今野緒雪のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どう考えても30代男性の読むシリーズではないので(汗)レビューは避けてきましたが、シリーズ完結?記念と言うことで。
第1巻の発売が10年前、僕が読み始めたのは最新刊が修学旅行だった頃ですからそれでも5年前。全34巻、よくも長く続いたものです。作品世界上はわずか1年半。この間に現実は作品を飛び越えて、携帯電話が爆発的に普及し、中央線にはリリアン車両どころか本物の女性専用車が登場してしまいました。世の中変われば変わるものです。
初めて読んだ時には、それこそ1ページ目で顔から火が出るような感覚を味わいましたが、緻密な世界観設定にぐいぐいと魅きこまれてしまいました。地の文の視点を時折切り替える、という手法も実に巧妙。これらの"仕掛け"が、キャラクターを生き生きと動かし、超お嬢様学園という非現実的な世界と読者との距離感をぐっと縮めたものと思います。
各巻それぞれに起承転結のつけ方が上手く、特に「パラソルをさして」までは傑作揃いだと思います。以降は続き物のような形態になり1冊毎のカラーは薄まってしまった感がありますが、最終盤の盛り上げ方はやはりさすが。全部読み終えた今、爽やかな読後感と共に、終わってしまったなあと寂寥感に浸っています。
コバルトである以上当然万人受けはしませんが、個人的には青春群像劇の傑作と位置づけたいと思います。
お気に入りの巻は「いばらの森」、エピソードは「ファースト デート トライアングル」、派閥は白で。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ集英社が2015年一月に創刊した新レーベル、集英社オレンジ文庫の第一回目の配本。路線としては、コバルト文庫を挿絵をなくして少しだけ一般よりにした感じでしょうか。
マリア様がみてるで有名な、今野緒雪さんの新作です。
竜田メグムは両親に内緒で美大進学を志望している高校一年生。大学生の姉カスミと、10歳の妹キリとの3人姉妹5人家族だ。
進路希望を打ち明けられずに悶々と過ごすメグムの日常は、近所の「お化け屋敷」に新しい住人が引っ越してきたことをきっかけに、少しづつ色を変えていく……。
16歳という今だけの青春の一瞬を瑞々しく描いた素敵な少女小説です。
マリみても読んでいたけれど、個人的にはマリみてよりこちらのほうが好きかも! ってくらい面白かったです。メグムちゃんの語り口は少しピリっとしていて、ユーモアにあふれ、思わずくすっと笑ってしまいます。この語り口が、本当に面白かったです。
3姉妹という姉妹ならではの、リアルな距離感の書き方や、10代の頃の友情の描き方、心の機微なども繊細にリアルに描かれています。
ただ、メグムを取り巻く環境は複雑というか、なかなかない状況だとは思うので、そこはあまりリアルではないのですが。
16歳の少女の、多分一般的には遅い初恋の様子が、甘くて、少し苦くて、微笑ましくて。
ああ、姉妹って、家族っていいなと思える、そんな小説になっています。
連作短編にする意味は正直あまりよくわからなかったけど、そのおかげで読みやすくなっていて、さらりと軽く読めます。今野緒雪さんらしい読みやすい文章は健在で、面白い本なので、あっという間に読み終えてしまいました。
なにより、タイトルである「雨のティアラ」の意味が美しいです。
この本はぜひメグムちゃんと同じ年頃の女の子に読んで欲しいなあと思いました。
正直なんとなく買った一冊でしたが、とても面白かったので買ってよかったです。
続編も出るならそれも読みたいな、なんて思わせる素敵な一冊でした。