井沢元彦のレビュー一覧
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実家の本棚で発見。井沢元彦の長編第3作(『猿丸幻視行』『本廟寺焼亡』に次ぐ。『本廟寺』に引き続き南条圭もの)。
裏表紙に「歴史ミステリー」とあるが、全然歴史ミステリーじゃない。井沢でこのタイトルなら、それこそ、なんで喜撰法師みたいに1作しか知られていない歌人が入っているか(あるいは六歌仙に選ばれながら1作しか伝わっていないのか)とかでも推理してるかと思うところ。
80年代ノベルスぽい作りが懐かしいが、結構うまく作られていると思いきや、ええっここで終わり?! な終わり方をする。
真の巨悪wメルローズ財団との戦いは続く、ってつもりだったんだろうか?(読んでないだけで実はそういう話があるんだろうか? -
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秀吉の話が中心。
現代の歴史学への批判というのが、逆説の日本史シリーズではよく見られる。
今回は特にその記述が多く感じた。
ちょっとくどいような。。。
もちろん大事なことだから繰り返しているんでしょうけど。
(逆説の日本史10から続けて読んだからそう感じるのかも)
世に言う秀吉の朝鮮侵略の認識が大きく変わった。
(著者は、朝鮮侵略という表現には異を唱えている。)
今までの私の認識は、現代の価値観+結果論に大きく影響されたものだということに気づいた。
歴史を本気で学ぼうとしたら、当事者の視点が欠かせないのだろう。
歴史が好きな人間として、どういった姿勢で歴史に望めばよいのかということも考えさ -
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ネタバレ井沢元彦の歴史本は大好きで、既に10冊以上読んでいる。
日本には怨霊信仰があるので、怨みをもって亡くなった魂の鎮魂が必要となる、という思想をベースに各年代に奇想天外?とも言える説を展開する。真偽のほどは定かではないが、個人的には毎回楽しく読んでしまう。曰く、
・天照大神こそ卑弥呼である。
・神武天皇は「神武東征」を初め何代にもわたる天皇の事績・経歴を集約した集合体
・歴代125人の天皇の中で「神」という諡号が送られたのは、「神武・崇神・応神」の3人のみ。崇神が真の初代天皇であり、応神の時に一度皇統が断絶している。新たな皇統が始まった神宮皇后を持ち上げるための逸話が「三韓征伐」。
・悲劇の最後を -
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日本人の不条理な決断の裏には、日本人が気付いていない価値観がある。それが日本人独特に根付いている宗教であり、とりわけ言霊の呪縛がその元凶だというのが、これまでの著書でも一貫している著者の主張。
この人のはもう何度も読んでるんで今さら新しい気づきはないが、リスク管理がイヤんなるくらい叫ばれるご時世、いいタイミングで新たな読者を獲得できるんじゃないですかねえ。学生や若年層とか。
しつこいくらい朝日新聞を糾弾しまくってるのが、新しい読者はやや引いてしまうかもしれない。それだけに勿体ない気もするが。気持ちは分かるけど。
著者のホーム・グラウンドでもある日本史評論もない交ぜにした、一時間で読めるライ -
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ネタバレこの巻は今までの中で一番読みやすかったかもしれません。 井沢節も未だ健在・・・・ではあるものの顕在というほどではないうえに、KiKi 自身があんまりよく理解できていない時代の話であるために「うっそぉ!!」と思うことがほとんどなかった・・・・・というのがその大きな理由なのかもしれません。
正直なところ、KiKi は「応仁の乱」っていうヤツのことがよくわかっていなかった(名前だけは知っていたし、嫌になるほど長い争いだったことや都を疲弊させたことは知っていたけれど、根本的に誰と誰が何のために争っていたのかを理解していなかった)から、その輪郭がうすぼんやりと・・・・ではあるものの、ようやく理解でき -
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ネタバレこの巻に関しては面白い部分が多々ありつつも、KiKi にとってはかなり不満な内容でした。 それは目次を見た段階でもある程度予想はついていたことだったんですけどね。 因みにこの巻の目次はざっと以下のような感じです。
第1章:聖徳太子編 - 「徳」の諡号と怨霊信仰のメカニズム
第2章:天智天皇編 - 暗殺説を裏付ける朝鮮半島への軍事介入
第3章:天武天皇と持統女帝編 - 天皇家の血統と「日本書紀」の作為
第4章:平城京と奈良の大仏編 - 聖武天皇の後継者問題と大仏建立
あれ? あれれ??? どうして「大化の改新」の章がないんだ??? あの権勢をふるった「蘇我氏」があれよあれよという間 -
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ネタバレ前に読んだ、同じ作者の『言霊』の続編です。
内容的にはさほど目新しくはなく、前作の補足というか各論というか。大半はそのようなものでした。
ただ後半に、作者が前半部で散々に批判している「言霊」の長所を述べる文章もくっついていますが、これは恐らくページ数が足りないので取って付けたのでしょう(その部分の内容も、逆説の日本史の何巻だったかと完全に内容が重なってましたし)。
それにしても井沢先生の言霊論は、読めば読むほど分かりやすくて説得力もあるのですが、それだけに違和感もあります。ここに書かれていることが果たして全てなのだろうか? と考えずにはいられません。
例えば本文中でも、現在の西欧に言霊