田坂広志のレビュー一覧
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7つのレベルの思考(①思想、②ビジョン、③志、④戦略、⑤戦術、⑥技術、⑦人間力)が必要と述べられているが、その通りと思う。7つに整合を取ることや精通できることはなかなか難しいことだと思う。
①思想については、未来を予見する方法として学ぶ。
②ビジョンとは、未来に起きることの客観的考えのこと。
③志とは、②のうちで意志として取り組むこと。
④戦略とは、戦いを省くこと(いかに戦わないか)。社員のかけがえのない人生の時間がかかっているからこそ、重要なこと。変化の激しい時代には、「波乗りの戦略思考」が必要という。確かに臨機応変に、時に論理を超えた直観力を駆使して状況判断することは大切だが、一度立てた戦 -
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優秀な人ほど7つの壁にぶち当たり、成長できていない。その「壁」と乗り越える技法について本書では述べている。
1 「学歴の壁」には「棚卸しの技法」
2 「経験の壁」には「直後と深夜の反省の技法」
3 「感情の壁」には「心理推察の技法」
4「我流の壁」には「私淑の技法」
5 「人格の壁」には「多重人格の技法」
6 「エゴの壁」には「自己観察の技法」
7 「他責の壁」には「引き受けの技法」
おわりに 死生観を持ち、自己限定をなくすことで2割しか使えていない脳をさらに使える。
■個人的な学び
反省は鮮度が命
反省する際は相手が感じたことと自分がどう感じたか?まで考える
一芸でも良いので師匠を見つけ同 -
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・一流の話者はただ演じるのではなく、「その人物の人格」が、自身の中から現れてくる、そしてその人物になりきっていく。
・経営者の器とは、一人の経営者が、自分自身の中で、一見矛盾する「対極的な人格」を同時に持ち、それを使い分ける力量のこと。
・「腹に響く声で話せ」
・「言葉を明瞭に話す」間を取りながら、一つ一つの言葉を「粒」のように発することで言葉が相手の「心」に届きやすくなる。
・グローバルなスピーチスタイルというものは存在しない。あえていえば欧米的なスピーチスタイルは存在し、これをグローバルなスピーチスタイルと思い込む傾向がある。
・「グロービッシュ=GrobalEnglish」はあまり難しい -
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久しぶりに田坂広志氏の本を読んだ。
本書は長らく本棚にあったが読んでいなかった。
20代のとき、田坂氏の書物を何冊か読んだ。
時代を見通すような慧眼に驚き、物事の本質を突く洞察力に嫉妬しながら読んだ。
しかし本書から、そのような衝撃は受けなかった。それは、私が成長したためか、私がサラリーマンではないためかは分からないが、本書から得られるものがなかったわけではない。
まず、本書は「対話」について書かれている。会話やコミュニケーションではなく、「対話」に注目しているところに田坂氏の鋭さがある。
LINEゆTwitterなどのおしゃべりは会話である。対話は意見や思想の交流である。相手を尊重し、相手に -
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論理的な思考から到達する答えを、より強固にするための違う角度から行う思考についての論考。
自分の中に眠る「もう一人の自分」が持つ賢明な「知」を引き出す生き方について記されている。
心にあり方についての表現が多く、それはつまるところ合理的な「技の使い方」ではなく、「心の置き方」に着目することである。ただし、「心の置き所」に目を向けることは、自身の心の不安や恐怖、驕りや傲慢に目を向けることであり、それは、自身の「小さなエゴ」の姿を直視する、痛苦なプロセスとなる。ゆえに、この「痛み」をどう受け入れ、共存し乗り越えていくかが、この賢明な「知」を引き出す有益な方法なのだろう。 -
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人間関係を好転させるためにはどのようにすればよいかという本。
人とのやりとりの技法など、テクニカルな小技の紹介ではなく、自分がどのように人生に向き合えばよいかという、大きなテーマで書かれている。
自分に非がない、完璧で統一的な人間を目指すのではない。
・自分の非を見つめ(それはなかなか治らない)、皆の前でも認める。
・人と関係がこじれた時こと、自分の心の中で相手との関係を閉じず、相手に心を開いていることを示す。
・人は言葉の影響力に大きく影響されている。人の悪口を言うとどんどんその人のことが嫌いになっていってしまう。なので、嫌いな人ほど相手の良いところを見つけ、日記などに書きだしてみる。 -
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表層対話だけでなく、深層対話で仕事を進める。
「はたらく」とは周りの人の体と心を楽にすること。
言葉以外のメッセージを感じ取る。
自分が無意識に発しているメッセージを振り返る。
情報は知識としてではなく、日々の経験を通じた智恵として掴む。
走馬灯リーディング、即実践リーディング。
直後の反省会で追体験し、相手の視点で想像する。
自分の小さなエゴの動きに留意する。
複数の自分で反省日誌をつける。
下段者上段者の力が分からない。
操作主義は見抜かれる。相手に敬意を持つ。
事前の場面想定で戦略思考を鍛える。
戦略的な「行動力」が必要。
相手の話を聞いている時こそ無言のメッセージを発している。
相手 -
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ネタバレ著者の経験をもとにまとめた人間関係を好転させる技法をまとめた本。
偉人、聖人が成し遂げる、いわば悟りのような内容ではなく、人は弱いという前提で、そのうえでどうすべきなのかまとめている。内容としては技法というよりも考え、哲学に近い。
こういった本は「読むタイミング」というものがある気がする。そのため今はあまり響いていないが、おそらく5年くらい前の「あの時」に読んでいたら、また違ったのだろうな
●メモ
・古典を通じて我々が学ぶのは登るべき高き山の頂だけではなく、山道の登り方、心の置きどころである
・我々にある「小さなエゴ」の対処は「ただ、静かにみつめること」である
・非を認める、感謝すると、そこ -
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『知性を磨く』に続いて、本書を読んだ。
全体としては、『知性を磨く』の方が得るものが多かった。といってもそれは著者の言葉を借りれば、知識として得たに過ぎず、智恵にはなっていないのは分かっている。
しかし、本書を読んで、『人間を磨く』ということに関して、心がけていることが、著者のメッセージと大きくは異ならなかったから、得るものが少なかった訳だが、それと同時に安心もした。
ダイヤはダイヤでしか磨けないように、人間も人間でしか磨けない。だから、人間との格闘を通して、磨くしかない。そこで磨かれるのは、心の鏡である。この鏡のくもりがなくなれば、社会の、物事の、人間のありのままが見える。
それは、仏法で説 -