三ツ目や化け狐たちが平和に暮らす、おだやかな魔都「大江戸」。かわら版屋の少年・雀は、この町に住むたったひとりの人間だ。面白話を求めて奔り回る雀のところに「人間を拾った」との一報が。おかっぱ頭の童女が、人間の住む異界から落ちてきたというのだ――。朗らかな妖怪たちの姿を鮮やかに描いた、優しい人情噺。
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Posted by ブクログ 2015年08月05日
江戸庶民の情緒満載
妖怪宇宙は並行宇宙的存在だけれど
人間界と一味違う所は
人間味あふれる人情を失ったシガラミや
理不尽な力関係による抑圧が無いところかな〜
人間界の江戸も庶民の暮らしは今から思うと
信じられないほどに人情豊かで
憧れてしまうのだけれども
妖怪の江戸はそれにも増して自然体の関係が
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Posted by ブクログ 2014年01月30日
舞台は江戸。しかしそこに住んでいるのは妖怪たち。その中に一人だけ人間が住んでいます。
多分この人間、雀は現代の日本に住んでいた子。大江戸に落とされて瓦版を作りながら生活しているようです。
相変わらず設定が面白い。そしてこの小説、香月先生の他の作品に登場した人物も登場してるんです。そういうのが苦手な...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年02月25日
同じようで少し(?)違うもうひとつの江戸。そこは魑魅魍魎が闊歩するとところで、妖怪たちが平和に暮らしていた。そしてある日突然、異界から人間の女の子が落ちてきて....という話。解説の田端さんも書いているように自分が今見ている世界は慣れているだけで、実はほかの人から見たらすごいのかな。とか思えました。...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年05月29日
面白かったー。お小枝ちゃんが可愛かったなぁ。一緒に大江戸を観光してる気分になりました!
親の良かれと思う行動、子供に伝わらないことだっていっぱいあるんですよね。
お小枝ちゃんが、帰ってきて、ご両親はどれだけ喜んだことでしょう。
どう生きて欲しいか、も大事ですが、どれだけお小枝ちゃんが大好きで愛してる...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年12月12日
誰かが恋をするわけでもなく、誰かが殺されるわけでもなく。
けれども周りを巻き込んで話は楽しく進み解決する。
平和であるからこそおもしろいお話が、どこかわくわく感を引き出してくれる。
だから香月日輪の世界はおもしろいと感じます。
主人公の男の子と周りの妖怪たちが織り成す物語は、今までの香月さんの作品...続きを読む