上念司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
数字が滅法嫌いで、経済学なんて近寄りたくもない私でも、とっつきやすくて一気に読めました。
中学・高校の「教科書」レベルで、デフレとはどういう状態か、具体的に理解できました。
・友達5人で、3つのリンゴを分けるのと、5つのリンゴを分けるのと、どちらが一人当たりの「取り分」が多いでしょう?
↑このぐらいの平易さです。
読み終わったあとは、ニュースや、政治経済を取り扱ったバラエティ、新聞などの報道を聞いて「ん? ほんとにそうかな?」と、呑みこむ前に、自分なりに、一度、考えるようになりました。
知識があるのとないのでは、情報を鵜呑みにしてしまうかどうかに、随分と差があるものですね~。 -
Posted by ブクログ
昨年(2025)の参議院選挙以前に上念氏によって書かれた本で、私にとっては29冊目の本となります。この本で初めて知ったことは、トランプ氏の普段の振る舞いは紳士的であり、メディアの前では演技をしている、そして私が最も驚いたことですが「アメリカ内部でドルが基軸通貨であることを否定する動きが政権の中の意見としてある」ことです、基軸通貨国は有利なことばかりと私は思っていました。
世界中から資金が集まってくる反面、米国内の企業(主に製造業)が空洞化してしまい製造業が衰退することになるというポイントです。米国は製造業を呼び戻すために、高関税対策を実施しているようですが、基軸通貨国であるとそれが思うようにいかないのでしょうか。この考え方がどの程度、アメリカの中で支持されているのか、今後注力していきたいと思います。
以下は気になったポイントです。
・トランプの過激な人物像の裏に戦略的な計算と人間としての温かさがあり、 礼儀を重んじる 実務的な人格である。 彼の 厳しい言動や 鋭い言葉の裏には、信頼できる人間に対しては深い 忠誠と敬意を抱き、 個人の絆を大切にする 一面がある。安倍氏との友情はその最も 象徴的なものであろう(p25)
・アメリカにおいて 1967年には平均的な世帯の年間所得は 中間層よりも 12% 高かったのに対し、 2023年には その差は 42%に拡大している、 これは単に貧困の拡大という問題だけでなく「努力しても豊かになれない」という社会的疎外感を生み出している(p41)
・トランプ 政権で 経済政策を設計した ミラン は「米国が世界の基軸通貨国であることは 呪いである」 という挑発的なテーゼを展開したことで注目を集めた、 基軸通貨であるがゆえに生じる「 米国への過剰な資本流入が、国内の産業空洞化を招いている」という現象を問題視したものである(p50)
・トランプ 経済思想は従来の「保守・ リベラル」軸とは異なる、 第3の軸、 すなわち「国民経済の再建」「 国家の安全保障」という実践的倫理に基づいた パラダイムを示している (p53)
・ 関税はもはや「 例外的な経済 介入」ではなく「経済と道徳の接点を制度化する」日常的な 国家機能として 最定義される。トランプ 政権が打ち出した 関税政策の根底には、このような「正義の再制度化」としての関税観が 存在している(p67)
・ 2022年12月時点で、ヘッジファンドは 米国債を担保としたレポート 取引で、5530億ドルの借り入れを行っており、 これを 99億ドルの自己資本で支えている、 つまり 実質的に56倍のレバレッジをかけている(p104)
・関税政策は 製造業の雇用 保護という当初の目的と整合しない結果を用いた、 むしろ コスト構造の悪化・ 需要の減退・ 企業のリスク回避姿勢の強化・ 自動化による 人員削減 など、 雇用にとっては多重的にマイナスの効果を及ぼした(p113)
・トランプ 政権の失敗は 経済政策のみにとどまらない、 より深刻なのは 安全保障政策との整合性が取れてないという点である。トランプは 関税政策を「国家安全保障」の文脈で正当化してきたが、現実には 同盟国との摩擦を深め、 対外的孤立を招き、米国自身戦略的立場を弱体化させている(p125)
・日米間の地位協定改訂には、 日本の刑事司法制度そのものへの抜本的改革が不可欠である、 すなわち 、1)長期勾留制度、2) 取り調べの録音 義務化、3) 弁護人 立ち会いの原則化、といった「 国際基準に基づく 司法制度の整備」が前提となる(p163)
2026年4月29日読破
2026年5月4日作成 -
Posted by ブクログ
ネタバレ保守主義と聞くと、何となく右翼をイメージしていた。過度な愛国心と天皇至上主義、そして好戦的な思想を持つ人を連想する。
実はそうではない。保守主義の対義語は設計主義、つまり、過去をリセットして新しい理想の世界を作ることができると信じる思想である。ここが本書の一番のポイントであろう。あらゆる設計主義にNOを突きつける思想が保守である。何とも後ろ向きな定義である。
共産主義やナチズム、右翼は全て設計主義に分類される。リバタリアニズムもそこに入れてもいいかもしれない。
伝統と歴史を重んじ、漸進的な改革を是とする。そのような保守主義の考え方を簡潔に説明しており、それを体現した自民党がいかに日本を正しく導いてきたかを力説する。
正しい歴史認識を持つこと、大切に受け継がれてきた伝統や文化に敬意を払うこと、そして穏健な改革を恐れないことが大事である。今の日本の保守政治の礎を築いたとして紹介された芦田均、そして五箇条の御誓文に興味をもった。
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Posted by ブクログ
二年前に安倍政権が誕生したとたん、その経済政策に対して激しい批判が経済学者・エコノミストから寄せられた。その切り口は様々だったが、いずれも国民の不安を煽るような深刻かつ最悪の結末を唱えるものが多かった。本書はそれらの批判の背後に潜む思想とその嘘を暴き、彼らの言う災厄を避けるためにもし最善の行動を取ったとしたらどうなるのかをシュミレートすることで、妄説の完全論破を企図した一冊である。
黒田バズーカから早二年、量的緩和に走れば国債が暴落し、日銀は買い支えられず、ハイパーインフレが到来すると国民をおどかしていた連中(小幡某ら)の嘘八百はもう白日の下に晒されたが、なぜ一部の人は彼らの出鱈目に振り回されるのか。著者は「ニューアカ」と同じだという。立派な肩書を持つ専門家から、常人には理解しがたい複雑な理論を唱えられると、凡人はそれなりの根拠があるものと騙されてしまうのだ。実際は設計主義的な思想に基づくもので、現実の経済を捨象した理論倒れの謬説に過ぎないのだ。彼らの立派な肩書は衒学理論の粉飾に用いられる。無内容な言説を小難しく語って人を煙に巻いたニューアカそのものである。冒頭の第一章で国家破産本の嘘の特徴を指摘し、その後の各章で具体的な彼らの主張がいかに矛盾に満ちているかを暴いていく。正しい経済政策を妨害する勢力の厚さには暗澹たる思いがする。 -
Posted by ブクログ
上念先生と倉山先生の対談本なので、面白くないはずがない。
2014年と少し前の本なので、その後大いに情勢が変わったところはある。
本来投資のための投資で、物が積み上がって破綻するはずのシナ国経済がいまだに持っているのは、どの国も買わなくなった太陽光パネルとか、どこかのお人よし国家が国をあげて勝ってあげてるからだという気がしなくもない。
結局、シナ国も、K国も、R国も、日本という類まれなお人よしにおんぶ抱っこで生き延びている気がする。これだけ寄生されていれば、そろそろ我が国も干上がる。
はあ。
部分正解の全面展開みたいな記述があった。
今、いろんなところで、自分の正義を尊重せよ的な動きがあって、あれかなと思った。
生得領域の現実への拡張。
いわゆる、領域展開である。
引き摺り込まれたら、より洗練された領域を展開しない限り、まず、死ぬわ。