あらすじ
バルキスは、帝国ヴォワザンにたてつく盗賊「神聖鳥(シモルグ・アンカ)」として、その名も高き英雄だった。そのバルキスが不思議な運命に導かれて出逢ったのが、封印されていた神霊(ジンニー)のフップ。強大な力を持つと恐れられていたが、その正体はなんと子ども!? この力に目をつけた世界征服をたくらむ残忍王ドオブレは、バルキスたちに襲いかかる。フップを、そして故郷を守るため、バルキスたちは立ち上がった!入手困難の幻の名作、電子化!
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Posted by ブクログ
物語の区切り方がうまく、とても爽快な話で、楽しく読めました。
ここまで読みやすい本は久しぶりでした。
気軽に読めるのでよかったら読んでみてください。
Posted by ブクログ
久々の香月さん。
やっぱり大好き。
バルキスとフップの絆に何度胸を熱くしたことか。
サヴェリとの関係も素敵。
そして、アーチェ。
たった12歳で犬のクプクプを相棒にひたむきに生きる少年。
復讐さえすれば幸せになれるものではないと分かっていたけれど、でも、アーチェが幸せに、無邪気に笑う日を願っていたのに。
あのタイトルに恐れていた。そうでなければいいと、考えすぎであればいいと。
最終決戦の展開にはドキドキが止まらない。
負けるわけがないと思っていても、どう切り抜けるのかと。
ラスト、バルキスの決意。ああ。
それでも、あれは希望。そこへ向かうのは苦難の道であっても、きっとみんなの顔は明るい。
Posted by ブクログ
香月日輪さん特有の超スピード展開。でもこの人の超スピード展開は急激すぎてついていけないというようなものではなく、面白い。バルキスがフップと共に大きく成長していく姿は勇気に満ち溢れていた。復刻させたとの旨が最後に書かれており、そうしてもらえてよかったと思える作品だった。ただ、シグマの正体とバルキスの父親だけははっきり分からず。そこの伏線回収だけはしてもらいたかったかなぁ。
Posted by ブクログ
さすが香月さん。
素晴らしかったですっ!!!
はじめはポプラ社で出ていた本だと知って少しビックリしたけど、子どもに読んでもらうのも大切かなって思った。
香月さんは、いつもいつも、大切なことを教えてくれる。
それは、人と人との関わりだったり、自分のことだったり、時には、夢を持つことだったり。
香月さんが本にして教えてくれたコトは絶対に忘れない。
辛いこととか、悲しいこととか、いっぱい複雑なこともあるけど、香月さんの本を読むと、ほっこりして、泣けてくる。
辛いことも、悲しいことも、大切な何かを知るための、大切なこと。
香月さん、たくさんの素敵なコトバをありがとう。
いつまでも大好きです。香月さん。
Posted by ブクログ
"封じられた魔王" 魔王?? その強大な力を頼みにする人の意志によっては魔王になり、神霊にもなるのだろう。出逢ったのがバルキスで良かった。祈りの場面や宴会、戦いへの場面で歌が歌われる。そのメロディーが聴こえてくる‥‥♪♪
Posted by ブクログ
こってり和歌山弁のペルソナ僧がでてきて嬉しい。この前読んだ、ファンム・アレースと同じ世界で繰り広げられる別の話。これで、香月本は全て読んだが、もう新しい作品が読めないというのを改めて悲しく思う。またアパートあたりから再読しようと思う。
Posted by ブクログ
帝国ヴォワザンに滅ぼされたオルムランデ。その地で盗賊神聖鳥として活躍するバルキスが、偶然出逢った神霊フップ。幼子に見えるフップは世界を滅ぼす力を持つ魔王だったのだ。
元々3巻に分かれて刊行されていたものが1冊にまとまったもので、一気に物語を楽しめました。
異世界ファンタジーの醍醐味はその世界観にあります。主人公の活躍部分のみだと、主人公の背景が書割りのような奥行きのないものになってしまいます。主人公のいるその向こう側、時間も空間も越えた向こう側を如何に見せることができるのか。それが異世界ものの面白味でしょう。
この『エル・シオン』でも様々な造語が飛び交い様々な設定が出てきて、大きな世界があることを感じさせられます。しかしあくまで物語は主人公バルキスに焦点は合わされ、世界の全体像は見え隠れするだけなのです。だから読者はバルキスの冒険に追随して、一気に物語を楽しむことができます。
3部構成になっており、バルキスの成長が描かれています。はじめは盗賊としてひとりで動いていたのが、仲間というものを意識するようになり、最終的には大きな軍隊を率いるまでになります。そしてその上で最後に決意することも。
フップという何でもできる力を得てもその力のみで解決するのではなく、バルキスは自らの頭で考え自らの行動で示していきます。
フップの力は物語を潤滑に動かすために使われているような節もあります。それは物語の展開がご都合主義とならないための装置なのかもしれないと思ったりもします。(まあ物語終盤に神の如き力をもった者が仲間に加わったりもするのですが、それはバルキスが動いたからこそ引き寄せた幸運という見方もできますし。)短いページ数の中で最大限の動きを伝えるための物語上のテクニックなのかなという気もします。もちろんフップの魅力はそんな役割を越えたものがあるのですが。
ひとりの少年が自らの夢を見出しそれに向かって猪突猛進する姿は爽快感があります。異世界ファンタジーの醍醐味がギュッと詰まった作品でした。
Posted by ブクログ
出てくるキャラクターがそれぞれとても個性的で彼らのやりとりが物語のいいアクセントになっています。
フップの力におぼれないバルキスに心打たれます。
Posted by ブクログ
【感想】中二っぽくもあり、紋切り型の設定とキャラクタと、ひねりなくストレートであっさりな展開。唐突なところも多いけどむしろ読みやすさにつながってるかも。けっこう厚いけど三時間くらいで読めるでしょう。関係ないけどパターンはマンガの「マギ」に近いかも。
【内容】誰も封印を解くことができなかった魔王である少年の姿をした神霊フップの封印を盗賊バルキスが解いてしまったらしい。四次元バッグからそのものの名前を唱えながら取り出すアイテムであらゆる願いを叶えるどこかの青いタヌキのようだが無邪気で善悪の境界も持ち合わせていないフップを教育せねばならないと誓うバルキスなのだったが当然ながらそういう便利な存在は狙われるのだった。
【一行目】ドン!! ――そのひと太刀でロエヴ王の首がはねとばされた。教会の床が王の血に染まる。
▼簡単なメモ
【アーチェ】シクパナの子ども。路上生活を四年続けている。
【アリエト】バルキスの母。腕のいい薬師。
【ヴァール】ペルソナ僧。
【ヴォワザン】ドオブレの支配する戦闘国家。オルムランデ占領後六十余年で帝国と呼ばれ東のメソド、西のエレアザールに次ぐ勢力となった。
【エル・シオン】「幻の都」という意味らしい。ここではまず滅ぼされる前のオルムランデのことだと思われる。そして新しくできた国の。
【オク】マグダレの狼メンバー。十四、五歳の猫目族の少女。
【オストラム】ペルソナ僧。
【薬師】薬を調合し魔術で効果を高める魔道士。
【凶鳥/ケライノ】ルックスのおぞましい鳥。
【狼王】「マグダレの狼」とも呼ばれるゲリラ。オルムランデを占領するヴォワザンの輸送品を狙う。
【オフィエル】マグダレの狼メンバー。蛇面人身種(ウパナンダ)。
【オラージュ】マグダレの狼のとこにいる牝馬。バルキスと対決する。
【オルムランデ】ヴォワザンに滅ぼされ占領された。
【ガルニエ】獣人。ドオブレの配下。
【クプクプ】アーチェの相棒の犬。
【グライエヴォ】ヴォワザンの帝都。
【サーガラ】獣人。ドオブレの配下。蛇面人身種(ウパナンダ)。
【サヴェリ】町の修理屋。裏の顔はバルキスが盗んできたものをさばく「裏の仕事人(ネゴシオン)」。
【サラサ】バルキスの愛馬。
【サンニ】ドオブレの息子。脆弱にして無能。
【ジーヴェリア国】ヴォワザンが挙兵し狙っていると思われる。
【ジード】マグダレの狼のメンバーと思われる。
【ジェガード】オルムランデのヴォワザン総督。
【シクパナ】エキゾチックな港町。重要な地点であり帝国圧政下でも活気に満ちている。さまざまな種族が暮らしている。
【シグマ】魔道士。もしかしたらバルキスの父? 少なくともなんらかの関係者ではあるらしい。
【シバの小枝】噛むと刺激があるらしい。たばこみたいな感じか。
【ジャーマイ】サンニ皇帝つきの第一秘書。
【精霊】四大精霊は、火、水、土、風。
【セディール】オルムランデ、メルヴェイユ寺院の大主教。ドオブレに殺された。どうやらある人物の祖父だったようだ。
【宝】《お宝なんてものは、この手にしっかりとにぎれるもののことさ。》p.32
【鳥人族/ちょうじんぞく】風に乗って空を飛ぶことができる妖精族。
【ドオブレ】ヴォワザンの王。世界征服を狙う。「奇襲の天才」と呼ばれた兵法者でもある。
【ドランフル】ドオブレの孫、サンニの息子。父親よりはマシな武将。勇猛だが政治的な技量は持ち合わせていない。
【ナリー】フップの五百年前のマスター。三歳の女の子。たぶんいまはいない。
【妖精族/ニンフェウム】自然の「気」にそって暮らしている「森のひと」。見た目は人族と変わらないが四大精霊と引き合う。
【ハギス】マグダレの狼メンバー。元船乗りで力持ち。歌声もしぶい。
【パツク族】植物を育てる力に秀で森とともに暮らす妖精族。
【ハトゥール】魔剣士。もしかしたらバルキスの父。
【バビロン】偉大なる白魔道士。六百年生きている。その気になれば神にもなれるらしいが人間でいる。
【パルーシア】失われた超古代国家。住民は他の星に移住した。
【バルキス】神聖鳥(シモルグ・アンカ)と呼ばれる盗賊。美声で歌が上手い。青灰色の瞳は父ゆずりらしい。
【人面鳥/ハルビュア】メルヴェイユ寺院にたくさんいる。魔物としての脅威は小さい。
【ファビュラ】ロンバルドの女性だけの部族カリーシュ族の族長。
【ファレグ】マグダレの狼の軍師。
【フォン】正体不明、放浪魔道士(トルヴァドーレ)の男。名前は「風」という意味で偽名っぽい。アリエトと情を交わした。バルキスの父。
【フップ】神霊(ジンニー)。子どもの姿をしている。メルヴェイユ寺院に五百年封じられていた。魔王との関係は不明だがたぶん本人。表紙カバー絵の印象とは異なりなかなか利かん坊な感じ。性格も小さな子ども。悪の手に落ちたらえらいことになりそうではある。肩から下げたがま口バッグ(四次元バッグ)からさまざまなものを取り出し願いをかなえる。いちいちアイテム名を叫ぶしどこかの青いタヌキみたいだ。
【獣人/ベート】妖精族のひとつ。多くは魔界や仙界からの流民。長命。
【ベトール】マグダレの狼のメンバーと思われる。半獣人。
【ベルゼブル】黄金(ルビオ)のベルゼブル。魔界の女。ドオブレの師匠。
【ペルソナ僧】ウロボロス僧会の最高位の僧。
【魔王】封印されている。
【ミスパル】シクパナの高官。
【めぐむ】《どんなに過酷であろうと、自力でのりこえることこそが、ひとの生きる証であり、力となるのだ。けっして他人が「高み」から手をさしのべてはいけないのだ。》p.149
【メッシナ人】大地の気を身体に取り入れ身体能力を強化できる妖精族。
【メルヴェイユ寺院】魔法が封印されているという噂。今では誰も興味を抱いていない。
【半獣人/モルフォーラ】普段は人間の姿をしていて状況によって変身できる。
【霊剣】バルキスが母のアリエトからもらった。アリエトはその父からもらったようだ。