上念司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大東亜戦争と織田信長と読んできて、
経済で読み解く~シリーズのラストピース、やっぱり面白い
「経済の掟」が本作でもキーとなって、
江戸時代を解いていく様は 3作目になると もう 「なるほど~そうだよね!」と思うくらいに すぐに腹落ちできた
モノと貨幣量の関係や国際金融のトリレンマで
当時の背景がすっきり説明がつくし、
明治維新とは、「巨額債務問題をうまくまとめた改革」という下りには膝を打った
当時の人々は意図してないはずだけど、
幕府の大名への金銀提供⇒財政政策
貨幣の改鋳⇒金融緩和
という具合に 時としてリフレ政策になってしまったのが面白かった -
Posted by ブクログ
日本のGDPが中国に抜かれたというのは認識していましたが、名目GDPをドル換算で見た場合、最新データ(2016)によれば、中国のGDPは日本のGDPの2倍を超えて首位のアメリカに迫る勢いであることを認識しました。世界中で低成長が続く中で、少なくとも中国は数年前までは物凄い成長率であったので、大きな差がついてしまったのでしょう。
昔話になりますが、私が高校生(1980年前半)のころ、GNPのデータで、アメリカとソ連が首位争いをしていました。それから10年以内にソ連は消滅、ロシア連邦になりましたが、経済に関するデータは嘘であったことが判明し、為替のルーブルが暴落したこともありましたが、今のロシアの経済規模は、世界で12位(日本の3分の1以下)となっています。私が調べた限りでは1992年以前のデータはありませんでした、おそらく嘘だったので使えないと判断されたからではないでしょうか。
この本によれば中国は、当時のソ連と同じ状況になっている可能性があると述べています、それによると中国の現在の経済規模はまだ日本に達していないのでは、というのがこの本のポイントの一つのようです。ソ連が多くの国に分裂してしまったように、中国も将来はそのようになるのでしょうか。
中国の歴史をみると何度も様々な国に分かれてきた経緯があるので、これからそうなっても不思議ではありませんが、ソ連の中心がロシア連邦となったように、中国も北京国とか上海国となって、日本はその国々と付き合うことになるのでしょうか、等とこの本を読んで感じました。この本には中国のマイナス面がメインに書かれていますが、本当にそうなのでしょうか、真実の中国はどうなのかを知りたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・中国国内の在留邦人約13万人のうち、北京・上海・広州・香港の4都市に暮らす人だけで、約70%の9万人である、経済発展が特に進んだ地域の状態を中国全土に当てはめるのは、いわゆる「上海メガネ」である(p22)
・1985年にゴルバチョフが中央統計局の改革に乗り出し、経済統計の整備を始めた。1990年、ソ連はIMF,世界銀行、OECDの調査団を受け入れ、翌年に報告書が出た。このグラスノスチを高く評価した人もいたが、この年にソ連は崩壊した(p33)
・ソ連の実質国民所得は、1928-85年に公式統計では90倍増加したことになっているが、実際には6.5倍とされている(p35)
・3%の嘘であったとしても、この粉飾を35年続けると大きな差(2倍から3倍)がついてしまう(p36)
・中国の場合、全国GDPと、31省・市・自治区のGDP合計の乖離がある、最もひどかった2013年は、11%(6兆元)上回っていて、この年は全国のGDP成長率を下回った地方が1つもないという珍事があった、2016年は2兆元程度の差(上海市相当)があった(p41、45)
・中国の物流はトラックが中心なので、鉄道貨物輸送量を重視するのは違和感あり、融資残高も銀行は国有企業のみにしか貸さないので、これを見るのもおかしいとする人もいる。しかし中国共産党がごまかせない数字として、輸入統計がある、2015年にマイナス13.2%、2016年にマイナス5.5%となっているが、経済成長率は伸びている(p47)
・国家統計局は、全国値は発表しているが、31省・市・自治区別の統計は発表していない、北京市・上海市・浙江省のGDP統計は正しいと、同局は言及している(p54)
・1985年の粉飾元年とすると、最も控えめな3%粉飾で計算しても、中国のGDPは、いまだに日本(522兆円)を抜けていない、円換算で437兆円程度となる(p59)
・習氏は2016年10月、いままでに3名(毛沢東、鄧小平、江沢民)にしか用いられていない「核心」という指導者に位置づけられた(p70)
・中国は、太陽光パネル・電気自動車・風力発電の分野において、国際的なシェアを持っているが、外国からの輸入をブロックしたうえで、産業政策的に補助金を投下して、不当廉売を行っている(p79)
・日本も1950-1970年までは、いま中国がやっている不公正貿易のお手本をしていた、1ドル360円という実力以下の超円安固定ルートをアメリカに設定されたため、あらゆ産業が輸出産業となっていた、超円安なので外国からの輸入をブロックする効果があった(p82)
・中国の人件費が安く世界の工場となったのは、戦後直後の日本と同じで、人民元が安く固定されていたから(p83)
・2009年7月までは中国本土内のみで人民元決済が行われていたが、同年国際間での人民元決済が始まり、香港の中国銀行が人民元の決済銀行として営業を開始した(p88)
・中国政府はトランプ大統領に批判される前に、先手を打って、2017年1月6日に人民元の切り上げ宣言をした(p89)
・中国大陸の沿岸は見渡す限りの浅瀬で、ここに安価な沈底式機雷を撒かれると、中国は何もできなくなる。機雷には様々な種類があり、日本が保有している。また中国海軍の掃海能力はほぼゼロ(p94,95)
・中国の都市化率は2012年に50%を超えた(1994年は30%未満)、高度経済成長を支えたのは地方からの余剰農民で、「民工」と言われる都市戸籍を持たない2-3億人の彼らであった(p140)
・2015年から外資の中国からの撤退が目立ち始めた、パナソニック・ダイキン・TDK・ソニーなど(p146)
・2005年の為替制度改革後、2013年まで、人民元対米ドルレートは25%上昇した、日本円に対する元高は、4割上昇、これは日経メーカを圧迫した(p147)
・北京市のPM2.5の発生源は、自動車31%、石炭燃焼22%、工業生産18%、建設現場の粉塵14%、となっている。排ガス規制を行っても、全体の3分の1しか効果なし(p169)
・2015年9月、北京で抗日戦争勝利70周年記念パレードを行うため、すべての工場を操業停止とした、さらに、結婚・花火爆竹・運転・仕事・学校・病院・火の使用を禁じた(p170)
・ビットコインの需要が増すときは、相場が上がる、2017年3月8日には、1BTC=14.2万円、一年前には4万円程度(p177)
・日本は1970年代はインフレ率が高めであった、あれは円売り介入で大量の円を発行していた。これを日本がやめるのは、1985年のプラザ合意以降、プラザ合意の目的こそが、このシャドー介入をやめさせることであった(p180)
2017年7月2日作成 -
Posted by ブクログ
レフレーションとガンダムとエヴァの話が面白い上念さんの著作
かなりバイアスがかった物言いは
気にならずスイスイと読み進めることができた
リフレ派ゆえか、
アベノミクスの第1の矢は肯定・推奨のスタンスで、
一方で、
第2の矢 財政出動には 懐疑的というか限定的肯定
ニューディールしても 有限のリソースを喰うから
その分 民間の誰かがリソース得られなくて停滞すると。
過度な公共工事は禁物
で、第3の矢は、
競争促進はいいとして
成長産業へ投資育成は
もう後向きで否定的
商売やったとこない役人が、
インキュベーターやれるはずない!の主張には
ただただ同意
ベンチャーファンドにおける「あるある」
経営したことないのに、
ターンアラウンドしたことないのに、
デューデリやって投資失敗する あるある -
Posted by ブクログ
著者は、相手をバッサリ切り落とす文章が多く、こんなこと言って大丈夫かなとこっちが心配になるくらい痛快な内容になっている。
著者の言う通りだとしたら、日銀のメンツを保つためにだけに日本の15年が失われたことになる。
著者の言う通り、政治家や官僚が常に正しいことを考えてる訳ではなく、人間だから自分の保身に走ることもある。
それが、イチサラリーマンだろうと国家の中枢を担う人間だろうと根本は変わらないということ。
そう考えると恐ろしい。。
そんな個人的な感情で、国が左右されてしまうこともある。
戦争になることもある。
選挙で選ばれた人だから、選んだ人にも責任はある。。真剣に日本のことを考えよう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレデフレこそが不況の最大の要因。デフレ故に人は値崩れ期待からモノを買わないし、企業は将来もっと安価な人材を雇えるから採用を見送り、リストラを進める。昔の大企業は苦しいときには内部留保を取り崩し下請けや孫請けに回しリストラを回避したというが、真相はインフレ期待による経済合理的な行動をとったにすぎず、心が温かかったわけでもモラルが高かったわけでもない。技術革新や産業振興施策によって特定の品目の価格が高騰したとしても、結局は他の支出を削っていいモノへ充てるだけ。全てのモノの平均価格である物価は金の絶対量が同じである限り上昇することは決してない。金とモノの需給バランスを正常化しない限りデフレが解消されることはない。日本には864兆円(国民一人当たり678万円)に上る公債があるというが、約475兆円の総資産があるうえ、発行した国債の93%は国内で消費されている。借金の取り立ては自分自身であり、いわば右のポケットから左のポケットにお金を動かすだけ。財政危機など一切ないと喝破している。むしろ消費増税は消費を冷え込ませるだけで、財政再建には何らの効果もない。橋本政権が既に実証済みとしている。
著者は金の量を増やすマクロ施策を説く。しかし、肝心の金の増やし方については触れていない。日本の低金利ジャブジャブ策がバブルを生み実体経済を疲弊させ、リーマンショックさえ引き起こしたと一因と言われているのだが。