に楽観的過ぎると思う。
量的緩和とインフレ目標を政府と日銀が併用しなければデフレの脱却は困難なのは理解できる。しかし、量的緩和には、ベースマネーの増加は期待できても、その積み上がった資金が民間経済に流れることは、経済的な活況がない限り異常に困難で、「資金需要」が生まれ難い。そこでインフレ目標の解除の時期を「時間軸」としてある程度の期間を設定するべきなのである。
量的緩和や信用緩和だけでは、ベースマネー銀行に積み上げられた中央銀行へ預ける預金量の拡大はあっても、マネーサプライが拡大する二までは時間がかかる。財政出動がともななわなければ、所得の拡大がな -
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デフレ・円高のなにが悪影響で、今、この日本の不況について、問題提起と捉え方についてとても分かりやすく書かれた本。
今何が起きているのか、過去はどうだったのか、シンプルに整理したときにどういう事実が見えてくるのかが徐々に明らかになっていく内容で、とても腹落ちしやすく理解しやすかった。
難しい用語はなく、過去、学校の授業で習ったような用語が多く、それでも正しい理解にそろえるために解説もしてくれるので、自分の学生時代の学びがまさに生の情報として身に付く感じもする。
また、たとえ話も分かりやすく状況を身近に想像しやすい。
メディアや政治家の表現を鵜呑みにする事なく、多くの因果関係や利害関係を理解して自 -
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日本はずっとデフレである!
CPI(消費者物価指数)
基準年から離れれば離れるほど誤差が生じてくる。
CPIは高めに表示されてしまう。その原因は「代替バイアス・品質調整バイアス」
0.9%ほど高めに表示されてしまっている(by日銀工員)
+1.8%という研究結果も…(Christian Broda&David E. Weinstein2004. Defining Price Stability in Japan): A View from America)
日本の消費者物価指数
総合指数(通称:CPI)
生鮮食品を除く総合指数(通称:コアCPI)
食料(酒類を除く)およびエネルギー