上念司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
タイトルにもありますが、デフレと円高は自分にとって悪いのかどうかが判断できない状態だったのは恥ずかしながら事実です。デフレ下では借金は可能な限り減らして現金を持つべし、というアドアイスに従ったのが良かったのが今になってようやく分かってきました。
円高なのは日本の国力が評価されいているからと思い込んでいたのですが、日本円の通貨発行量が少ないから(p52)というのは大変ショックでした。
また戦後の日本においてハイパーインフレが起きたとばかり信じていましたが、そうではなかった(たった年率59%の上昇)事実を数値で見せられて(p129)愕然としました。
総額864兆円の国債は実質は27兆円になるという考え方(p164)は本当かなと思いましたが、国債についてはもう少し勉強すべきだと思いました。
以下は気になったポイントです。
・デフレとは、モノ全体の価格がこの先も下がり続けるという期待が世の中に蔓延している状態で、人々の意識に物価が下がる続けるという恐怖が刷り込まれていて、その恐怖から逃れられない現象を指す(p25)
・モノが売れない理由は、モノよりも欲しいモノ(お金)があるから(p31)
・物価が下落する分だけ、実質的な金利負担は増える、2009年8月の全国消費者物価指数:マイナス2.4%とすると、契約上は3%金利でも実質的な金利は5.4%となる(p41)
・企業がインフレが続く(継続的にモノが売れる)と確信できれば、労働力を安定的に確保しようとする、具体的には派遣社員の正社員化、女性待遇の改善、給料増額、社員寮完備等(p43)
・外貨はどんどん印刷されて量が増えるのに、日本の円は変わらないので、日本円だけ高くなるのは当たり前(p52)
・デフレは中国から安い輸入品が流入してきているというのはウソ、日本よりも中国からの輸入依存度の高い国がデフレになっていないのを見てもわかる(p57)
・インフレ、デフレは世の中全体のモノの量と、お金の量のバランスによって起こるので、いくら新製品をつくっても他の消費が削られれば何も変化しない、世の中に出回るお金の量を増やさない限り、デフレは解決不可能(p69)
・金融資産1億円以上保有している世帯は90.3万で、全体の1.84%、平均貯蓄額の中央値は500万円(p108)
・一般人にとっては、住宅ローン金利が預金金利よりも高くなるので、利上げは圧倒的にデメリットが大きい(p112)
・通貨発行を増加させると、いずれはインフレが起きてしまう、そうでなければ政府は毎年の支出に相当する全額を紙幣により調達することが可能(無税国家)となるので(p115)
・失業率3.5%というのは自然失業率と言われるもので、どんなに給料をもらっても絶対に働きたくない人の割合を示す(p118)
・ハイパーインフレの経済学での定義は、年率約1.3万パーセント(100円のジュースが翌年には130万円)である(p123)
・歴史上においてハイパーインフレの定義に合うのは、1)1923年のドイツ(1月に250マルクのパンが、3990億マルク)、2)2007年のジンバブエ(年率2.3億%)、3)ハンガリーの3つのみで、モノ生産量が極端に減少したことが引き金になっている(p126)
・1945年9月を基準とした自由、闇価格ベースの消費財物価指数は、1949年4月にピークとなり8倍となった、連続複利計算したインフレ率は月率で4.9%、年率で59%(p129)
・国内で作られたあらゆるモノの売上を表す便利な数字として名目GDPがある、実質でなく名目を利用する理由は、税金は常に名目売上値にかかるから(p136)
・2009年11月に財務省が発表した債務残高は864.5兆円、日本政府には475兆円の資産があるので純債務は387兆円(一人当たり678万円)、国民一人当りの資産が387万円なので、291万円となるが、国債の93%は日本国内で消化されているので最終的には相殺することで返済不要となり、本当に返済すべき総額は27兆円(p164)
・高橋蔵相の金本位制からの離脱により、通貨発行の上限撤廃、日銀の国債引き受けによる通貨発行量の増加により、昭和恐慌からの脱却が可能になった(p187) -
Posted by ブクログ
デフレがなぜ良くないのか?物価が下がればバーゲンセールが続くようなものなんだからむしろ良いのではないか?
経済の知識がない一般の私達は、あまりに世の中の経済に対して疎い。
その一例がデフレに対する考え方だろう。
「インフレは給料が変わらないのに物価が上がるので避けるべきだ」
とか
「心が豊かになったので、もうモノを消費する時代は終わった」
なんてことを考えたことがある方は是非この本を一読してほしい。そして僕みたいにもう一度本当にそうなのか自問してほしい。
筆者の書き方が非常に強い断定口調で書かれているため、「本当にそうなのか?」と疑がりたくなることも確かに多い。が、デフレを盲信したりインフレを絶対悪と見るよりは安全だ。
人口限界論で2010年の新書界に旋風を巻き起こした「デフレの正体」によく似た読後感である。こうした経済本は、あまりよく知らない人が見ると非常に影響を受けやすい。ある意味、劇薬のような本である。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
モノの値段が下がり続けると私たちの生活はどうなるのか?
日本が長期停滞から抜け出すためにはどうすればよいのか?
勝間和代氏の共同事業パートナーである著者が、経済学の知見に基づきながら分かりやすく解説。
[ 目次 ]
第1章 デフレと円高は恐ろしい―生活に与える諸影響
第2章 物価の動きをチェックせよ―デフレが進んだ理由
第3章 日本に無税国家が誕生する?―金融政策と金利のメカニズム
第4章 金ならある、心配するな―財政と財源を考え直す
第5章 歴史は繰り返す―昭和恐慌から学べ
第6章 今、やるべきことは何か―具体的な政策を実行せよ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
デフレと円高、というよりは、デフレが悪であることを徹底的に論じている。
本人も認めているが、経済に関する正式な教育を受けていない筆者だからこそ、素人にも解りやすい内容となっている。
あまりにも徹底した論点は、デフレが悪であるという認識を高められるとともに、逆に少々うたがりたくなる。
デフレを脱却するためには通貨の流通量を増やすしかないと主張する筆者であるが、通過の流通量が増えた事によりインフレを引き起こしたバブル崩壊後の健全な不況脱却に関する記述が無いのが物足りなかった。
デフレは経済に良くなく、緩やかなインフレこそが一番健全であるとは正当な論点だと思うが、ならばなぜ優秀な官僚たちがそれを実行しないのかについては、借金を嫌ったり、意味の無い根性論が好きな国民性が理由であるとしているま。だからこそ筆者自らもTwitterを利用した世論の誘導にも取り組むなどしており好感が持てる。 -
Posted by ブクログ
今朝はひどく喉が痛み内科を受診した。
そのうち体の節々が痛みだし、風邪症状がでてくる。
喉の粘膜が剥けて、痛いはずです、とのこと。はい痛いです。
職場に顔を出し、最低限の仕事を片付け帰宅。
年度末が近付くにしたがって、段々忙しくなってくるので
今のうちに休養をとることにした。
勝間さんのメルマガで紹介があったので、
先週購入した表題の本を読む。
日本の歴史を適宜紹介しているのがいい。
Use of History ね。
デフレの悪影響を概観し、統計の裏に潜む今のデフレを直視している。
統計は集計方法で簡単にメッセージが変わるので、
その意図を解釈できる基礎力が必要だと感じる。
消費者物価指数に変化がなければ実際には相当デフレの状態。
理由は、集計品目の代替品バイアス・品質調整バイアスがかかっているから。
実際には、-4.2%のデフレ状態で昭和恐慌やナチス・ドイツ時代の状況に似ているそうだ。
デフレ→失業者増・給与カット→GDP減→こんなデフレ時に消費税を上げると税収減
さらにこの負のスパイラルが促進される。おそろしい!
P.163の国債の説明が特に印象に残ったので書きとめる。
2004年の1億2779万人が日本の人口ピークで、以後は減少。
その減少率で最後の1人の日本人が2975年に存在するとし、
政府と国民が一体となるとみることができる。
B/Sが同一化し、相殺して雑損を計上して、おしまい!
という考え方ができる。とのこと。
国債だけの取引に限れば、
気が遠くなるほど精算を先送りすればいいという考えが成り立つという。
デフレから脱却するために、
マイルドなインフレが起きる施策が必要というのが筆者の提案。
詳細はP.204を参照。
1ドル=100円は超えないと話がはじまらないんだな。
・・・・・・・・・・・・・
ここ2.3日のギリシャショック・オバマショックで
円高というより、ユーロ・豪ドル・米ドル安が進行し、
がっかりしている今日この頃。耐えるしかない。
早期退職を募る企業がトップのニュースになるなど
暗い話題ばかりだな。 -
Posted by ブクログ
私は住宅ローンを申し込むにあたり、経済本をいくつか読みました。
私もこの本と同じように「デフレ」「円高」は「悪」と考えます。
(住宅ローンを持つ人はそのように考えて問題ないです。)
本書はなぜ「悪」なのかに関して書かれています。
私も多くの人に読んでほしい本です。
「デフレ」「円高」を肯定する政策は絶対に阻止すべきです。
しかし、この本の内容は簡単ではないと思います。
確かに経済の専門的な言葉を取り除いているかもしれませんが。
多くの日本人にとって国の借金・経済などは
あまり意識していないのではないでしょうか?
より簡単でないと「わかりやすい」レベルにならないと考えます。
本書の残念なところ
・城山三郎氏(私は初めて名前を伺いました)に関しての記述
小説が与える悪影響は城山氏の責任ではないのでは?
・新聞記事や報道に関する記述
日本の新聞や報道は事実だけを伝えることをしていません。
新聞が売れること、テレビを見てもらうこと
を考えると、
「悪いことはより悪く」、センセーショナルに
伝えなければ、インパクトがないのでは?
だからといって、それを責めるのはどうなのでしょうか? -
Posted by 読むコレ
今の日本経済を好転させるために、何が必要なのか。二人の論客が一致して唱えているのは、デフレ脱却。デフレさえ解消すれば、あらゆる経済問題は解決するとの立場。
では、デフレ脱却するには何をすべきかといえば、大規模な金融緩和と財政出動、二つセットでやることで始めて効果があり、どちらか一方ではいけないとしている。
この結論には大いに納得。これまでメディアで見聞きした二人の意見は、金融緩和しろ、ということが強調されていた。一方、デフレには需要創出が必要なのに、肝心の部分が聞こえてこなかったので、ものすごく違和感があった。需要は財政出動でつくるのだ。民間にないのだから、止むを得ない。
官僚機構の腐敗、ザルのような予算執行、ものすごく効率の悪い環境下ではあるが、やるしかない。インフレになって、所得が改善しないことには、いつまでたっても一般国民に恩恵はもたらされない。国民が広く潤ってから、一気に統治機構改革を進め、これまで損した分を取り戻すしかない。