上念司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
このシリーズのいつものごとく、タイトルに出てくる大東亜戦争への流れは後半の終わりの方まで出てきません。
第一次世界大戦までの世界の情勢と経済の変動から大戦後の各国の動き、『金本位制』の始まりとそこからの脱却が主な軸です。
この本が発売されたのは2015年2月ですが、2019年5月現在も、この本の終盤に書かれている状況はあまり変化がありません。 未だに増税やむなし論を強弁している人たちにはどんな思惑があるのでしょうか。
民主党政権下の経済政策の論調と大東亜戦争突入前に経済失速させた連中の言ってることが同じなので政策失敗は当然だが、なぜ今の自公政権も同じ轍を踏もうとしているのか理解に苦しみます。
やはり内部に暗躍している何者かが居るのかなぁ。 -
Posted by ブクログ
過去に起きた様々な事件、国や組織による諜報活動、それによって何が引き起こされたのか。 主にソ連、中国、アメリカ、日本の歴史の裏側を様々な資料から経済の動きと絡めながらあぶり出していく。
この本が書かれたのが2012年。5年以上前に書かれた本ではあるが、ここで書かれているあまりよろしくない状況にい2018年の今現在なりかけている感じがする。
ここに紹介されている工作活動の手順よんでて、過去を振り返るとそういえばこれに近いことは結構あったなぁと背筋が寒くなった。あのシナリオのかなりヤバイ所まで進んでしまった印象。
しかしこれが書かれた年より遥にネット環境が発達しているので、その環境をある程度使いこなせていれば情報の入手先の選択肢が格段に広がっている。
ここまで急速にネット社会が進んだお陰で、日本の国民が騙されにくくなったのでシナリオ通りにいかなくなって何とか踏み止まることが出来、危機から脱するチャンスが巡ってきているのではと思わずにいられない。
この機を逃すとまた工作活動が進み日本のお先は真っ暗になるのではなかろうか。
終章の「何・特」「誰・特」の考え方は、身近なトラブルにも有効だと思うので読んでおいて損はないよ。
これを読んで少しでも危機を感じるか、誇大妄想だと思うかはその人次第。 -
Posted by ブクログ
この本、著者曰くシリーズの中では最速でタイトルに合った人物が出てきたらしいけど、シリーズのコンセプトとしてそこに行きつくまでの周囲の事象と経済的な流れを丹念に描こうとしているってな事なので、なんだかんだで織田信長の登場は最終章です。
そうは言っても、そこまでの流れが面白い。 寺社勢力の強大さや怖さ、どのようにして経済的にそれまでの権力に関わってきたかがよくわかる。 教科書読んでるだけじゃこの時代の面白さは判らないね。 経済だけがすべてではないけど、各勢力の行動原理の中に確実に経済問題は関わっていたのだろう。
意図的に信長を盲目的に称賛するのを避けているので、信長の有名エピソードも理論的に何がよくて何がダメだったかを解説しているので新鮮味がある。
あぁおもしろい。 -
Posted by ブクログ
明治維新とタイトルにはついているけど、著者もあとがきで謝っているように中身の9割は江戸時代w
教科書で習う歴史とは全く別の視点。
歴史の分岐点には常に経済的な理由も存在していたってのを、現在の経済学?を使って読み解いていく。
江戸時代が教科書で習うような貧しい大量の農民と一部の豪商と武士だけの世界ではなかったってのが判る。
著者が百姓と書くときは毎回しつこく(農民とは限らない)って書いているように、自給自足で貧しい農民の姿はそこには殆ど見られない。
でも考えてみりゃ、天災や飢饉からの復興でも戦争でも何かをするにはそれを支える財源や物資が必要なんだから、自給自足で米作ってるだけじゃ成り立たないわな。
こういう本を読んで歴史小説読んだり大河ドラマをみたりすればより一層楽しめそう。
そしてますます古文書が読めると楽しいんだろうなと思った。 -
Posted by ブクログ
織田信長に関する本は何度も読んだことがありますが、どれも政治だったり軍事の視点が多かったように思います。考えてみれば、同じ歴史でも、庶民や経済、宗教にスポットを当てれば、全く違う景色が見えるはずです。
この本はタイトルのとおり、織田信長を経済で読み解こうという意欲的な本です。ただし、織田信長の話はほとんど出てきません(笑)。室町から戦国時代の経済を詳しく説明することで、織田信長の経済的活動の意味を浮き彫りにしようとしていますので、1~6章までは、織田信長前の時代が描かれています。
7~8章は、さすがに織田信長について書かれていますが、この章だけ読んだのでは、残念ながら織田信長を本当に理解することはできません。ですので、織田信長の登場を待ちながら、6章までしっかり読み通すことをお勧めいたします。
この本を読み終わると、奇異に映った信長の行動が、実は緻密に計算されたものだということが分かります。世の中を変えてしまうほどの力を持っていた信長のことです、単に奇異で終わるはずがありません。歴史好きの方はもちろん、経済にお詳しい方もぜひ一読をお勧めいたします。 -
Posted by ブクログ
財務省が、自分たちのポチである大新聞を使い、情報コントロール、プロパガンダし、自分たちの好きなように税金を使いたいというメカニズムが分かりやすく書かれている本です。
せめて経済学部出身者が、もっと深くきちんと経済メカニズムを知ったうえで、経済政策を実践していかなければならないのに、なぜか東大法学部出身のものがトップ。
また、きちんとした経済分析情報を流通させなければならないのに、思考停止し、ポチとしての機能だけ発揮する大新聞のていたらく。
しかしながら、財務省もさすがに経済活動上生じてしまう事実・データは改ざんできない。
自分たちに不都合な情報は、見えにくい状態で発信する。
笑ってしまったのは、ギリシャ危機と日本経済が同じだということの根拠である学説が、エクセルの操作を間違え、重大な計算ミスがあったということ。
こんなニュースが、絶対日本では流通しません(笑)。
また、国際金融のトリレンマをきちんと適用すれば、明らかにギリシャ経済の破たんは証明できるのです。
最後に内容を紹介しておきます。
第1章 日本経済の実力と官僚・記者の実力
第2章 日本国の財政の嘘
第3章 税と金利と社会保障の真実
第4章 日本と中国とEUの近未来
あとがき 日本経済を貶める行為の本質
頭の中がホントすっきりする本でした(大笑)。 -
Posted by ブクログ
著者も最後に「ごめん」と言ってましたが、内容はほとんど江戸時代の話でした(笑)読めば読むほど、江戸時代はビジネスの天才がたくさんいたなと思ってしまいました。あと、学校で習った江戸時代はいかにも暗黒の時代であるかのように学び、でもなんとなくそれって違うよね~と思い始めていましたが、この本を読んでそれは確信に変わりました。
学校で学ぶ歴史はちっとも流れてないのよね。私はその不連続性が気持ち悪くて不満だったので、最近改めて歴史を学び直したいと思ったんですが、まさか歴史学者ではない人の著書で認識を改めさせられるとは思いませんでした。
NHKのBSプレミアムで放送している「英雄たちの選択」でも、歴史に造詣の深い他分野の方が多く出演されていますが、歴史学専門の方とそうでない方々との意見交換を見ているのが楽しいと思えるのは、この本を読んだ感覚と同じなのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
読みやすくて面白かった。何より、受験の際に丸暗記させられた江戸幕府による様々な政策が、経済の観点から脳内で結ばれていくのが面白かった。
明治維新が起きた理由を要約すると、以下の通りである。
江戸幕府は2つの問題を成立時から抱えていたとのこと。
1つは、石高制。食料である米が、役人への給料であり税金でもあったということ。にも関わらず、限りある資源である金や銀が貨幣として民間で流通していたということ。
もう1つは、幕府の徴税権が幕領にしか及んでいないにも関わらず、中央政府として日本全国を治めなければならなかったこと(災害の対応や公共投資など)。
幕府も諸藩もは何度もこれらに対して対策を行う。
例えば、貨幣を改鋳して限りある金貨や銀貨を見かけ上増やしてデフレ対策を行う。贅沢禁止をして、金貨や銀貨の海外流出を防ぐ。災害にかこつけて諸藩から所得税を取ろうとする。藩札を発行して貨幣量を増やそうとする。などである。
しかし、どれもこれも対処療法であったり既得権益の受益者から不評を買ったりして、頓挫してしまう。
幕府でできないなら自分たちでやるしかないぜ!と立ち上がって上記二つを解決したのが明治維新である。
幕府も各藩も財政難に苦しむしかない制度であったのに、何故長州と薩摩がな立ち上がれたのかは、強引であったけれども借金を全て踏み倒して、なおかつ砂糖専売などの違法取引によって儲けられたからである。これによって武器等を仕入れることができたようだ。
明治維新後の日本が成功した理由は以下の通りである。
1つは、江戸時代の日本が強い経済力を持っていたこと。例えば運送業や養蚕業などの発展によって自由化で大儲けする下地があった。
もう1つは、江戸時代の経済が極めて近代的なものに近く、民間レベルでは特に混乱が生じ得なかったこと。例えば需要に対して的確に生産するということや為替レートや管理通貨制度といったことは江戸時代では当たり前のことであった。
このため、明治維新後の日本経済は西欧に飲み込まれることなく発展することができたのである。
こうしたことを具体的に説明しようとすると、私が受験期に丸暗記させられた幕府の政策が登場する。
「なるほど!だからあんなことをやったのか!」
この感覚こそがこの本の面白いところである。主張が正しいかどうかを確認する知識は持ち合わせていないので、鵜呑みにするしかなく、すごく面白かったと感じた。