三角和代のレビュー一覧
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がっつりSFでびっくりした。これはすごい。
触れる人を殺す霧から逃れ、小さな島で暮らす百人余りの村人と、彼らを導く三人の科学者。平和な暮らしの中で、突然起こった殺人事件。四十六時間以内に犯人を見つけて処刑しないと、島は霧に侵されてしまう。
語り手が村人の頭の中にいるAI「エービイ」なのが面白い。殺人が起こった夜の記憶がエービイによって消されているので、最初はとても混乱した。
だが、物語中盤から徐々に色々見えてきて、まずSFの設定のタネが明かされ、一気に引き込まれた。
最後は壮大な映画を見終わった気分。新しい世界に踏み出す彼らに、エールを送りたい。 -
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スチュアート・タートンのデビュー作。
主人公はイングランドの大きな敷地で目覚める。
女性が殺される現場におり、自分の記憶は無くしていた。
ブラックヒース館と呼ばれる大きな屋敷に彷徨いやってくる。ブラックヒース館では今、多くの人々が招かれていた。
ブラックヒース館を所有するハードカースル家の長女であるイヴリン嬢がフランスから帰国したことで仮面舞踏会が開かれていたのだ。
主人公は黒死病のマスクを被った人物から、これからブラックヒース館で起こる殺人事件の解決を命じられる。
事件を解決すれば繰り返されるブラックヒース館からの脱出が約束されるが、脱出出来るのは1人だけである。このループされるブラックヒ -
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死の霧により人類が滅びた世界。
最後に残された人々が暮らすユートピアで、
起こってはならない殺人事件。
犯人を見つけられなければ、
今度こそ「本当の終わり」がやってくる。
『世界の終わりの最後の殺人』スチュアート・タートン
いや、もう……この設定が強すぎる。
「黒い霧」によって世界は滅亡し、
生き残ったわずかな人々は〈世界の終わりの島〉で暮らす。
彼らを導くのは、旧世界を生き延びた3人の科学者「長老」達。
島では争いも私欲もなく、
人々は互いを尊重しつつ「奉仕」をしながら
自給自足の穏やかな生活を送っている。
一見すると、理想郷そのもの。
けれどある日、殺人事件が起きてしまう。 -
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終わり方が最高!
様々な思惑のある乗客、乗員を乗せた船舶内で起こる事件の数々…伏線が巧妙な本確ミステリー。まるで、マダミスのようでワクワクする。
傲慢かつ残酷な権力者の所業は、現代社会に通じるものがあり、(いもしない)悪魔の存在に恐れ、憎しみを募らせる人々の様子は、現代の排外主義を描写しているようで面白い。
また、女性が賢くイキイキと描かれていつつも、それは許されないという時代背景など…。謎解きだけじゃなくて、描かれているキャラクターや、プロット、巻き起こる出来事が社会派作品としても魅力的で飽きずに楽しめた。
そして最後の真相は………これは予想しなかった!
思いっきり騙されて、そして結末が -
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ネタバレ霧に橋を架ける
「スパー」
「水の名前」
「シュレディンガーの娼館」
「変化後のノース・パークで犬たちが進化させるトリックスターの物語」
「陳亭、死者の国」
「ポニー」
「26モンキーズ、そして時の裂け目」
「蜜蜂の川の流れる先で」
「噛みつき猫」
「ストーリー・キット」
「霧に橋を架ける」
ショートショートから、表題作の中編まで、様々な長さ、味わいの短編集。
いくつかの物語に共通しているキーワードは、犬や猫への愛とコミュニケーションの難しさ。
表題作は危険な霧の川に橋をかける技術者の物語ですが、プロジェクトリーダーの孤独や工学を極めるものの迷いなどがうまく描かれていたと思います。
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Posted by ブクログ
突如発生した黒い霧によって世界が滅亡。わずかに残った100名ちょっとの人々は「世界の終わりの島」と名付けられた孤島で暮らしている。島の「長老」として君臨する三人の科学者。
そしてある夜、長老の一人であるニエマが殺害される。そして住民は皆その夜の記憶を抹消されている。
SF色の強い、ある種の特殊設定なミステリでしょうか。あからさまに島に秘密があることを示唆されてってのがいかにもなSFっぽさがあって好き。最後に一気に真相が明らかになるのも気持ちの良いカタルシス。面白かったです。
ちょこちょこと「え?そんな話だったっけ?」みたいなものがないでもなかったんですが、自分が読み逃していたのか・・ -
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Posted by ブクログ
こんな特殊設定、よく思いついたなと。世界の終わりが迫っているというだけなら、そういう話はほかにもありそうなのだが、読んでいるうちに、疑問に思うことが出てくる。
この島では、百年以上も生きていて老人にもなっていない長老三人がいて、島の住人は長老を崇拝している。住人は決まった消灯時間でどこにいようと必ず眠りに落ちて、朝になると体が汚れていたりケガをしていたりする。まるで記憶がなく、催眠術のようだ。
そして60歳で必ず死を迎え、亡くなると子どもが補充されるようにどこかから連れて来られて、決まった人数に調整されている。もうすべての住人が本当に人間なのかもわからない。
その中で最たるものが、AIがす -