三角和代のレビュー一覧

  • 赤く微笑む春

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    エーランド島シリーズ第3弾。『冬の灯台が語るとき』の存在を忘れていて飛ばして読んでしまったけど、独立したストーリーなので問題なし。

    病気の娘と、放蕩を尽した末、年老いた父親というふたつの悩みを抱えた男と、横暴な夫を持つ女という二つのストーリーが絡む展開。

    事件そのものは少々とっちらかった印象だが、背景に漂う諦観と微かな喜びが物語に深みを与えていて、とてもよかった。

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    2013年08月30日
  • 黄昏に眠る秋

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    北欧ミステリの、これは傑作と呼んでいいのではなかろうか。派手なアクションもないし、大いなる陰謀もなく、かっこいい刑事も美人助手も出て来ない。事件にかかわった人びとの人生を丁寧に、哀切に描いて行く。ミステリのくくりで終わってしまうのはちょっと勿体ないくらい。おじいちゃんのイェロフがかっこよすぎです。

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    2013年07月21日
  • 夜の冒険 現代短篇の名手たち8

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    ニック・ヴェルヴェットやサム・ホーソーンのシリーズは読んでいたのですが、これはノン・シリーズのホック短編集です。でも期待に違わず面白かったです。短くても内容の濃い物語や、ラストの落とし方のうまさなど、堪能しました。

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    2010年04月13日
  • 世界の終わりの最後の殺人

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    がっつりSFでびっくりした。これはすごい。

    触れる人を殺す霧から逃れ、小さな島で暮らす百人余りの村人と、彼らを導く三人の科学者。平和な暮らしの中で、突然起こった殺人事件。四十六時間以内に犯人を見つけて処刑しないと、島は霧に侵されてしまう。

    語り手が村人の頭の中にいるAI「エービイ」なのが面白い。殺人が起こった夜の記憶がエービイによって消されているので、最初はとても混乱した。
    だが、物語中盤から徐々に色々見えてきて、まずSFの設定のタネが明かされ、一気に引き込まれた。

    最後は壮大な映画を見終わった気分。新しい世界に踏み出す彼らに、エールを送りたい。

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    2026年02月18日
  • 世界の終わりの最後の殺人

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    謎の霧に覆われてしまった世界、その霧から逃れバリアを張った島で暮らす住人たちと長老。その島で起こる殺人。
    犯人を捜す中、この世界の謎が徐々に明らかになる。

    語り手が住民の脳内?に始めから存在するAIなのは斬新な設定だなと思った。
    最初からなんか違和感あるなと思いつつ、読み進めていくうちにそういうことだったのねと納得。

    終わり方について、私はこれはこれでで良いと思いますよ。

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    2026年02月07日
  • イヴリン嬢は七回殺される

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    スチュアート・タートンのデビュー作。

    主人公はイングランドの大きな敷地で目覚める。
    女性が殺される現場におり、自分の記憶は無くしていた。
    ブラックヒース館と呼ばれる大きな屋敷に彷徨いやってくる。ブラックヒース館では今、多くの人々が招かれていた。
    ブラックヒース館を所有するハードカースル家の長女であるイヴリン嬢がフランスから帰国したことで仮面舞踏会が開かれていたのだ。
    主人公は黒死病のマスクを被った人物から、これからブラックヒース館で起こる殺人事件の解決を命じられる。
    事件を解決すれば繰り返されるブラックヒース館からの脱出が約束されるが、脱出出来るのは1人だけである。このループされるブラックヒ

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    2026年01月28日
  • 世界の終わりの最後の殺人

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    死の霧により人類が滅びた世界。
    最後に残された人々が暮らすユートピアで、
    起こってはならない殺人事件。

    犯人を見つけられなければ、
    今度こそ「本当の終わり」がやってくる。
     

    『世界の終わりの最後の殺人』スチュアート・タートン

    いや、もう……この設定が強すぎる。

    「黒い霧」によって世界は滅亡し、
    生き残ったわずかな人々は〈世界の終わりの島〉で暮らす。
    彼らを導くのは、旧世界を生き延びた3人の科学者「長老」達。

    島では争いも私欲もなく、
    人々は互いを尊重しつつ「奉仕」をしながら
    自給自足の穏やかな生活を送っている。
    一見すると、理想郷そのもの。

    けれどある日、殺人事件が起きてしまう。

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    2026年01月03日
  • 世界の終わりの最後の殺人

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    同じような設定の作品をこれまで多数読んだ(観た)。そのたびに、人類滅亡の危機になんで人を殺さなくちゃならないのかと疑問を持ちながらも、その考え抜かれたストーリーに脱帽した。本作品はその中でも突出していると感じた。
    謎に満ちた“霧”によってすべての生物が死に絶えた世界で、わずか122人の住民が平和に暮らす島が舞台だ。彼らが“長老”として崇める3人のうち、1人が殺害される。死をもたらす霧が迫る中、人類を救うためには2日以内に犯人を見つけなければならない。
    本格推理の皮を被ったSFだ(逆ではない)。おもしろかった。

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    2025年12月09日
  • 名探偵と海の悪魔

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    終わり方が最高!
    様々な思惑のある乗客、乗員を乗せた船舶内で起こる事件の数々…伏線が巧妙な本確ミステリー。まるで、マダミスのようでワクワクする。

    傲慢かつ残酷な権力者の所業は、現代社会に通じるものがあり、(いもしない)悪魔の存在に恐れ、憎しみを募らせる人々の様子は、現代の排外主義を描写しているようで面白い。
    また、女性が賢くイキイキと描かれていつつも、それは許されないという時代背景など…。謎解きだけじゃなくて、描かれているキャラクターや、プロット、巻き起こる出来事が社会派作品としても魅力的で飽きずに楽しめた。

    そして最後の真相は………これは予想しなかった!
    思いっきり騙されて、そして結末が

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    2025年10月21日
  • イヴリン嬢は七回殺される

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    長く、ゲロ難しい。
    読むのに膨大な時間がかかる小説です。
    タイムリープものが好きな私は楽しく読めました。
    探偵が聞き込み、推理で謎を解き明かすのではなく、その人間になって体感したものを集めて推理するという点が面白かったと思います。

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    2025年10月16日
  • 世界の終わりの最後の殺人

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    最初は話の流れを把握するのに苦労しましたが、徐々に全体像がわかってくるにつれて引き込まれていきました。しかし、SF色が強く何でもありなので、ミステリー好きには「そりゃないでしょ」という点が多々ありました。

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    2025年10月05日
  • 霧に橋を架ける

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    ネタバレ

    霧に橋を架ける

    「スパー」
    「水の名前」
    「シュレディンガーの娼館」
    「変化後のノース・パークで犬たちが進化させるトリックスターの物語」
    「陳亭、死者の国」
    「ポニー」
    「26モンキーズ、そして時の裂け目」
    「蜜蜂の川の流れる先で」
    「噛みつき猫」
    「ストーリー・キット」
    「霧に橋を架ける」



    ショートショートから、表題作の中編まで、様々な長さ、味わいの短編集。
    いくつかの物語に共通しているキーワードは、犬や猫への愛とコミュニケーションの難しさ。
    表題作は危険な霧の川に橋をかける技術者の物語ですが、プロジェクトリーダーの孤独や工学を極めるものの迷いなどがうまく描かれていたと思います。

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    2025年09月03日
  • おちゃめなパティ(新潮文庫)

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    1910年代のアメリカの全寮制女子校を舞台にしたお話。女性の参政権とかストライキとかお化粧とか当時の考え方が知れて興味深い。いたずら好きなパティがいきいきと思う存分活動していて楽しい!

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    2025年08月31日
  • 世界の終わりの最後の殺人

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    突如発生した黒い霧によって世界が滅亡。わずかに残った100名ちょっとの人々は「世界の終わりの島」と名付けられた孤島で暮らしている。島の「長老」として君臨する三人の科学者。
    そしてある夜、長老の一人であるニエマが殺害される。そして住民は皆その夜の記憶を抹消されている。

    SF色の強い、ある種の特殊設定なミステリでしょうか。あからさまに島に秘密があることを示唆されてってのがいかにもなSFっぽさがあって好き。最後に一気に真相が明らかになるのも気持ちの良いカタルシス。面白かったです。
    ちょこちょこと「え?そんな話だったっけ?」みたいなものがないでもなかったんですが、自分が読み逃していたのか・・

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    2025年06月24日
  • 世界の終わりの最後の殺人

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    ネタバレ

    ポストアポカリプスかと思えば、いやポストアポカリプスなんだけどこれは解放と言えるのかニエマの自己満足じゃないの!?
    人間に絶望したから自分が作った新種族に譲ろう!ってなる??
    でも、クラムのみんなには幸せでいて欲しい。
    そして、エービイ自分を殺させてクラムを解放するって1番人間くさいのでは。

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    2025年06月24日
  • おちゃめなパティ(新潮文庫)

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    時代背景や価値観がよく分からない時もあったけど、すごく面白かった
    1話に書いてあることが最後らへんの話で出てきたりすごーい!ってなりながら読んだ
    庭園の話が好きだな〜後日談も込みで

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    2025年05月23日
  • スリー・カード・マーダー

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    警官と詐欺師が異母姉妹。とある事情で協力して殺人事件の捜査を行うことになる。二人のやりとりが面白いし、警察内部の人たちなどとのやりとりも面白い。続きが気になるので、次の巻が楽しみ。

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    2025年05月14日
  • 世界の終わりの最後の殺人

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    近未来の世界を描いたミステリー。私にはSFと言うよりファンタジーの世界を感じた。
    世界の終わりの島を舞台にしたクローズドサークルミステリー。壮大な構成に相応しく内容も今までにないスケール。ここで各人の脳にプログラミングされたエービイが狂言回しの役をするのも今までにない取り組み、何度も読み返したい作品だった。

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    2025年05月09日
  • 世界の終わりの最後の殺人

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    こんな特殊設定、よく思いついたなと。世界の終わりが迫っているというだけなら、そういう話はほかにもありそうなのだが、読んでいるうちに、疑問に思うことが出てくる。

    この島では、百年以上も生きていて老人にもなっていない長老三人がいて、島の住人は長老を崇拝している。住人は決まった消灯時間でどこにいようと必ず眠りに落ちて、朝になると体が汚れていたりケガをしていたりする。まるで記憶がなく、催眠術のようだ。
    そして60歳で必ず死を迎え、亡くなると子どもが補充されるようにどこかから連れて来られて、決まった人数に調整されている。もうすべての住人が本当に人間なのかもわからない。

    その中で最たるものが、AIがす

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    2025年04月25日
  • おちゃめなパティ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    12話の短編集。主人公や仲間がある生徒のベッドにわざとホットチョコレートをぶっちゃかすとか、さらにゼリーも追加でぶっちゃかすとか、いじめすぎると引いた部分も。家の前で騒いで、病人がいるんですよと知らない人に叱られた後に笑ってるのも人格を疑う。

    どの話もハッピーエンドだけど、いたずらといじめは紙一重ですよ、パティ。

    高校生とのことだけど、あしながおじさんと同様、鬼ごっこ的な遊びを外で元気いっぱいに遊べるのは羨ましい。

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    2025年04月02日