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Posted by ブクログ
終章の題にじんときた終章の題
「みんな平成という時代を必死に生き抜いた」にじんときた。私事だが、新元号が「令和」と発表された時、おおかっこいいと感じた。それまでの平成という時代に暗さや停滞を感じていたのだと思う。でも平成は自分が大学や社会人生活を送ってきた最も長い時期だった。なのに負の思いを抱いてきたとは。自分が悪いばかりではない。世の中が暗く、その原因はデフレだったのだ。著者の上念司氏は私より一歳上。ほぼ同じ時代を生きている。本書の平成の経済史をたどり、その時の自分の年を考えながら読んだ。シリーズ前著までとは違った楽しみがあった。ありがとう。令和編が今から楽しみだ。著者が令和の終わりを待てずに長いあとがきを書いたのも笑えた。
Posted by ブクログ
平成時代の経済を概観できる本。わたしはバブル崩壊の真っ只中に生まれたので、バブル期の狂乱以外は経験してきたので、非常に面白かった。郵政民営化、消費税増税、リーマンショック、東北大震災の復興増税、民主党政権のグダグダぶり、など様々な政治的・経済的なターニングポイントがあったが、学生時代の当時はそこまでそれぞれのイベントの背景や出来事を理解していなかった。そのため、本書で体系的に平成史を概観でき、理解が深まった。
面白かったのは以下の点
①バブルはフリーアルバイターがいた
空前の好景気で有効求人倍率は右肩上がりだったので、高卒でアルバイトもしくはフリーターになる人も給与水準が高かった。これが後にロスジェネと呼ばれる、失業者へと繋がってしまう。
②郵政民営化の背景
小泉内閣が郵政民営化を実行したのは、日本郵便の構造が限界だったから。国民の預貯金を原資として、日本郵便は財政投融資を特別法人へ行い、特別法人がインフラを始めとする公共事業を担っていた。特別法人からすると数百兆円もの財源が毎年確保できるため、どんぶり勘定で不採算事業も投資していた。不採算事業の赤字は国民の税金から賄っていたので、遅かれ早かれ、日本郵便は民営化せざるを得なかった。
③日本の所得格差の原因は少子高齢化
高齢者比率が高まると非正規雇用が増えるため、自動的に労働者の平均賃金が下がってしまう
④実質賃金のトリック
新規労働者は技能経験が少ないために給与水準が下がる傾向にある。そのため、景気拡大の局面で雇用が増加すると、新規労働者の給与は比較的低いので、実質賃金の分子に当たる平均賃金が減少する。
⑤東北大震災の復興増税は人災
景気後退局面にあった当時の日本にとって、東北大震災の復興増税は不況を一層強めることになった。しかし、当時のムードや野党であった自民党の強い提案もあり、復興増税は実行された。しかも、増税することで財源確保は保証できない。なぜなら、増税を考慮して、人々は消費を控え、企業は投資・生産を控えるから
⑥麻生内閣の金融政策と財政政策のチグハグ
大規模な財政政策を麻生内閣で実行するが、当時の日銀総裁が緊縮財政を目指していたため、日本円を高い水準で維持した。つまり、財政政策の原資である円を政府が市場から回収したため、市場に円不足が発生し、結果的に円高になり、日本経済は不況から抜け出せなくなった。結果論ではあるが、当時の日銀は財政政策と連動して、市場に円を供給し、円高にならないよう調整する必要があった。
わかりやすい
直近の出来事なので非常に分かり易い内容と構成になっているとと思った。経済の絶頂からずっと日本経済は低迷、そもそも格差を広げた景気浮揚策は海外の富裕層と一部の富裕国民のみ恩恵を受け、大部分の国民はギスギスして先の見えない長いトンネルに入ってしまったようだ。早く脱出するには格差是正が最も急がれる施策ではないか。
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