上念司のレビュー一覧
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明治維新とタイトルにはついているけど、著者もあとがきで謝っているように中身の9割は江戸時代w
教科書で習う歴史とは全く別の視点。
歴史の分岐点には常に経済的な理由も存在していたってのを、現在の経済学?を使って読み解いていく。
江戸時代が教科書で習うような貧しい大量の農民と一部の豪商と武士だけの世界ではなかったってのが判る。
著者が百姓と書くときは毎回しつこく(農民とは限らない)って書いているように、自給自足で貧しい農民の姿はそこには殆ど見られない。
でも考えてみりゃ、天災や飢饉からの復興でも戦争でも何かをするにはそれを支える財源や物資が必要なんだから、自給自足で米作ってるだけじゃ成り立 -
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織田信長に関する本は何度も読んだことがありますが、どれも政治だったり軍事の視点が多かったように思います。考えてみれば、同じ歴史でも、庶民や経済、宗教にスポットを当てれば、全く違う景色が見えるはずです。
この本はタイトルのとおり、織田信長を経済で読み解こうという意欲的な本です。ただし、織田信長の話はほとんど出てきません(笑)。室町から戦国時代の経済を詳しく説明することで、織田信長の経済的活動の意味を浮き彫りにしようとしていますので、1~6章までは、織田信長前の時代が描かれています。
7~8章は、さすがに織田信長について書かれていますが、この章だけ読んだのでは、残念ながら織田信長を本当に -
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財務省が、自分たちのポチである大新聞を使い、情報コントロール、プロパガンダし、自分たちの好きなように税金を使いたいというメカニズムが分かりやすく書かれている本です。
せめて経済学部出身者が、もっと深くきちんと経済メカニズムを知ったうえで、経済政策を実践していかなければならないのに、なぜか東大法学部出身のものがトップ。
また、きちんとした経済分析情報を流通させなければならないのに、思考停止し、ポチとしての機能だけ発揮する大新聞のていたらく。
しかしながら、財務省もさすがに経済活動上生じてしまう事実・データは改ざんできない。
自分たちに不都合な情報は、見えにくい状態で発信する。
笑ってしまったのは -
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著者も最後に「ごめん」と言ってましたが、内容はほとんど江戸時代の話でした(笑)読めば読むほど、江戸時代はビジネスの天才がたくさんいたなと思ってしまいました。あと、学校で習った江戸時代はいかにも暗黒の時代であるかのように学び、でもなんとなくそれって違うよね~と思い始めていましたが、この本を読んでそれは確信に変わりました。
学校で学ぶ歴史はちっとも流れてないのよね。私はその不連続性が気持ち悪くて不満だったので、最近改めて歴史を学び直したいと思ったんですが、まさか歴史学者ではない人の著書で認識を改めさせられるとは思いませんでした。
NHKのBSプレミアムで放送している「英雄たちの選択」でも、歴史 -
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読みやすくて面白かった。何より、受験の際に丸暗記させられた江戸幕府による様々な政策が、経済の観点から脳内で結ばれていくのが面白かった。
明治維新が起きた理由を要約すると、以下の通りである。
江戸幕府は2つの問題を成立時から抱えていたとのこと。
1つは、石高制。食料である米が、役人への給料であり税金でもあったということ。にも関わらず、限りある資源である金や銀が貨幣として民間で流通していたということ。
もう1つは、幕府の徴税権が幕領にしか及んでいないにも関わらず、中央政府として日本全国を治めなければならなかったこと(災害の対応や公共投資など)。
幕府も諸藩もは何度もこれらに対して対策を行う。 -
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通貨価値の安定とは、経済成長の“手段”であって、“目的”ではない。
紙幣というただの紙切れに信用という見えない価値を持たせるには、価値があるという裏づけを必要とします。今はその国の信用度合いですが、それまでは金でした。
金の量は制限があり、経済成長はほぼ無限に拡大していく中で、必ず通貨量とモノの需給差が出てきます。
ざっくり言うと、
モノに対し貨幣の量が『多く』なることをインフレ。
モノに対し貨幣の量が『少なく』なることをデフレ。
経済規模の拡大と共に、金の生産量が順調に伸びている時は、通貨量を増やすことが出来るのですが、横ばい又は落ち込むと通貨量が不足してくる。つまりデフレになる。
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勝間和代氏のブレーンとして知られる著者が円高・デフレについて優しく解説する。
著者は本書内でも断られているが、決して経済学をきちんと学んだわけではない。しかし、膨大な書籍を読み、その中から事象についてキチンとした根拠の示されているものを選び取りながら学んだことに基づいて本書を構成したそうだ。
その結論としてはいたってシンプルで、「良いデフレなんてない」こと、「円高も円安もすぎると良くない」ことを基本に、財政再建についても言及されている。
そこには、税率をあげても税収が増えない根拠も示され、結局のところデフレに陥っているならば早期にインフレ目標を設定し、その目標に到達するまで金融緩和を実施して緩 -
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ネタバレデータから読み取れる内容を元に経済政策を論じる三橋氏と勝間和代のブレーンとして知られる上念氏が対談形式で話を進めていく一冊。
もはや歯止めなく、実名でガンガン批判していくさまは人によっては小気味良く映るが、人によってはやり過ぎと映るだろう。しかし、それすらも計算の上で本書は構築されている。
それにしても、この二人が説いていたようなことが実際に「アベノミクス」として実行に移され始めるとたちまち円安・株高に振れ、この3ヶ月ほどは過熱気味な装いを呈している。つまりは、「金融緩和する」といった一言が大いなる期待を持って市場に迎えられ、支持されているということで、「列島強靱化」とあわせてデフレ克服に