香月日輪のレビュー一覧
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シリーズ第二弾。
半年間の寮生活を経て、寿荘に戻ってきた稲葉夕士。
夕士は「魔道書」の封印を解いた事から、素質を見込まれ、新米魔道士として修行を始める事になる。
ここから物語は始まるんだな、って感じでワクワクする。
すると第一巻は、ほんの序章だったのかな。
夕士の親友である長谷くん。
これがまた、こんな高校生いるか?!
って感じの男前。
幼なじみの二人は、改めて友情を確認するのかな。
こんな友達がいるって、素晴らしい。
そして相変わらず、賄い担当るり子さん(幽霊!)のお料理が美味しそう。
春爛漫の美しいだろうお料理、私も食べたい…。
これからの夕士の成長が楽しみだな。 -
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主人公は稲葉夕士、高校一年生。
13歳で両親を亡くし、親戚の家で暮らしていた。
ずっと肩身の狭い思いをしてきたが、寮のある高校に合格し、晴れて進学!と思った矢先に寮が火事になる。
で、暮らすことになったのが、妖怪アパート!
本当は「寿荘」と言うのだが、オバケの館だから、通称・妖怪アパート。
そこには、多種多様な幽霊たちが暮らしていて、その理由も様々。
賄い担当のるり子さんの作る料理は、本当に美味しそうで羨ましい。
朝食から豪華で、お弁当まて作ってくれる。
るり子さんも、幽霊(笑)
他にも魅力的な登場人物や幽霊が沢山!
一応、児童文学だからか、メッセージ性のある台詞も多いかな。
続きも楽しみ。 -
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ネタバレ高校を卒業したら、公務員にでもなって堅実な社会人になるのが夢だった(というか、亡くなった両親に対する親孝行だと思っていた)夕士が、人生をもっと楽しんでもいいのではないか、自分の可能性を小さくすることはないのではないかと思い、大学進学を決め、高校最後のお正月。
親友長谷と一緒に妖怪アパートでにぎやかかつ厳かにお正月を迎えたとき、長谷のお祖父さんがなくなり、お姉さんが奇病倒れる。
お姉さんの病に不審なものを感じた夕士は、フールに調べさせる。
すると、お姉さんはお祖父さんの強い念に取りつかれていることがわかる。
霊と違って念は簡単に祓うことができない。
親友長谷のため、長谷の家族のため、夕士は全力で長谷を守る。
ところが…
最終巻なので、後日談がつきます。
大人の私はなくてもかまわないと思うけれど、1巻から読み続けた子どもには必要な最終章。
悩んだり、行き詰ったことはたくさんあっても、その時その時に最善を尽せば、きっと未来は開けてくる。
読んだ子どもたちは、自分の未来にも明るく立ち向かっていけるのではないでしょうか。
ラノベですが、いい作品でした。 -
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ネタバレうっかり油断すると、夕士は妖怪アパートなんてところ(家賃格安)に住んで、規格外だけど実のある人や妖怪たちと交流して、学校にはゆかいな仲間たちがいて、なんて恵まれた人生をおくっているのだろうと思ってしまう。
いや、夕士は中学生の時に両親を亡くして親戚に引き取られ、自立するためにバイトしながらアパート暮らしで、将来の夢は公務員というささやかなもの。
ここだけを見たら、青木先生ではないけれど「なんてかわいそうなのかしら」ってなる。
他人の事情なんて、外から窺い知れるものだけではないのだ。
それを、自分がちょっと上手くいかないからって「あんたはいいよなあ」とひがんで恨んで絡んでいくのは、傲慢だと私は思っている。
自分が世の中で一番不幸と断じてしまえる傲慢。
リア充の人を羨ましく思うのは自然なことだと思うけれど、物心全てが充実しかしていない薄っぺらい人なんていないんじゃないかなあ。
少なくともこの作品に出て来る千晶先生は、金持ちでハンサムで超絶歌が上手いけれど、人一倍喪失の痛みを知っている。
だから教師に向いているんだ。
「富樫、人にはそれぞれの『その時』があるんだ。その時がいつ来るのか、人によって違う。その時が来れば、やりたいことや好きなことができる。お前にも『お前の時』が必ず来る。あせらなくてもいい。じっと待っていろ。(中略)ただし、前だけは向いておけよ。前を向いていないと、その時が来てもわからない。あざとく聞こえるかもしれんが、そういうものなんだよ」
大人はうざいと子どもはいう。。
でも何も言ってくれないと見捨てたと言って怒る。
そんな理不尽をわかったうえで、うざい事を言ってくれる大人はありがたい。
そう気づけたとき、子どもは大人になるのかもしれない。 -
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ネタバレ両親亡きあと、早く自立して早く大人になることだけが目標だった夕士が、もう少し子どもでいて、もう少し心を豊かにするものに関わりたいと思うようになった。
そう思うようになったことが、既に夕士の成長の証だろう。
自分しか見えてなかった夕士が、世の中が見えるようになった時に、人として豊かになりたいと思うようになった背景には、もちろん妖怪アパートの皆さんのおかげがあるのだけど。
でも、やっぱりそれは、夕士が自ら舵を切った結果なのだ。
いくら周りがアドバイスしても、夕士に聞く耳がなければ変わることはできないのだから。
それが如実にわかる今作のできごとだった。
”「自分の悲運や不幸を嘆くばっかりの者のところへは、幸福なんて絶対にやってこない。それはなぜか?本人が”不幸のフィルター”でまわりを見ているからサ」(中略)「こういう人たちにとってはね、苦しくてみじめで哀しいままでいるってことが、案外楽なのヨ」”
正論で、優しい言葉と態度で、生徒たちを子ども扱いしてかばう青木先生は、悪気なく生徒の成長の芽を摘んでしまう。
「かわいそうに。でも、あなたはそのままでいいのよ」
残り2巻で青木先生は変われるのだろうか。
悪気のない大人の言動を根本から変えるのは相当に難しいから、彼女はそのままなのかなあ。
あと、順調に子供らしさを身につけつつあるクリは無事成仏できるのだろうか。
まり子さんは自ら成仏しない道を選んだようだけど、何分クリはまだ赤ちゃんのようなものだから、成仏させてあげてほしいなあ。 -
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ネタバレ夕士、高2の冬。
今回のメインイベントは修学旅行という名のスキー旅行。
しかしそのホテルは、立て続けに女子高生が自殺した、いわくつきのホテルだった。
他人とコミュニケーションをとるのが苦手な人って、最初のうちは他人を拒絶しているわけではない。
ちゃんとコミュニケーションを取りたいのに、どうやってみんなと同じようにふるまえるのかわからない。
どうしてはみ出してしまうのかわからない。
孤独が淋しかった時に、そこにつけこまれることは…あるんだろうなあ。
生徒たちに絶大な人気を誇る千晶先生は、幽霊たちに狙われる。
彼女たちの言い分を聞いた千晶先生は「淋しかったんだな……。かわいそうに……」
口先だけではない、心からの千晶先生の言葉に姿を消す彼女たち。
「たった一言が、世界を変えることもございますぞ、ご主人様」と、フール。
千晶先生や、夕士の親友の長谷のように、存在するだけで人を引き付けられる人がいる。
「人は強い力に惹かれるってのはわかる。別に天才じゃなくても、才能のある奴にみんな憧れるもんだ」
だけどそういう存在と、カルト教祖とは決定的に違うと長谷はいう。
「等身大で生身の人間だってことだよ。(中略)そういういろんな経験を、自分の血と肉に出来た人間なんだよ」
そうだな。
どうせ尊敬するなら、持ってい生れた異能にではなく、経験を努力で身につけた人を尊敬したい。
「本物の金持ちはそうだよな。苦労も努力もしてるよな」
金持ち長谷くんの苦労の話も今後出て来るのでしょうか。
クリが、少しずつ感情の表出ができるようになってきた。
母に虐待されて、言葉を覚えるよりも先に死んでしまったクリが、夕士や長谷に可愛がられることによって、笑ったり甘えたりすねたりできるようになって、あと何年かしたら自力で成仏できるかもしれないところまできた。
かわいいクリに会えなくなるのは寂しいけれど、やっぱり成仏してほしいもんなあ。
私の脳内に現れるクリは本当にかわいいんだよ。
子どもらしい喜びをたくさん経験して、成仏してほしい。 -
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ネタバレ夕士高校2年の夏休み終わり~二学期まで。
霊力アップの修行はまだ続き、アパート地下にある温泉には修行のための滝まで作られた。
二学期が始まり、病気で休職中の先生たちに変わり、二人の新しい先生が着任した。
一人は夕士の担任で、フランクな見た目の生活指導担当・千晶直巳(ちあきなおみ)。
もう一人は清潔感あふれる美人英語教師・青木春香。
そして英会話クラブに2学期から転入してきた1年生が入部する。
一年生なのに、クラブの活動に参加することもなく、自分は頭がいいアピールを続ける山本小夏。
それは出来る姉に対するコンプレックスを、学校でマウントをとることによって晴らそうとしているのだ、ということまでは夕士もわかる。
わかるけれども、共感することはできない。
見下されて面白い人なんていないに決まっている。
そして最も厄介なのが、心優しい美人英語教師である青木。
善意の塊ではあるのだけれど、自分の見たいとおりにしか物事を見ることができず、レッテルを貼り、上からの同情を押しつけてくる。
「地獄への道は善意で舗装されている」の章で千晶は青木のことをこう評する。
”出刃で刺されたって、だらだら血を流しながら『あなたのためを思っているんです』なんてほざける人種だ。厄介だよ、傷つかない奴ってのは。”
そうなのだ。
善意を押しつける人っていうのは、自分の正しさを絶対的に信じているので、傷つかない。
会話が成立しないまま自分の主張を押し続ける姿は、ゾンビみたいだと私も思っていた。
また、先入観というのは誰しももつと思うけれど、それが違っていたときにどうするか。
”自分の思っていたこととは違う面を見せられた時、その意味をプラスのほうへ考えるかマイナスのほうへ考えるかで、自分自身に跳ね返ってくるものが大きく違ってまいります。
この言葉は覚えておこう。
千晶派か青木派かで学校がわれていたが、生徒会長の仕掛のおかげで千晶派が盛り返したところで終わるが、このままでは終わらないような気がする。
次は修学旅行の話らしいし、また一波乱あるのだろう。 -
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ネタバレしばらく間が空いたので、このテンションの高い世界に戻るのに時間がかかった。
今回は大きな流れが3つ。
1.魔道士としてのレベルを上げるため、修行もレベルアップされた話
2.バイト先の新人たちがコミュニケーション不全な話
3.自殺未遂の小学生を説得した話
このうち2と3については、自分の知っている狭い世界の外に出て行けない若者(小学生も含む)に、上辺の言葉のやり取りではなく、生の言葉を、身体に伝わるような言葉をかける夕士。
夕士はそれを、妖怪アパートに住む大人たちや、バイト先のおっさんたちに教わった。
「親しい人以外と話すのは苦手」でも、苦手だからってコミュニケーションをとらないわけにいかないのだ。
だったら、ちゃんとコミュニケーションを取ろうよ。
そして小学生には、世界は広いこと、自分の可能性は無限であることを、大人たちと接することで知っていかなければならないと伝える。
自分一人で生きていこうと思っていたことのある夕士だからこそ、コミュニケーションの大切さが身に染みている。
そして、夕士の成長が、魔導士としての成長と重なった時、ちょっとすごかったですよ。
まあ、あんまり人外に寄っていかないでね、とも思いますが。