香月日輪のレビュー一覧
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ネタバレこの10巻に至る2~3巻は停滞気味かな~と思っていたが、10巻になり、一気に物語が加速した。夕士の英雄的行動、でもそれをたたえるのではなく、英雄的行動の対象となった長谷や周りの人々の苦悩にフォーカスを当てているのが新鮮で受け入れやすかった。そうだよなぁー、助けられた方が苦しい、ってこと、あるよなぁー、と。
そして、このシリーズを貫いてきた「人生は長く、世界は果てしなく広い。力を抜いていこう」のテーマは根底にありつつ、「運命はいつだって、ある日突然だ。俺はそれを受け入れよう」で締めくくり、多少ご都合主義的と思える(笑)登場人物たちのその後が描かれて、大団円。フールも戻ってきて...クリとシロも成仏し、生まれ変わり...何度も目頭が熱くなるような展開がちりばめられている。
解説の人が書いていた「夕士のように生きたかったんだ!」という感想に激しく肯定。本当にね。「自分の心を開き」「突然の運命を受け入れ」「前に進めば」夕士のような世界が広がるんだな、と信じられる読後感だった。
番外編のラスベガス編を読むのも楽しみ♪ -
Posted by ブクログ
さすが香月さん。
素晴らしかったですっ!!!
はじめはポプラ社で出ていた本だと知って少しビックリしたけど、子どもに読んでもらうのも大切かなって思った。
香月さんは、いつもいつも、大切なことを教えてくれる。
それは、人と人との関わりだったり、自分のことだったり、時には、夢を持つことだったり。
香月さんが本にして教えてくれたコトは絶対に忘れない。
辛いこととか、悲しいこととか、いっぱい複雑なこともあるけど、香月さんの本を読むと、ほっこりして、泣けてくる。
辛いことも、悲しいことも、大切な何かを知るための、大切なこと。
香月さん、たくさんの素敵なコトバをありがとう。
いつまでも大好きです。香月さん。 -
Posted by ブクログ
香月先生が急逝されてから、そろそろ一年。また、巻数が二桁台に無事もとい当然のように乗ってくれたので、一ファンとして礼節を持って、感想を初書き
これまで何人も、好きな漫画家や小説家が亡くなってしまったが、訃報を聞いた瞬間、膝から崩れ落ちて、仕事を休んでしまいたい、とガチで思った小説家は未だに、香月先生だけだな。恐らく、『創竜伝』や『アルスラーン戦記』の田中芳樹先生が亡くなっとなったら、ホントに会社を休むが、現時点でショックの大きさは香月先生が一番だ
きっと、それは私の中で、香月先生が一番、ファンとして、努力が実って同業者となれた時に胸を張って会いに行きたい一人だったから、か
先生の作品や、この『妖怪アパートの幽雅な日常』のようなコミカライズ作品を読むたび、心が満たされるのだが、ふと、「あぁ、もう読めないのか」、そんな淋しさとも虚しさとも形容しがたい薄ら寒さに囚われるのは私だけじゃないだろう
漫画を好んで読まない人の感覚からすると、原作がある漫画は描くのが楽、そんなもんらしいが、私は逆だと思う、いや、確信してる、なまじ、オリジナル漫画より、原作付きの漫画を任される方が、作画担当にとっちゃキツい、と。しかも、この『妖怪アパートの幽雅な日常』クラスともなれば、作画担当はプレッシャーで胃に孔が開くか、十円ハゲがいくつも出来るだろう
けれども、深山先生は香月先生への尊敬と、作品への愛が、本当に私ら読み手より深いので、原作ファンすらも唸らせる漫画版を生み出してくれており、読み手としては感謝しかない
おべっかでもなんでもなく、『妖怪アパートの幽雅な日常』の魅力は、深山先生にしか引き出せない。しかも、これから、もっと、面白くしてくれそうなのだから、深山先生に対しては脱帽するしかない
ここからは、そんな深山先生の色が感じる漫画版っつーより、原作の小説の感想に近くなってしまうが、ご容赦いただきたい
香月先生は、人間を書くの上手かった
読み手に憧れを抱かせる一方で、逆に読み手にこうはなりたくない、こんな奴に近づきたくない、そう、嫌悪感や忌避の念を抱かせる人間、キャラクターを登場させ、話の中で動かすセンスがズバ抜けていたんだろう。この点は、CLAMP先生に匹敵している、と私は感じているのだが、どうだろうか?
人間の悪意っつーか、人間なら誰でも持ち合わせてる脆さ、弱さ、汚さを、ここまで緻密に、読み手にインパクトを与えるように書ける小説家は一握りだろう
読み手には嫌い、と思わせつつも、そのキャラクター、この『妖怪アパートの幽雅な日常』を例に挙げるなら、青木先生(ホントは呼び捨てにしたいくらいだが、あえて、先生と付ける)や山本小夏だが、は作品に登場しなくてもいい訳じゃなく、むしろ、この登場人物の言動があるからこそ、成長期真っ只中の主人公が自分の人生にとってプラスになる発見をした際の衝撃を際立たせたり、活躍の華々しさを強めてくれている
実際、青木先生のような教師が学生時代、執拗に関わってきた読み手は少なくないんじゃないだろうか。「あ、いたわ」と思い出させるようなキャラクターが登場するからこそ、作中のシーンに何度も共感でき、“好き”が自然に強まっていく。そんな作品に出逢えるのは、小説読みとしても漫画読みとしてもありがたい
青木先生の言動で、しみじみと感じたが、過剰な潔癖さと、憧れる美しさってのは直結しないらしい。やっぱ、心が弱ってたり、自分を極度に追い詰めてでもいない限り、清らかすぎる水に住み心地の良さを感じる事はないんだろう。決して、悪人じゃない。けれど、善の面が強すぎ、自分の考えが正しいのか、を疑う余裕もないどころか、疑う必要もないと考える人間は気持ち悪いものだ。あえて、神谷会長の言葉を借りるのであれば、イラつくタイプだ。悪意をもって相手をイラつかせるならまだしも、善意でイラつかせているのだから、余計に性質が悪いんだよな。しかし、多くの人間の神経を逆撫でしかしない言動が、唯一の救いになる、心の拠り所にするしかない人間もいるのだから、間違っている、と糾弾もし辛い。まぁ、結局のとこ、この先生の行動は、悪い意味での偽善に過ぎないのだから、絆を深めたところで人生が豊かになるか、は否だろうな。結局、こんなタイプの教師には近づかず、適当にあしらっておくのが賢明だろう
また、この『妖怪アパートの幽雅な日常』に限らず、香月先生の作品全てに通じるが、名言のオンパレードとも言えるか。キャラクターの言葉に心を打たれた時の衝撃は、藤田和日郎先生の『うしおととら』や、羽海野チカ先生の『3月のライオン』のそれに等しい
余計な一言かもしれんが、一つ、漫画版が小説版に勝っているかもしれない点を挙げるなら、るり子さんの料理の描写だろうか。文章で、あれだけ食欲を刺激するのに、深山先生が絵にしてしまうと、もう、お腹が鳴ってしょうがない。私なんかが、妖怪アパートに住んだら、一週間で体重が倍増しちゃうだろうなぁ
どの回も名作と太鼓判を押せるが、あえて、この十巻の名シーンを挙げるなら、やはり、腐女子が黄色い声を確実に発す、第48怪「嵐の前の嵐(後編)」、108pの1コマ目だろう
この台詞を引用に選んだのは、先にも述べたが、青木先生の存在により、千晶の内面からの輝きが活かされているからだ。正と負、どちらの面を抱えていてこそ、人間はマトモだ。バランスが崩れた人間の末路なんてのは実に憐れだ -
Posted by ブクログ
まず、感想を書く前に、黙祷
ここまで、みもり先生の手によって漫画って形に変えられてきたエピソードの中でも、私はこの『高速の魔』が一、二を争うほど好きだ
現代日本に蔓延る問題の中でも解決が難しい交通事故事情に光を当てている、三人組の子供らしいからこそ真っ直ぐで本気の正義感と「救いたい」って気持ちに胸を打たれる、私が最も好きなキャラクターである椎名が積極的に活躍してくれる、子を奪われた母の己の命すら捨て、無関係の他人の命まで奪うほどの、親であれば至極当然の怒りを読み手をゾッとさせるほど恐ろしく描けている、思想や行動以前に存在そのものは邪悪な死神がまたも登場した点など、お勧めする理由を挙げてしまうとキリはない
あくまで、私の感覚に過ぎないが、父のそれより、母の愛の方が強い気がする。やはり、自分のお腹の中で育って行くのを感じ、男が死ぬとされるほどの激痛に耐えて産み落とすからか。それ故に、不条理な理由、いや、仮に男なら時間を懸けて納得に持って行ける理由があったとしても、母親は怒りや憎しみに呑まれ、鬼となってしまうのだろう
この世で最も偉大で、恐ろしく、強いのは母、それは間違いあるまい
そんな母親の愛を利用し、運転ルールも守れないバカ共のモノとは言え、欲望が儘に魂を奪い、集めた死神はやはり、許しがたい
三人組との最終決戦が、みもり先生によって描かれる日が待ち遠しい
この台詞を引用に選んだのは、改めて、てつしの男としての器のデカさにキュンと来た。やっぱ、男気に年齢は関係ないね。誰かを何が何でも救ってやりたい、そう決めた男は、自分にとってイイ物を代償に差し出す事も、いくらか気に食わない相手にでも頭を下げて、助けを素直に求める事ができる。これが、正しいプライドなんだ、と感じた -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わりました!
最初この本を手にとった時、帯に・・・
「俺は帰るよ、自分の家へ。」と書いてあったので
ドキッとしました。。(^_^;)
もしかしたらと一瞬思ってしまい、ふと寂しくなりました
だけどページを捲るごとに、色んな展開が待ち受けていて
気づいたら夢中で読んでました(笑)
物語が後半になるにつれて
雀の葛藤が心情が見えてきて。。
ラストは(良かったな。:゚(。ノω\。)゚・。 )と思える
終わり方でした!
今回も食欲をそそられる食べ物ばかりで
物語り同様、新しい人物が出てきたり
私も違う世界に別の私がいるのかなと思ったり
色々と思わせてくれたり
とてもワクワクドキドキ
楽しく読ませていただきました!
それに大浪花の方々の喋り方が、
ちょうど今見ている「あさが来た」のドラマに似ているといったら////
「○○○ひょ」「○○へん」とか
修繕屋や西方の上様も楽しいお方で、
またどこかで出てくるのかなと期待もしたりして!
雀と同じく私も漫才みたいだなと、
とても楽しかったです♪
最後の解説もとても可愛くて
まさかのあの人が登場でワクワクしましたね。。。
次の巻も楽しみです!
門をくぐったら別の場所にいた
というシーンは凄かったな。。
雀と同様どこでもドアだと思ったし
ハリーポッターの姿くらましにも似ているし
幽落町おばけ駄菓子屋も思い出しました!
いいなぁ。。
式鬼神が出てきたときは夏目を思い出しました♡ -
Posted by ブクログ
2=異界より落ち来る者あり
3=封印の娘
4=天空の竜宮城
一話ごとに付く違う視点からの解説と用語辞典が
時代考証や言葉遣いの面白さを教えてくれる
盆暮れ彼岸などのケジメをしっかりと生き抜き
宵越しの金を持たぬと粋に暮らす庶民や
日々朝晩欠かさぬ掃除洗濯とマメに精を出し
襟を正して正月を迎える姿勢などを見るにつけ
現代の暴力社会と比べてみても
当時の人々が積極的に社会参加している様子が伺えて
無益な戦争のない300年の平和を維持することの
難しさを思い知る
庶民の自発的な相互扶助に寺子屋に始まる文化が
政治によって社会の安定と不安恐怖の少ない環境に
支えられていたことを証明しているのではないだろうか
今後の社会をお互いの対等性と自在性を基本に
創造していく上で
参考にすべきことも沢山あるように思う
作者の思想の一端を書き写すならば
すべての者が何の憂いもなく
暮らしてゆけていないことが大事なのだ
何の憂いもない世界などありえない
豊かな特産物があろうとその恩恵にあずかれない者もいる
そこでダメな者は別の場所や方法でうまくやるしかない
しかしだからこそ諦めずに
すべての者が喜びを持って冒険できる無限の可能性を目指して
生きていくのがこの世の使命なのではないのだろうかと思う
生きる糧を求めるのは手段でしかなく
目的は輪の発見と創造である倫理の追求ではないのか
だとすれば使命のベースとなる衣食住を満たすべく
信頼感を養い過不足なく在るはずの物資を
個々にとって必要十分な分配をすればいいだけであり
社会はその調整をするボランティアのばである
この信頼をベースとして切磋琢磨し
無限の真理を解放して行く冒険を精一杯愉しむのが
ロマンに満ちた人生だろう
そうでなければ虚しいばかりだ