三角和代のレビュー一覧

  • シナモンとガンパウダー

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    海や船自体の知識が少なく、描写を上手くイメージしきれないところはありましたが、読み進める毎に料理物だけではない色々なジャンルの小説が混ざりあい、とても面白く読むことができました。

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    2022年12月17日
  • シナモンとガンパウダー

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    ネタバレ

    海賊船の捕虜になり週に一度女船長に最高の料理を振る舞わないと殺されるという契約に縛られながら設備も材料もごみレベルの環境下で悪態つきつつも工夫凝らして毎回舌唸らせるメニュー案出する中隙あらば脱走企て失敗し挙げ句の果てに敵船の砲撃(?)で片足失いうんざりするが若い聾唖の船員に文字を教えてあげたり船長との食事楽しんだりなんだかんだで良い思い出になり船降りた今もときどき生死不明の船長恋しがる料理人の日記

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    2022年12月01日
  • ウォーシップ・ガール

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    ガレス・L・パウエルの最新作。前作『ガンメタル・ゴースト』に比べると、僕は断然こちのほうが好きだ。

    宇宙での生活がごく当たり前となった未来。

    人間同士の大きな宇宙大戦が終了し、宇宙は表面上は平穏を保っている。

    この世界で、元軍艦であるAIのシップは現在は人命救助用の艦船として働いている。

    この物語は非常に斬新で面白い。

    宇宙戦艦自体がAIにより人格を与えられ、自ら行動する。もちろん船には艦長が乗っているが、艦長の役目は船のAIに直接命令し、責任を取ることである。

    本書で繰り広げられるAI艦同士の戦闘(もちろん宇宙船同士の戦いなので格闘するわけではなく、ミサイルやレーザーを撃ちまくっ

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    2020年09月27日
  • ウォーシップ・ガール

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    『ガンメタル・ゴースト』読んだ時にガレス・L・パウエルを要チェックリストに入れといて良かった。
    早く他のも邦訳出してー

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    2020年08月18日
  • 赤く微笑む春

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    ネタバレ

    エールランド島4部作もいよいよ3作目。長い冬を終え、春に突入…とはいえ、あったかポカポカ気持ち良い弛緩といかないところが、ヨハン・テオリンの作品。

    本作の主人公は2人、元ポルノ映画製作者、現在認知症を患う父と重篤なガン患者の娘を持つ、若干冴えない男ペール。
    もう一人は、元エールランド島の住人で、強圧的な夫に振りまわされて心が疲れている婦人ヴェンデラ。

    二人がエールランド島、シリーズ通しての主人公イェルロフ(83歳になり死に場所を求めて老人ホームを自発的に退所する)の近所に越してきたところから物語がギシギシと動き出す。氷河が溶けだして河口へ向かうように、ジワジワとでも確実に。

    今回も全2作

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    2020年03月21日
  • 冬の灯台が語るとき

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    ネタバレ

    なんとも、地っ味ぃ~な話(笑)
    もちろん誉め言葉。それも最大限!

    北欧ミステリーは前に何冊か読んだけど、どれもイマイチで。
    読んでる時はそこそこ面白いんだけど、読み終わった途端「あぁー、つまんなかった」と、なぜか口から出ちゃう昨今のハリウッド映画みたいだなーと、すっかり敬遠していたのだが、これは逆転満塁ホームランだった。
    とにかく地っ味ぃ~に、少しずつ少しずつ話が進んでいくところがよかったんだろうなぁー。
    最期の「なんだよ、それ?」的な明後日の方から飛んでくるような変化球が全然気にならないくらい、というより世の中の事件なんてまぁそんなもんだよなぁーと思えるのは、やっぱり地味なストーリーの一つ

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    2019年04月28日
  • キリング・ゲーム

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    ネタバレ

    途中までミックスアップの気配がなくて心配だったけれど、元気そうでひと安心。ジェレミーもあまり登場しないけれど元気そうだし、相変わらずカーソンは事件に巻き込まれ、少しずつ解決していく。
    ただし今回は犯人は犯人だけど…という不可解なエンディング。もしかして次作以降に再出するのかななんて思ったりもするエマ。
    とにかく毎回引き込まれてあっという間に読み終わってしまうな。

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    2018年05月02日
  • スターシップ・イレヴン 上

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    スゴ腕なのにパッとしない男が、たまたま出会った銀河帝国の皇女に雇われ、危険なエイリアン船の調査に連れて行かれちゃうっていうお話。
    イントロ部分はわけがわからなくてとっつきにくかったけど、そこを乗り越えればドキドキとワクワクが溢れてきて、めっちゃ面白い

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    2018年04月18日
  • スターシップ・イレヴン 下

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    レンズマンならぬ電線マンの活躍♪
    歌ってるけれど『歌う船』というよりコードウェイナー・スミスの『補完機構』の船っぽい感じ

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    2018年04月08日
  • 髑髏の檻

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    ネタバレ

    おもしろい‼︎相変わらず本当におもしろい!
    キャビンに招待される不思議な件や、カーソンへの匿名の電話の件が深追いされず解放される件など…強引な展開も相変わらずだけれどおもしろい。
    張り巡らされた伏線や、テンポの良さは抜群で『こんなことがあった…』などという文章に出くわす度に、何度もページを遡って納得して読み進めたので、2~3回読んだ気分。
    最後にはミックスアップも無事に帰ってきてくれたし、本当に良かった。
    早く次作を購入して読みたい‼︎

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    2018年02月10日
  • 霧に橋を架ける

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    本屋でカバー買い.ヒューゴー賞,ネビュラ賞,世界幻想文学大賞受賞,というカバーの文句は伊達ではなく,とても良い本に巡り会えたと思う.
    SFと思って読むと間違いで,むしろ,南米の作家の書く小説の,奇妙な風合いに似たところがあって,変な設定を舞台にしているところは確かにSFといえるのかもしれないのだが,その設定を「そういうものである」という前提で物語が紡がれており,何か解決や注釈が与えられることはない.
    その舞台に登場する人物達が,その設定に巻き込まれる(決して右往左往する訳ではないが.何しろ,元からそういう世界で,急にそこに放り込まれた訳ではないのでなので)様が描かれている.

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    2017年04月29日
  • 埋葬された夏

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     1980年代に一つの事件があり、ある少女が犯人として罪に問われた。
     2000年代に、事件現場の再調査を行った結果、少女以外の遺伝子が検出された。

     主人公は元警官の探偵。
     かつて少女だった被疑者の無罪の証拠を見つけるため、イギリスのとある地方都市に行く。
     探偵の調査が進む現在と、事件の起きた過去が交互に進み、隠されていた真実が明らかに……。

     と、あらすじだけ説明すると、あまり面白くなさそうだが、最初の10ページまで行く前に分かる。コレ面白い本だと。
     しかしながら欠点もある、過去と現在で登場人物がたくさん出てくるので、あれ難しい?ってなる。
     でも大丈夫。分からないまま読み進めて

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    2016年08月02日
  • 髑髏の檻

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    やっぱりジェレミーが出てくると面白い!
    ジェレミーファンとしては読後感も良し。
    なんと「ドナルドトランプ氏」の名前まで出てきてちょっと笑えた。

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    2016年06月30日
  • 髑髏の檻

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    ネタバレ

    今回はカーソンが街を離れ、田舎で休暇を送ることになるが、またもや凄惨な殺人事件に遭遇して、という設定。
    地元警察のチェリー、FBI、そして何より今回は兄であり逃亡犯でもあるジェレミーがフル参戦。
    ジオキャッシングを利用した殺人事件と言うのが比較的新し目。
    動機が分からない殺人事件、兄との葛藤、縦横無尽に張られた伏線、毎度のことながらジャック・カーリィの世界を堪能できる。とにかくこの人は無駄な文章が無く、的確でエッジが効いた比喩や暗喩が多いので本当に読んでいて面白い。しかもしれが主人公ジェレミーの一人称で語られるときどことなくユーモラスなゆえに、悲惨な事件やその背後の暗い人間関係がありながらも読

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    2016年01月21日
  • 髑髏の檻

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    このシリーズは、期待を裏切らないですね。本作も良作です。序盤は少しもたもたしますが、最後は綺麗に着地します。"100番目"以来の笑撃ネタも炸裂、意外性やミスリードなど、ミステリとしての骨格も◎です。初めての方は第1作から読むことをお勧めします。

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    2015年12月27日
  • 黄昏に眠る秋

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    スウェーデンの新鋭のデビュー作。
    哀切という言葉が似合う傑作です。

    20数年前、霧深いエーランド島の平原で、イェンスという5歳の男の子が行方不明になった。
    母のユリアは立ち直れないまま。
    少年の祖父イェルロフは元船長だが80歳を過ぎ、老人ホームに入っている。
    その父からユリアに電話があり、イェンスが当時履いていたらしいサンダルが送りつけられてきたという。
    今頃、誰が何のために‥?
    あれ以来、ユリアは父と疎遠になり、父さんと呼ぶこともなくなっていた。
    だが父が気になっている手がかりを追って、二人は島で聞き込みを始める。
    疑いをかけられた一人のニルス・カントは、事件当時既に死んでいるはずだった‥

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    2015年01月24日
  • 赤く微笑む春

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    エーランド島シリーズ第3弾。『冬の灯台が語るとき』の存在を忘れていて飛ばして読んでしまったけど、独立したストーリーなので問題なし。

    病気の娘と、放蕩を尽した末、年老いた父親というふたつの悩みを抱えた男と、横暴な夫を持つ女という二つのストーリーが絡む展開。

    事件そのものは少々とっちらかった印象だが、背景に漂う諦観と微かな喜びが物語に深みを与えていて、とてもよかった。

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    2013年08月30日
  • 黄昏に眠る秋

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    北欧ミステリの、これは傑作と呼んでいいのではなかろうか。派手なアクションもないし、大いなる陰謀もなく、かっこいい刑事も美人助手も出て来ない。事件にかかわった人びとの人生を丁寧に、哀切に描いて行く。ミステリのくくりで終わってしまうのはちょっと勿体ないくらい。おじいちゃんのイェロフがかっこよすぎです。

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    2013年07月21日
  • 夜の冒険 現代短篇の名手たち8

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    ニック・ヴェルヴェットやサム・ホーソーンのシリーズは読んでいたのですが、これはノン・シリーズのホック短編集です。でも期待に違わず面白かったです。短くても内容の濃い物語や、ラストの落とし方のうまさなど、堪能しました。

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    2010年04月13日
  • 名探偵と海の悪魔

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    終わり方が最高!
    様々な思惑のある乗客、乗員を乗せた船舶内で起こる事件の数々…伏線が巧妙な本確ミステリー。まるで、マダミスのようでワクワクする。

    傲慢かつ残酷な権力者の所業は、現代社会に通じるものがあり、(いもしない)悪魔の存在に恐れ、憎しみを募らせる人々の様子は、現代の排外主義を描写しているようで面白い。
    また、女性が賢くイキイキと描かれていつつも、それは許されないという時代背景など…。謎解きだけじゃなくて、描かれているキャラクターや、プロット、巻き起こる出来事が社会派作品としても魅力的で飽きずに楽しめた。

    そして最後の真相は………これは予想しなかった!
    思いっきり騙されて、そして結末が

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    2025年10月21日