上念司のレビュー一覧
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『日本経済を滅ぼす「高学歴社員」という病』というタイトルにひかれて手にとってみました。
序盤から、「日本のタブーというか『常識』」にふれています。
(以下引用)
「誰も意見を言わないのに、何となく事がきまっていく」会社には「会議」という不思議な儀式があります。
(中略)利潤追及するという会社の目的は度外視されます。
費用対効果から考えたらとても正当化できない莫大な人的、時間的リソースが、
この儀式に費やされているのです。
(引用終わり)
多くの会社員(特に高学歴社員)は知っています。
自分達の会社の「仕事」って
「仕事のための仕事を増やしているだけで、会社の利潤には、全然貢献していないよ -
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このタイトルはやや語弊があって実際は、経済史・江戸時代編といったところ。歴史にストーリーを与えて解釈するのはマルクス主義の十八番だったけど、その影響もあって長らく日本では圧政&貧農史観で江戸時代は理解されていた。
一方歴史の教科書は、年表を文章にしただけの単なる固有名詞の羅列。そこで有効な武器になるのが経済史。実は江戸期の貨幣制度は、いまだ金本位制度の段階にいた西欧より進んでいたし、金融制度や生産体制の面から見ても、既に高度な資本主義を実現していた、というのが本書の主張でキー概念は通貨バランス。金貨銀貨に含まれる金銀の価値に縛られる金本位制では、経済が発展すると通貨供給量が不足しデフレ -
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著者自身が何か、統計操作が確実に行なわれている、
決定的証拠をもって分析したのなら、少しは納得しますが、
ただ新聞の一面を根拠に、論を展開していくのは無理があると思います。
誰の目にも明らかですが、中国の躍進は目覚ましい。
もともと、日本と政治制度も、国の成り立ちも全く違う国です。
始終権力闘争をやっている国ですから、自ずと、情報操作なんて、
行なっているに決まっています。ただ、それを外部の人間が批判して、
何か良いことあるでしょうか?
中国のGDPは公式では、既に日本の2倍以上になっています。
さすがに日本より下ということはありません。
フォーブス世界TOP500企業には、日本企業より、 -
購入済み
ワクワクする!
流し読みでしたが、江戸時代の人々が生活を、シゴトを楽しんでいた様子がありありと浮かんできて!とても楽しい気分になりました。もちろん勉強にもなりましたが、うまくフォーカス絞れば映画化も可能なのでは?
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1000兆円近い借金を抱える日本国が、実は500兆円もの金融資産を保持していることを明らかにしている点だけでも価値ある一冊。換金できないインフラや不動産も含めると800兆円もの資産をもっているらしい。なんと、日本国の財政はほぼバランスしていた!
…ということで、日本財政を安泰とするのが本書の趣旨なのだが、それは本当なのかねぇ?アベノミクスの礼賛も行き過ぎている気がするし。政府は人間と違って不老不死だから、国債を永久に借り換えることができるってのは、かなり幼稚なレトリック、あるいは机上の空論でないのかねぇ?もちろん金融緩和でデフレ脱却と景気回復を実現する必要はあるとはいえ、そのうえで財政健全化は -
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上念氏による「経済で読み解く歴史シリーズ」の第三弾です。今回は私が長年興味を持ち続けている「織田信長」を経済の面から解説しています。
中高で学習した、かすかな記憶では彼は先駆けて、楽市楽座の導入(既得組織の座の解体)、関所の廃止等があったと思いますが、この本ではなぜそのような政策をとったのか、また果たしてそれに独自性はあったのかが事実とともに解説されています。
信長といえば「比叡山の焼討」が有名で、宗教弾圧を行ったイメージがありましたが、その時代に比叡山をはじめとする宗教勢力の既得権益を保持する体制が世の中にどのような影響を与えていたかもこの本では解説されています。現代人の感覚からすれば、 -
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いつの時代でも、重要な価値観、衣食たって礼節を知る。
国民経済をしっかり維持発展させることが、無謀な戦争に巻き込まれないようにするための為政者の鉄則だ。
金本位制、基本的に金の保有量でもって、通貨の量を調整する、そんなことでもって、無限な人間の欲得から発する経済活動をコントロールできるわけがない。
デフレを生じさせ、国民生活の困窮、経済の不安定化、そのことが、危険な思想でもって、国の政策を誤らせてしまう。
なんで、あの時代の人々は、そんな危険思想に毒されてしまったのだろう?
衣食たって礼節を知る状態の人々からしたら、アンビリーバブルなことが起こってしまったのだ。
この本は、いままで、習った所謂 -
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▼第2次世界大戦に到った経緯を金融経済の視点からザックリ考察していった良書です。経済知識のない人でも理解は難しくないと思います。
▼ザックリ言うと、人間は余裕がある時は過激に思想には簡単にはなびかない。貧すれば鈍す。社会も同じく景気が悪くなると単純化した過激派の勢力が大きくなる。
▼大戦前アジア・ヨーロッパのお金がアメリカに集中する仕組みになっていた。アメリカに集中し過ぎてアジア・ヨーロッパが不景気になった。
▼不景気により日本では共産党、ヨーロッパではナチスとコミンテルンが勢力を伸ばした。不景気
を打破する為に破壊的創造などの過激なスローガンが持て囃された。
▼地政学的に大国は大国で -
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この本はネットで見つけた本なのですが、タイトル名を構成している「本当は世界一の日本経済」という文言に目を惹かれました。この本の著者は今までに何冊か読んできているので、いい加減な内容ではないと信じて読みました。
このタイトルには、その前に枕詞があり、それが、「財務省と大新聞が隠す」とあります。最近の新聞は会社に置いてあるので見ますが、時々、誤解を招く表現やグラフが描かれているのを見ることがあり、筆者の上念氏は、あのような事を言っているのだなと思いました。
今までの本でも、日本経済は実質世界一である、と主張されていましたが、この本では、最近のデータに基づき、各国との比較で書かれて、面白かったで