【感想・ネタバレ】経済で読み解く日本史 室町・戦国時代のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年06月06日

京都五山、鎌倉五山、加賀の一向一揆、信長があらゆる意味で手を焼いた本願寺や延暦寺などがなぜ武士の時代にお金と権力と武器を持って台頭したか?をとてもクリアに説明してくれる、目から鱗な一冊。マーケティングなんて言葉が存在しない時代の最高のマーケター、商売人はお坊さんたちでもあった。

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Posted by ブクログ 2023年05月02日

ポイントは寺社がたんに海外に僧を派遣するだけでなく、それ自身が巨大な商社でもあり、権力機構でもあること。経済と宗教の切り離しが信長や秀吉の課題となる。

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Posted by ブクログ 2021年03月04日

教科書で学んだ日本史に対し、本書は経済状況を与えてくれるため、当時の寺社勢力、室町幕府、武将たちの行動意図が良く見えてくる。個人的にはこの時代での宗教による経済支配の大きさに驚いた。

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Posted by ブクログ 2019年07月22日

非常に面白かったです。
今まで教科書や他の歴史書に書いてない内容で、衝撃を受けました。
人間は少しでも豊かに暮らしたいし、価値のあるものを持とうとする。
不満が溜まれば爆発するし、力を持てば暴走する。
戦い続ければ力を失い没落し、上手くバランスを取ったものが力を持つ。

経済から歴史をもっと近く感じ...続きを読むることが出来ました。

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Posted by ブクログ 2021年11月25日

学校の日本史で宗教の名前を教わった意味がやっとわかったような気がしました。宗教が経済にどのような影響を及ぼしているかを学べて面白かったです。

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Posted by ブクログ 2021年07月09日

経済の視点から日本史を見ると、当時の各勢力の考えがわかって面白かったです!

歴史上の出来事の「意図」をもっと教えるべきという考え方にも共感できました。

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Posted by ブクログ 2020年12月16日

日本史の教科書には足りない歴史的な出来事を
起こした人々の「意図」「背景」まで踏み込んで
語っている。また歴史的な出来事の羅列ではなく、テンポよく文章化されているので、読んでいても時間の経過を感じない。室町時代の貨幣経済の仕組みなどの解説でサラリと経済学の知識が使われており、このシリーズを読むと同時...続きを読むに経済学の勉強もしたいと感じた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年10月04日

室町時代の宗教は何をしていたのか?が面白い。
今の宗教観とは全然違った。

お金は銅銭が流通
銅銭は国内で鋳造されたものでなく、隣国、明から輸入していた。
明と貿易をしていたのは僧侶だった。
僧侶は仏教を持ち込んだのと同時に貿易商人でもあった。
国内のものを持ち込んで銅銭を手に入れていた。
お金持ち...続きを読むの僧侶は将軍家へ貢物をし、代わりに荘園や貿易を許可してもらった。
荘園とは税の徴収がない土地
僧侶は貿易商であり、金融業、不動産業を営んでいた。

禅宗である臨済宗、比叡山の天台宗、浄土真宗が活躍

しかし、明国内は銅を掘りつくし銅不足になり、銅銭が作れなくなったので、
貿易制限をかけた。
そうなると日本国内にも銅銭の流通がなくなり、物を作っても買う金がなく、
デフレに陥る。

将軍家は跡取り問題、側近同士の揉め事でグダグダ
そうなると、幕府の力がなくなっていき、荒れ始めていく。

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Posted by ブクログ 2020年09月04日

学校で学ぶ機会が少ない歴史の『意図』の部分を埋めるのによい本。当時の政治基盤を支えたのは、現代で言うところの巨大商社であり、日銀であり、金融組織であり、軍事力(これは主に応仁の乱以降だが)であった寺社の勢力。寺社の発展が幕府の財政基盤を満たし持ちつ持たれつの関係が構成された。また時代によって、その主...続きを読む役が奈良仏教→浄土系→日蓮系と様々な史略とともに淘汰され、移り変わっていく様がおもしろい。ただ、経済で読み解くと謳っている割には時代的な統計が少ないため、具体的な理解は同著者の他シリーズほど及ばないかと思う。あくまで、歴史の勉強として重視。

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Posted by ブクログ 2019年12月15日

面白かった。
あとがきに書かれている様に学校で教えられる歴史では経済的側面があまり説明されておらず、歴史的事件のそれぞれの当事者に関わる経済的インセンティブを意識することが少ない。しかし例えば比叡山延暦寺を単なる宗教団体と捉えると後に織田信長に焼討ちされる意味が分かりづらいけど、宗教団体が国内外の貿...続きを読む易交易を担っていて財力を蓄えていてそれを守りさらに広げていくための軍事力を当然のように必要とした、と考えると社会の中での立ち位置が途端にわかりやすくなる。さらに様々な関係者を利用し利用されて、と言った権謀作術もそれぞれの持つ機能や能力を見通すとわかりやすくなる。自分の無知も含めて色々と腑におちることが多かった。

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Posted by ブクログ 2019年11月17日

上念氏の本は以前から読んでいたのですが、最近ネットにて「経済で読み解く日本史」のシリーズとして全5巻セットが文庫本で出ていることを知りました。文庫本なので持ち運びがしやすく、どこででも読めて助かります。

第三冊目は、室町・戦国時代①です~
以下は気になったポイントです。

・どんなに強い政治権力を...続きを読む持つ者でも逆らえない掟がある、それが「経済の掟」例としては、お金をたくさん刷れば必ずインフレが起きる、お金の量が減ればデフレになる、デフレになるときには自国通貨高になる、である(p3)

・政治権力の不安定化の根本原因は、まさにデフレであり、これを解決しない限り政権の安定は無かった、室町時代の戦乱が続いた理由として、天候不順による飢饉の頻発・武士(守護)による連合政権で不安定だった、以外にも、経済的な理由(デフレ)による(p7)

・本当の貨幣と言えるレベルの国産のお金が登場するのは、天正16年(1588)の天正菱大判から、流通という観点からであれば、慶長6年(1601)からの慶長小判である(p29)

・米との交換レート、鎌倉時代においては、支那では、銅銭1貫文(1000文)当たり、コメ0.5石、日本では1貫文=1石という固定レートを採用していた。(p32)

・国産貨幣を発行しなかったので、実体経済の発達に比べていつも貨幣が不足気味、そのため銅銭の価値を7倍くらいにしないと国内のモノとお金のバランスが取れなかった。つまり、中世の日本はモノより輸入される銅銭のほうがずっと貴重であった、モノよりもお金を尊ぶ、デフレ期待を抱いていた(p34)

・支那との交易は邪馬台国の時代からあったが、銭貨の流入という点で考えると、平安時代末期の「日宋貿易」あたりからが妥当。元寇など政府間では対立はあったが、民間貿易が途絶えることは無かった、この時、すでに明朝の銅銭は基軸通貨であった(p35、39)

・室町時代は銭貨を輸入して、銅銭1枚1文という固定ルートを採用していた、また銭貨の輸入は自由だったので資本取引は自由なので、金融政策の自由を失っていた(p56)

・鎌倉、室町を通じて、比叡山延暦寺(天台宗)の巨大権門に立ち向かったのが、五山(臨済宗:1195年に聖福寺が日本最初の禅寺として開山)、本願寺(浄土真宗本願寺派)や日蓮宗も新興勢力であった(p88)
・箱崎宮は国営港湾(朝廷直轄の貿易拠点)、博多津は民営港湾(平清盛、新興貴族の拠点)であり、民営の方が栄えた。(p96)

・現在の使用価値で1貫が10-20万円であるとすると、日栄貿易(10隻)1回分の貿易で、80-160億円の大金を積んでいた、当時のGDP(724億円)を考慮すると凄いお金(p100,101)

・当初は藤原家の領地だった大和国は、いつの間にか興福寺の荘園になってしまった、鎌倉・室町時代を通して幕府は守護を置けなかった(p107)

・鎌倉幕府の発展と臨済宗(五山)の発展は車の両輪、平安時代における藤原氏と興福寺の関係と全く同じ(p110)

・鎌倉時代、室町時代にたびたび借金を帳消しにする「徳政令」が発布されたが、その理由はまさに気候変動による農業被害が原因であった(p115)

・五山に限らず当時の寺社では、宗教活動をメインにする禅僧集団を「西班」、寺社の経理・財務・荘園経営をメインにする集団を「東班」と呼んでいた(p127)

・貨幣不足の室町時代に唯一の貨幣増加手段である支那との交易を止めてしまったので、デフレとなる。日明貿易が再開される1432年までの21年間はデフレ続き(p147)

・応仁の乱の勝ち組は、細川氏(堺商人)と大内氏(博多商人)であった、本国で内紛のあった四職家(山名、一色、赤松、京極)とは異なる(p163)

・比叡山を焼いた男としては、細川正元(1493)は、足利義教に続いて二人目であった(p178)

・本願寺は、比叡山や五山と異なり、荘園を持たずに信徒からの喜捨によって資金を集めていた、年貢を取るのでもなく関所からの通行税もなく、経済成長に合わせた寄付金による画期的システムであった(p190)

・三好長慶と将軍家は1552年に和解したが翌年に決裂し、長慶が、淡路・讃岐・和泉・丹波・山城など、畿内の主要地域を終わ目る天下人になった(p220)

2019年11月17日作成

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Posted by ブクログ 2019年07月30日

友人から勧められて読んだ。貨幣量、経済的背景から歴史を見るという視線が斬新。メディアに登場する著者は行儀が悪いので、トンデモ本かと思ったが意外に面白い。続きも読みたい。

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Posted by ブクログ 2019年07月20日

呉座勇一著『応仁の乱』と同時進行で本書を読む。歴史を経済学の視点から見ることの有益性を実感。国家を安堵する目的で輸入された仏教。しかし、先進国である中国・朝鮮へ仏教を学ぶと同時に、先進技術・物品の交易に関わり、宗教団体が経済マフィアにも喩えられるほど力を持っていったことも納得。比叡山延暦寺に僧兵がい...続きを読むることも、違和感なく受け入れられた。少し行き過ぎた著者の推論があるものの、学校の歴史教科書には欠落している考え方が面白い。

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Posted by ブクログ 2019年07月02日

歴史バラエティ
物事は単純
経済理論を単純化して考えてみると
過去のアレコレが腑に落ちるのが本書
寺社が鎌倉・室町でどのような存在だったのか改めて教えてくれる一書です

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Posted by ブクログ 2021年02月28日

面白かったが、最初は経済的な知識を学べたが途中から当時の宗教ネタばかり。細かくて途中から関係性がこんがらがった。あとがきの日本の歴史教育は意図を教えてないというのは同意。

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Posted by ブクログ 2020年11月01日

上念さんの分かりやすい例えがふんだんに使われており、室町時代のことがすっと理解できた。「カネ」にまつわる話は古今東西同じですね。

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Posted by ブクログ 2020年08月15日

読みやすく面白かった。ただ、歴史を経済の視点で見る。つまりタイトルとは逆の内容。いつの時代もベースは同じなのだな。歴史からの学びを現代に活かしたいものだ。滋賀の田舎にはこれでもかというくらい寺社があるが、その理由も少し分かった。大手企業のチェーン店。なんでもできる今のコンビニみたい。また筆者の意見に...続きを読むは偏りがあることを理解して。。。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月24日

3/24再読

鎌倉から室町時代にかけて、日本の金融を牛耳っていたのは信仰寺社勢力だった!

歴史の教科書は事実の連続でしかなくて、その裏で人の欲望がウネウネと渦巻いている。禅宗もその一つ。現代では心を取り戻す仏教の一つとされているが、室町時代は幕府を支えるパートナーであり、金融機関であり、商社であ...続きを読むり、投資家であった。日本の経済をコントロールしていたのは、寺社勢力。そして、この既得権益をぶち壊したのが信長だった。

今も昔も、政治家とお金を持つ人のズブズブの関係は変わらないな〜

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