田坂広志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今後の資本主義について、田坂さんがどのように考えているか興味深く思いながら本書を読んだ。
貨幣経済から、田坂さんのいう「目に見えない資本主義」に移行する日は本当にくるのかもしれない。来るならば、それはいつのことになるのだろうか。時間がかかるような気もするけど、この経済危機が深刻で、かつ、長引くほど、移行の機運は高まるのだろう。
資本主義の本質が変わるとき、ロスチャイルド家はどうするんだろう・・・?とか思ってしまったりする私は、ロスチャイルド本にそれなりに影響をうけてしまっているのかもしれない・・・
ロスチャイルドはともかく、本書で印象に残った点。
【読書メモ=印象に残った点】
※本書から引用させていただいております。
・ ある人間観にもとづいて生み出される制度は、その制度が社会に定着されるについれ、逆に、その制度が装丁する人間を増やしていく。
規制と懲罰だけによって秩序を維持しようとする社会は、必ず隠れたる堕落を生む。
・ 知識経済は「特許」や「知的財産」を価値とする経済であり、知識資本主義が「研究開発能力」や「創造的人材」をめぐる競争であるとの理解は不十分な理解。
・ いまや、「知識資本」とは、「関係資本」「信頼資本」「評判資本」「文化資本」といった次元の資本をも意味するものへと広がっている。
・ ネット・ウェブ革命は、知識、関係、信頼、評判、文化というものの価値を圧倒的に高め、「目に見えない資本」の影響力を加速度的に強めていく。
・ 知識、関係、信頼、評判、文化といった「メタレベルの知識資本」を総称して「共感資本」と呼ぶべき。
・ 人間の精神における成熟とは、見えないものが見えるようになること。例えば、人間の心。若い時代には、自分しか見えず、相手の心が見えない。
・ 享受型経済から、参加型経済へ。間接民主主義から直接民主主義へ。
・ 「消費者がイノベーションに参加すると、ニーズに応えた商品・サービス開発ができるから」、「多くの人々の知識や智恵を様々な分野のイノベーションに活用できるから」、といったこと参加型イノベーションの重要なポイントではない。
重要なポイントは、人々の幸福感である。人々は、社会の変革に参加しているときに幸福感を感じる。 -
Posted by ブクログ
田坂さんの本は、文字数が少ない。
けれども、一読するのに時間がかかる。一文一文が重いからだ。
本書の最後に掲載されている「謝辞」には、
「私は「仕事の思想」については多くを語ってきましたが、
「仕事の技術」については、語ることを控えてきました。
その私が、この書において初めて、仕事の技術と心得を語りました。」
と書かかれている。
確かに、私が今までに読んだ田坂さんの本よりも、より具体的な企画書を書くための「技術」が書かれているように思う。
とはいえ、そこは、田坂さんの本。
いつもの田坂さんの本よりも、軽めの内容だったかな?と最初は感じた。しかし、ちょっと間を置いてから読み直すと、新たな発見があるのだ。おそるべし・・・
本書「企画力」は、人と組織を動かす企画書を書くために心がけることが書かれている。
企画書、とひとくくりに書かれているが、全てのプレゼン、文書に通じる内容だと思う。
「お客様のための提案」「お客様のための資料」について、最近考えることが多かったが、暗黙知やもやもやとした考えが、スパンと整理され、更に背中を押された気分だ。
人と組織を動かす企画書を心がけよう。
■本書を読んで特に印象的だった記述(読書メモ)
・企みとは、世の中を、よりよきものに変えていこうとすること。企画書においては、企みを語れ。企みを、魅力的に語れ。
・魅力的な企画書とは、「夢」と「現実」の緊張関係の中で生まれる。どうすれば「現実」を変えて、自分の抱く「夢」に向かって一歩でも進んでいけるか、そのことを考えているような人こそ「面白みのある人間」。面白みのある「生き様」をしてこそ、「企み=企画書」に面白み(魅力)が生まれる
・「思考停止型」の能書き:「コスト削減」「合理化」など、誰も反論し得ない「大義名分」を語って終わる能書き。このような能書きを語っただけでは、「企画書」が魅力的になることはない。
・優れた企画書を使って、営業担当者が模擬プレゼンする。優れた企画書がコーチとなり、担当者の個人技が磨かれる。それと同時に、模擬プレゼンでは、企画書の使い勝手の悪さが発見される。完成度の高い企画書でも、必ず、顧客から分かりにくい表現や、論理的に説明のしにくい箇所がいくつも残っている。
・汗をかいていない企画書は一目瞭然。例えば、誤字脱字があること。誤字脱字は、「仕事に対する誠実さ」についての疑問を顧客に与える。「仕事に対する誠実さ」について疑問を抱かれるということは、我々が売り込もうとしている「人間」という商品そのものに対する厳しい評価となる。
読んだ日:2009年9月28日
読んだ場所:東海道線車内 -
Posted by ブクログ
1990年にアカデミー賞を受賞した女優のウーピー・ゴールドバークが、俳優修行をする若者たちからの質問へ、味わい深い答えをしています。
「我々は、将来、役者になることを夢みて、毎日、毎日、厳しい修練を積んでいます。こうした我々の努力は、いつか報われるのでしょうか。」
「いま、あなたがたは、いつか役者になりたいとの夢を持ち、素晴らしい仲間とともに、励ましあい、助け合いながら、毎日、その夢を求め、目を輝かせて生きているのでしょう。」その言葉に対して、若者たちは、うなずきます。ゴールドバーグは、静かに語りました。
「そうであるならば、あなたがたの努力は、既に報われているではないですか」 -
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『仕事の思想』の続編。実社会の中では日々の仕事に流されてしまう。流されてしまわないようにするためには錨(いかり)が必要であり、その錨とは「思想」であるそうだ。死生観、世界観、歴史観の三つの「思想」を持つことで、働くことの意味、人間の意味を問うている。死生観ではメメントモリ(死ぬことを忘れるな)。メメントモリを意識することで、今を充実させることにつながる。また、世界の視点(世界の中で日本に生まれている意味とは何か)、歴史の視点(宇宙の歴史から考えると、その向かうべき方向とはどこか)など。仕事というものを考えるためのいい材料。 c.f 『仕事の思想』
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これらのネット革命の結果、「専門的な知識」や「最先端の知識」といった「言葉で表現することができる知識」は誰でも入手できるようになってきたため、「知識」を持っていることそのものに価値を持たなくなってきている。今求められているのは「言葉で表せることができない知恵」。それはスキルやセンス、テクニックやノウハウと呼ばれる能力であり、これらは情報を得ただけでは身につくことができない。今自分に必要な情報はなんなのか、なにが不必要なのかといった情報化社会における取捨選択能力が必要になってきているように、「専門的な知識」ではなく、「職業的な知恵」に価値が置かれてきているのだ。
「インターネット革命」や「Web2.0変革」の六つの変革に対する「六つの戦略」に「シンクタンク能力」をどう応用していくべきか、一つ一つ具体的に記されている。これらは実際に手に取って、それらのノウハウをどう仕事に活かしていければいいのか、知恵を絞ってみて欲しい。インターネットの普及率は未だ上昇傾向にあり、一世帯に一台のパソコンがアタリマエの時代にある。インターネット関連の仕事についてない人でも、生活の一部として活用し、「自分のプロフェッショナル・フィールド(専門領域)」とは一体なんなのか、自問自答してみて欲しいと思う。
『「シンクタンク」は「シンク(思考する)」という社会的機能だけではなく、「ドゥー(実行する)」という社会的機能を身につけることができる時代にある。』(pp149)