北方謙三のレビュー一覧
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水滸伝を読み始めて4か月近く経過しているが、私の場合他の多くの書と同時並行して読み進めていることと、ここ最近は水滸伝原典や北方氏による回顧録を2冊読むなど道草をしていたため、登場人物の現状の各配置が頭の中でごちゃごちゃになっていた。梁山泊本隊、二竜山、双頭山、流花塞…。それらの各総隊長は分かるが、副官、軍師、隊長が入り乱れ、尚且つ初登場時にセットだった者同士はほとんどバラ売りされているので(例えば、少華山の賊徒だった朱武・陳達・楊春はそれぞれ流花塞の軍師、梁山泊の遊撃隊、二竜山の将校と配置も役職もバラバラ)私の頭が追いついていかない。
更に人事異動があったり、途中で死亡したり…。
また、李がつ -
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いよいよクライマックスへと近付いてきた。本巻では、敵方である青蓮寺闇軍隊長の高廉、間諜の呂牛を葬ったものの、廬俊義、関勝、魯達といったBigNameから、孫立、董平、劉唐、孔亮といった中堅どころまで消え、戦況は一段と厳しくなっていく。
禁軍総帥の童貫は、張清の飛磔により肩を負傷したものの、すぐにでも息を吹き返すだろう。梁山泊軍、戦々恐々である。
残念だったのは、第一巻冒頭から登場し、梁山泊の広告塔兼スカウトマンの役割を務めてきた魯達。闘病の末凄絶な割腹自殺を遂げていた。楊令に梁山泊108星と「替天行道」の志を語った。これは次シリーズである「楊令伝」へと繋ぐ布石である。魯達、最後の任務完了といっ -
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中央集権を進める藤原政権に対し、土地に縛られずに生きる海の民の生きる様を描いた作品。おもしろかった。海賊だけでなく、山賊も出てきて、政治の表舞台に登場しない少数民をよく描けていた。世界とつながる海の民のあり方、貿易のもたらす富のあり方についての中央集権政府と藤原純友の考え方の違いや、平将門の叛乱と藤原純友のそれとの違いなど、よく研究されていて厚みがあった。
ところどころに、「男なら!」という無茶苦茶論理が出てくるのは、まあ、北方謙三氏だからしかたないか。その部分は、あんまり物語とは関係なかったので、そんなに気にならずに、海賊の物語を楽しめた。 -
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幕末,幕府にも薩長の官軍にも属さない関東草莽の志士達が日本を変えて行く流れを作ろうとしていた。それが相良総三,後の赤報隊の総長である。本書では,そこに清水の次郎長が登場し,やくざという,政治的なことではなく,仁義にのみ生き・死ぬという達観した観点から幕末の動乱を見つめている。総三は官軍に先駆け,東山道の先方隊として江戸城を目指すが,幕末動乱の中,巨大な陰謀の中に沈んでゆく。このような血と死が万々累々と重なり,維新が進んでいったのだろう。これ一つを取って善悪を判断すると,総三を葬ったことは当然”悪”となるが,明治維新の中で,総三は無駄な死であったのかといえばそうではなく,それもこれも含めて近代が
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作中土方度は2ってところでしょうか(何この表現)
でもチラチラしか出ないのに妙に格好良いんです。なんかこう"振り返ったら奴がいる"的な登場がやたら多かったような。この土方さん超ハードボイルドなんで、格好良いけどリアルに振り返って後ろにいたら「ひぃ!殺さんで!」って条件反射で言っちゃいそうです。
北方さんきっと土方歳三好きなんでしょうねー。…名前も似ているし。
相楽総三はるろうに剣心で、次郎長の親分はさくらももこのエッセイでいずれもチラッとだけ知っていたんですが、ああこんな人達だったのかと興味深かった。幕末のヤクザさんの動向ってのも中々面白いもので。 -
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900年ごろ。藤原純友の話。藤原北家の出であるが,生母の身分が低く,自由奔放に育った純友だが,自分の一族の氏の長者であり時の摂政である藤原忠平が海上の交易の自由を奪うやり方に納得がいかず,海の開放を目指し戦う物語。忠平も決して私利私欲に走るのではなく,あくまでも自分の一族が政治をとり仕切り,日本を磐石にしようと志していたようで,忠平,純友のどちらもある意味正しいと言える。伊予に伊予丞という官職に就いた純友は海に自分の生きる道を見出し,近郊の水師達と交わり,やがて九州の水師たちとも交流が出来き,水師の親分のような存在にまでなる事になる。水師は,忠平の命により海上が自由に通行できないことに腹を立て
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■名場面
燕青が、盧俊義を担いで、北京大名府から梁山泊まで運んだところ
「俺の心の底の思いを言うとだな、宣賛。どちらでもいい、片方には死んで貰いたかった。ひとりが死んだあとに、そのことに気づいたよ」
宣賛は、魯達を見つめた。
「こわい男だな、おまえ」
「自分でも、それを認めていいような気分だ。人に対する思いは、いつも絶対ではないのだからな」(p.85)
燕青という、長く従者をしていた者が、飛竜軍の一部と力を合わせて助け出した。それだけでも異常なことであるが、燕青は追跡の眼をくらませながら、ひとりで盧俊義を担いで、梁山泊まで運んだのだという。
人間離れした、異様な力が作用したのだ。奇蹟と言っ -
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「戦で死ぬのではなく、むなしく死んでいく。それをやっても、揺るがない心を持った者を、私は必要としていた。これは、晁蓋殿や宋江殿に、知られてもならん。あの二人は、志の高潔さを失ってはならぬのだからな。私と二人だけで、暗殺というものが持つ、背徳に耐えられる心を保てるかどうか。そういう人間を、私は捜していた。そして、おまえを見つけた」
「俺が、暗殺を」
「暗殺をしても、ただ仕事をしただけだと思える男。私は、それを求めていた」
「すぐに、そうかと私は言えません」
「だから、あの岩に座れ、と私は言っている。そうやって、考えられるだけ、考えろと」(公孫勝→樊瑞)(p.79)
「俺は、王進殿に稽古をつけて -
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「そう、明日まで。何日とったところで、大した意味はない。人は、生きているかぎり、別れの積み重ねだ。しかし、再会の喜びも、またあるだろうと思おう」(秦明)(p.181)
「ここは、恥を詰めこんだ洞穴だ。おまえの卑怯なところを、全部詰めこんだ洞穴だ。中にいると、いやな臭いがする。この中で、二日暮らしただけで、私の心は貧しくなった。なにもかもが、ひとり分だ。おまえは、結局、ひとりきりなのだ。ひとりで汲々として生き延び、ひとりで死んでいく。私は同情している。かわいそうな男だ、と思う」(盧俊義→李袞)(p.279)
「ここで、踏ん張るのよ。三日、四日眠らねえから、なんだってんだ。男はよ、語り継がれる -
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■名場面
扈三娘と林沖の一騎打ちの場面(p.340)
しばらく、ひとりで考えていた。どうにもならない、劣勢。そこから、逆に相手を撃ち破っていく快感。その相手が官軍なら、快感はさらに大きくなっていく。
自分のこれまでの人生は、いつも圧倒的に優勢な方に足を置いていた。だから、勝利も、自分自身のものとは思えなかった。(李応)(p.230)
「ひとつの、小さな命をすべてと思える。だからこそ、林沖は英傑でもあり続ける」
「豹子頭林沖、絶対に死なせたくない男なのです、宋江殿」
「人の生死に、余計な思いを紛れこませるな、呉用。林沖も、李キの板斧で首を刎ねられ、頭を鞠のように蹴り回されていた祝一族の者たち -
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アフリカでした。
最初ッから最後まで・・・
解説にもあるように、横浜で腰を落ち着けるんじゃなかったのか神尾!
と、誰もが突っ込みたくなる・・・
しかしその突っ込みもすぐに収められ、神尾の動きに引き込まれるのだ。
まず、神尾は何をしようとしているのか、何をしにアフリカくんだりまで出てきてるのか。
神尾は横浜で探偵を初めて、半年間はどうでもいいような仕事をして、今回初めて、仕事をした、と言えるものをしているらしい。
それも、神尾の住んでいる家の大家・水町夫人の息子をアフリカから連れ戻す仕事だ。
黒い肌の国で日本人かー、と思ったらこの息子・俊、黒人アメリカ人とのハーフで肌が黒色・・・!
なんか面白